足さばきの指導法(5)

(「蹲踞」と「早素振りの足」 2000/10/26)
この一文は、「クラブオブ剣道 & タギリ金属の掲示板」に書き込みしたものを土台にして加筆訂正したものです。

 少し順序が前後しましたが、初心の子には、足のトレーニングをかねて「蹲踞」の動きを練習させます。踵をベッタリと床につけてしゃがむことはできるのですが、踵を上げておシリをその上に乗せる「蹲踞」のしゃがみ方がうまくできず、「礼法」を教える妨げになることがあるからです。
 ですから、この稽古は、はじめて来た子から「体操の一環」として実施します。

 実施方法は両手を腰にとらせて、
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 1.「基本の足型」から、左足中指と人さし指の付け根の足底部を中心に左足
   踵を反時計回りに回転させ、右足踵につけさせる
 2.笛の合図にしたがって、ゆっくりと膝を折り両踵を持ち上げ、その上にお
   尻を接するようしゃがませる
 3.笛の合図にしたがって、ゆっくりと立ち上がり、左足踵を時計回りにねじっ
   て「基本の足型」にもどる
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となります。
 笛の吹き方は長く「ピィィーーーーー」と伸ばし、しゃがんだり立ち上がったりの動作をゆっくりと誘導してやります。

 留意点としては、
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 ●しゃがんだときに上半身が前傾しない
 ●しゃがんだときに、両足踵の間が開きすぎない
 ●右膝は前方やや右、左膝は左前方を向ける(右自然体)
 ●肩のラインは正面より前方やや左向きだが、極端に左を向かない
 ●立ち上がるときに姿勢が前傾しない
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です。

 どうしてもストンと腰を落としてしまう子が多いので、ゆっくり腰を下ろせるよう指導者が示範しながら行なうのがいいでしょう。

 また、立ち上がるときに「ドッコイショ」と言わんばかりに脚力のない子もいますから、「スーッ」と立ち上がれるよう練習させていきます。

 

 それともうひとつは「早素振りの足」です。これも、私は「体の運用」で「送り足」を理解させたあとに「蹲踞」の稽古とともに行なっているものです。

 実施方法は両手を腰にとらせて、
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 1.先行動作として両ひざを少し緩め「タメ」を作る
 2.「基本の足型」から左足蹴り出しによって右足と重心を前に跳躍させて進
   める
 3.右足先から着地し、ついで左足を蹴り放し素早く「基本の足型」の位置に
   足先から着地させる
 4.右足の中指と人さし指の付け根の足底部を使って蹴り出し、左足と重心を
   後方に跳躍させて進める
 5.左足先から着地し、次いで右足を蹴り放し素早く「基本の足型」の位置に
   足先から着地させる
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となります。

 この上記1〜5を、笛の合図をきっかけにして行ないます。
 最初の笛で「右足、左足」と前方へ跳躍、次の笛で「左足、右足」と後方へ跳躍させます。最初は、バランスを整えながらゆっくりと、だんだん、笛の間隔を短くして早い動作で正確に行なえるようにします。最終的には、子供達が「跳躍早素振り」をするくらいのペースまで早めていきます。

 留意点は、
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 ●前に跳躍するとき、右足先が膝より前に出ない
 ●前に跳躍するときお尻を突きだしたりして姿勢を崩さない(背中の丸まりに
  も注意)
 ●跳躍後のバランスは、左右の足の中心にあるよう心がけさせる
 ●速い動きになると「基本の足型」の位置に足が着地しない者が出てくるので
  気をつけさせる
 ●膝を突っ張ってしまう傾向の子はうまくできないので、「足のバネ(アーチ
  ・足首・膝・股関節)を柔軟に使うことを指導する
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です。


 「蹲踞」の動きも「早素振り」の足も、これだけ取り出して教えた方がだんぜん子供達には分かりやすく学びやすいようです。けっこう、喜んでやってますので、ぜひ取り入れてみたらいかがでしょうか。


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