記事タイトル:「腕始動型」に未知の魅力 


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お名前: Hide.   
to 親馬鹿一刀流さん
>以前に腕が先か、足が先か、そのねらいと効果について色々書き込ませて頂き
>ました。それで、私の結論は「どちらもあり」です。
広義にはそのご意見に賛成です。
私もお稽古の中では、場合に応じて様々なタイミングで足を使っておりまして、
必ずしも「腕始動型」だけで打突しているわけではありません。「技」や「誘い」
によっては西村先生の「月影」のように「足が先行」している(腰始動型ではな
い)場合もあります。

ただ、腕や構の崩れもさることながら、基本的には足が動いたら(バランスが移
動し始めたら)そこが隙になるか打つしかありません。しかし、重心の移動なく
腕や構が崩れることはほとんどありませんから、私はお相手との攻め合いの中で
は「足(重心)が動いた時点が負け」と考え、そこを「捨て時」と考えています(^^)


to Fすずのすけさん
>なにかこう、地元の小学校の体育館で平々凡々と稽古をしている時も、Hideさ
>んのような意識で自分の動きを作れたら、充実しそうですよね。
子供の元立ちなんて、ダウンバランスを作って動くのに最適ですよ。上位の先生
方の元立ちを拝見しておりますと、流れるようなしかししっかりとした足さばき
で動かれているのに感動いたします。そんなものをイメージしたいですねヽ(^.^)ノ

お名前: Fすずのすけ   
to Hideさん
   解説ありがとうございます。ダウン・バランスで床を押す
ように、わたしもなりたいものです。なにかこう、地元の
小学校の体育館で平々凡々と稽古をしている時も、Hideさんの
ような意識で自分の動きを作れたら、充実しそうですよね。

to 親馬鹿一刀流さん
  (守破離と出げいこではお世話になりました。)
  ようこそ、お越し下さいまして。纏めていただき、とくに
諸手右上段からの振りが初心者に良いという所が、メチャクチャ
にうなづいてしまいました。一拍、二拍とかで中段からの打ち
の難しさをわたしも訴えていましたので、補ォしていただく
形となり、感謝です。運足がまだゼンゼン形になってません
ので、また相談させて下さい。

お名前: 親馬鹿一刀流   
以前に腕が先か、足が先か、そのねらいと効果について色々書き込ませて頂きました。
それで、私の結論は「どちらもあり」です。

Hideさんが推奨されている打ち方を私も指導します。
例えば、諸手右上段に構えて右足で踏み込んで打つというものです。
初心者の指導で打突と打ち込みのタイミングを教え易いです。
あるいはタイミングを取る為に、左足を出してしまう子供の矯正に使います。

私は、初心者に竹刀を刃筋正しく振らせる、筋力をある程度つける、振り方を筋肉に覚えさせ
る為に、上段の位置か水平になるまで(私はお尻まで振る事も指導しますが)振り上げさせま
す。この段階の子供に腰始動型で踏み込み足をやらせようとしても出来る訳がありません。
送り足で左足の引き付けと同時に振り下ろすのがせいぜいでしょう。
(高齢の高段者の先生は技として使われますが)
理由はもうお分かりと思いますが、初心者の振り上げ振り下ろしは、長い2拍、踏み込みは
それなりの1拍、遅れて左足の引き付けが0.5拍あるいは1拍だからです。
私でも、水平まで振り上げる動きで手と足を同時に動かすのは難しいです。
普通の方は、手首の使い方等を覚え、振り上げを半分にして、上げ下しを1拍にしているので
足と同時操作が可能になっていると思います。
あるいは、膝を上げる下ろすの動きを使って同調させている場合もあります。
(Hideさんのお稽古の様子を読みますと足さばきが非常に速くて、普通の人の0.5拍の踏み
込み足ではないかと想像しています。)

バリエーションとして手元を上げず右足を静かに出しながら、右足を踏む瞬間に上げ下ろしを
行う。長い足の1拍の間に0.5拍か1拍の打ち。
(おきちゃんこと西村先生がよく説明されています。)
右足着地、打ち、左足着地の順のケースもありますね。(木寺さんのサイト。あるいは歩み足
での抜き胴=剣道形の7本目に近い)

現在言われている踏み込み足は飛び込み足だと思います。(参考:剣道辞典)
私は送り足、歩み足、踏み込み足に加えて、踏みしめ足とという事を考えています。
纏めますと、上達段階によったり、足さばきを意識したり、技としての使い分けで、手が
先、足が先、同時、左足が先等色々あって良いと思います。

お名前: Hide.   
>・・お客さん来ないなあ。タイトル悪かったかしら(大笑)。

ハハハ、たぶん皆さん、Fすずのすけさんが「何をもって魅力的」と感じている
のかをROMって成り行きを見てるんだと思いますが・・・(^^;


>1. 打突の瞬間に体が浮き上がるのが、「床のエネルギーを剣先に伝える」
>ための要件、と理解してよいですか?

その場素振り、あるいは、その場跳躍の切返しの場合の話ですね?
その通りです。足底部が床を強く「押す」ことによってその「反発」のエネルギー
が「アーチ→足首→膝→股関節」と上がってきて、肩甲骨から左腕を伝わり最終
的に剣先まで移動していくのです。
ただ、通常の打突であれば、このエネルギーは前方への推進力にかなりの部分を
使われるわけですが、「その場」に居続けるために「上方へ逃がしている」んで
す(^^)


>2.  ちなみに、腕始動型の引き面は、振りおろし始めるまで左カカトは後方に
>開かないのですか?  間合いがとりにくそうB

ハイ、その通りです。しかし、鍔と鍔が接する正しいつばぜり合いをしていれば、
打突するに十分な間合があります。
 1.その場で振りかぶる
 2.ややバックバランスになりつつ振り下ろす
 3.打突に少し遅れて右足が床を踏み込み(同時に左足が持ち上がり)
 4.右足底部が床を強く後方に押し
 5.左足と重心を後方に引きさげる
となります(^^)


>3.  「芋掘り剣道」とダウン・バランスは、どう違いますか?

ちょっと呼び方が悪いですが、ウチの道場ではこう呼ばれておりましたので、お
気を悪くなさらないでください(^^;

私の言うダウンバランスは、構のときの状態です。「床に足をめり込ませるくら
い」の意識で重心を下にかけていきます。このことによって、「アーチ・足首・
膝・股関節」の4つのバネが働いたとき、瞬時に大きなエネルギーが出るよう「タ
メ」を作ってるわけです(^^)

「芋掘り剣道」ですが、これは打った瞬間にカラダが沈み込んでしまうものです。
ですから、打突のベクトルは下方向で、「押し切り」に必要な「前上方」への推
進力が得にくいはずです。
私が提唱する踏み込み足は「二段ロケット型」でして、打突直後に着地した右足
の大腿直筋が床を力強く押し、左足を「引っ張り上げる」作用をしています。つ
まり、打突後は「ダウン」ではなく「アップ」にカラダを使っていきます。この
ことにより、「左足・左腰・左脇」を逃がさない打突が可能です(^^)



>4.  なぜ「反動」などではなく「エネルギー」なんですか?  エネルギーの少な
>い床とか、あるんですか?

うーん、イメージですね(笑)
ダウンバランスを意識することによって、床(大地)のエネルギーを体内に取り
込んでいる実感があります・・・と書くと大げさでしょうか(^^;
「打とう」という意識が「4つのバネ」に働きかけをするわけですが、床からダ
イレクトにエネルギーが上がってくる感じなのです。それはけっして「反発」と
か「反動」ではないと思われます。

私はちょっと前まで「床を蹴る」と表現しておりました。
事実、昨年書いた「Hide.剣道研究室」の文章ではほとんど「蹴る」と書いていま
す。しかし、色々なところで自分の体移動を指導している中から「蹴ってないな」
ということに気がつきました。「蹴るのではなく押しているんだ!」って! そ
う意識が変化したときに、それまで以前にも感じていた「床のエネルギー」がよ
り明確にわかるようになったんです(^^)

エネルギーの少ない床ですか? あまりそういうことを考えたことがありません
ねぇ。ただ湿度が高い影響で、極端に「床をつかみにくい」と感じることはあり
ますが、エネルギーについては・・・。今度、色々な床に立った感じを確かめて
みることにしますね(^^)


>5.  わたしはカタいとか、振りにしなりが無いとか、言われるのですが、
>打突の瞬間に体重が床に乗っている(芋堀り?)からそうなるのでしょうか?

打突の瞬間に体が落ちてしまっている(芋掘り状態)だとすると、打突にはあま
りさえがなく「重い」ものになる可能性が高いです。

ただ、「カタい」「しなりがない」は、腕の使い方ではないでしょうか?
右腕は「肩ーひじー手首」をしなやかに「ムチのように使う」必要があります。
こういうふうに振りませんと、剣先にエネルギーが行き渡りませんね。竹刀全体
が「棒」のようになってしまえば、剣先(トップ)は有効に振れていないことに
なります(^^)
女の子には、剣先につけた新体操のリボンを「遠く長く飛ばす気持ちで振ってご
らん」などと説明しておりますが・・・。鳥の羽ばたきなどもイメージとしては
似通っていると考えます。あんな感じで腕を使ってみてくださいヽ(^.^)ノ

お名前: Fすずのすけ    URL
・・お客さん来ないなあ。タイトル悪かったかしら(大笑)。

to hide.さん
  色々なお話、ほんと魅力が満載で、このさい聞き手の消化不良は
ご容赦いただいて、ドンドンお聞きしたいと思います。

1. 打突の瞬間に体が浮き上がるのが、「床のエネルギーを剣先に伝える」
ための要件、と理解してよいですか?  この点は別のかたも未知の
印象を受けたようですが、わたしも引き面ぐらいしか、思いあたる(連想できる)
動きがありません。
2.  ちなみに、腕始動型の引き面は、振りおろし始めるまで左カカトは後方に開かないのですか?  間合いがとりにくそうB
3.  「芋掘り剣道」とダウン・バランスは、どう違いますか?
4.  「床のエネルギーを剣先に伝える」というhide. さんの表現が、なぜか
大好きで、これを頭で唱えながらうちの先生と地稽古したら、まぐれで面が入ったケースがあり、未知の魅力があるのですが、なぜ「反動」などではなく「エネルギー」なんですか
?  エネルギーの少ない床とか、あるんですか?
5.  わたしはカタいとか、振りにしなりが無いとか、言われるのですが、
打突の瞬間に体重が床に乗っている(芋堀り?)からそうなるのでしょうか?
ちなみに、わたしの信条は、まず自分の体重を見{にして使
うことを出発点としています。これを称して「吾、重い。ゆえに吾有り」
・・・とりあえず、今日はこの辺までで1お願いします。

お名前: Hide.   
>わたしの通う剣友会の先生は、腰・腕どちらの始動型でもなく、右足と剣先が
>同時にスタートし、右足の前進が止まるのと剣先が振り切るのが同時、という
>解説をされています。

なるほど、手足同時にスタートしながら、右足の踏み出しとシンクロさせて打ち
切るんですね。これは、手足同時にスタートし左足の引きつけと同時に打ち切る
「腰始動型」とは違いますね。Fすずのすけさんが書かれているように「手足同
時型」とでも命名しておきましょうか(^^;

私が教わった道場ではこうした打ち方を「芋掘り剣道」などと言っておりました
(^^;スミマセン この打ち方の弱点は、打突の瞬間に「カラダが落っこちてしま
うこと」にあると考えます。


>スナップの位置を自分寄りにしたければ腕指導型となり、
>スナップの位置を相手の目前にしたければ腰指導型となり、

そうですね、こういう考え方はできるかもしれません(^^)


>わたしは、自分は「その場素振り」からやり直そうかなと考えています。

その場素振りは私も大切であると考えております。下に書きました「その場跳躍
の連続切返し」もその考え方を発展させたものです。

その場素振りでたいせつなのはわずかな重心の上下動です。「アーチ・足首・膝・
股関節」という4つのバネを有効に使って、打突の瞬間にグッと「アップ」にカ
ラダを使い床のエネルギーを有効に剣先に伝える意識を持ちます(^^)

お名前: Fすずのすけ    URL
to hide.さん
  切り返し時の「腕始動型」の解説と「その場跳躍」のご紹介、
ありがとうございます。拝読しました。「その場跳躍」とはまた、
未知の魅力がありますねえ・・。今度、真似てみます。

  わたしの通う剣友会の先生は、腰・腕どちらの始動型でもなく、右足と剣先が同時にスタートし、右足の前進が止まるのと
剣先が振り切るのが同時、という解説をされています。そこで、左足の引き付けが始まる(つまり重心が一旦右足に乗りきる)タイミングで腕の振りかぶりが振りおろしに切りかわるので
あれば、hide.さんのおっしゃる通り「2:2で簡単なqじゃないの?」
ということなんですが、実際は上・下半身でズレがあり、ここの
タイミングの修得が初心者には難しいというのが、わたしの伝えたい
主旨でした。

 さて、そんなことより、わたしの興味の核心は、うちの先生の動きが、
なぜか「腕始動型」に見えることがある、ということです。
  地げいこやかかりの元立ちの際、踏み込んではいるんだけど
立ち位置の変わらない、つまり「その場打ち」のような感じで
ポコポコと連打されますし、また顧問の老先生に先生が掛かる
時も、跳躍しつつヒットさせるような、「不思議な」打ちが
見られます。

  そこで、考えるのですが、「間合い」というものを相手の位置
と自分の位置に加え、スナップの位置(手の内のしなりを作る空間的予定場所)の三点で間合いを考えるとしたら、
  スナップの位置を自分寄りにしたければ腕指導型となり、
  スナップの位置を相手の目前にしたければ腰指導型となり、
  現在地から前に移動しなくても欲しい位置にスナップが作れる
局面では、ことさら動かずとも、その場打ちが適切となる。
  ・・・とは、言えないでしょうか?

  こう考えると、手足同時型のうちの先生が時として腕始動型風の打ちをするのも理解できますオ、hide.さんの後に続く
人が時として非・腕指導型をしてもオカシクないと思うのでず。

 そして、もっともベーシックな振りの練習は、腕始動型の素
振り以前に、その場素振りである、とは言えないでしょうか?
わたしは、自分は「その場素振り」からやり直そうかなと考えています。道場についていくための補助的練習として。
つまり 前ーあとー前ーあとの運足ではなく、例えば
(その場)ー前ー(その場)ーあと  といったものにするとか、です。どんなもんでしょうか?

お名前: Hide.   
「腕始動型」は「腰始動型」を提唱していらっしゃる長谷川先生の分類上のネー
ミングですが、実はあまり気に入っておりません。なんかいかにも、「腕の動き
が重要」というイメージがあるからです(^^;

まぁ、不平を言ってもしかたありませんので、この呼び方でお話を進めさせてい
ただきますが、参考までにFすずのすけさんがお話になっていらっしゃる「Hide.
剣道研究室」の「足を出しながら振りかぶる?(早素振りのできない子供達)」
も合わせてお読みいただければありがたく思います(^^)


>一回の踏み込みの間に、腕は振りかぶって振りおろすので
>あれば、「下半身が1拍のところに上半身が2拍」なので、我々
>初心者には難しいです。

うーん、この部分を何度も読み返して考えてしまったのですが、足を出しながら
振りかぶる(以後、「腰始動型」)方が、
 1.振りかぶるー右足を出す
 2.振りおろすー左足を引きつける
で、リズム的には2:2で簡単なんじゃないですか?(^^;
あ、うまく振れる振れないの問題は抜きにしてですが・・・。

その点、振りかぶったとき足を出さない(以後、「腕始動型」)は、
 1.腕を振り上げる
 2.振りおろすー右・左と進む
ですから、2の動作のときは腕1アクションに対して足は2アクションです。よ
り素早い足さばきが必要になりますから、動作的には難しいかも・・・(^^;


>最初の素朴な質問は、「切り返しの時の腕始動型って、どんな感じですか?」・・
>よく見られるリズムとの相違点は?
移動しながらの早い切返しは、厳密な意味での「腕始動型」ではできません(^^;
右足でカラダを引っ張り込んで左足に体重が乗っているところで振りかぶりの動
作が起こるわけですが、このとき先行動作として右足が前に進んでしまいます。

ただ、完全なる「腰始動型」で移動しながらの早い切返しを行ないますと、非常
にぎくしゃくした動作になることは間違いありません。その動作の違いをテキス
トで表現できないのが残念です(^^;


厳密な意味での「腕始動型」の早い切返しを行なうに適したお稽古方法が「その
場跳躍による連続切返し」です(^^) これは、「初めてのいちに会流素振り」と
いうトピックが「剣道談話室」にありまして、その中で簡単に解説させていただ
いておりますので、そちらをご参照くださいm(_ _)m

お名前: Fすずのすけ    URL
祝七万アクセスを記念して、「恥ずかしい質問コーナー」組
が出張して、こちらQ&Aにカキコします。
  先日来、剣道研究室の「早素振りのできない子供達」を拝読
し、hide.さんのバックグラウウンドである、振りかぶる時は
足を出さない(俗に腕始動型?)モーションの理論が気になって
仕方ありません。つまり、未知の魅力を感じるのです。
  一回の踏み込みの間に、腕は振りかぶって振りおろすので
あれば、「下半身が1拍のところに上半身が2拍」なので、我々
初心者には難しいです。つまり、ゆっくりの早素振りこそが
「1拍対1拍」で、リズム的にもっニも悩まない形と感じます。

そこで、おいおい順を追って皆さんにもお聞きできればと思い
ます。ちなみに当方、20年ぶりの再開組の、初段(もと初段?)です。どうぞよろしく。

最初の素朴な質問は、「切り返しの時の腕始動型って、どんな感じですか?」・・よく見られるリズムとの相違点は?

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