足さばきの指導法(2)

(「回り足」と「すり足」 2000/09/08)
この一文は、「クラブオブ剣道 & タギリ金属の掲示板」に書き込みしたものを土台にして加筆訂正したものです。

 「体の運用」「開き足」を教え込んだあと平行して指導していくのが、「回り方」と「すり足」です。

 まず、「回り方」ですが、
----------------------------------------------------------------
 1.中段の構えの左手の位置を変えないようにして竹刀を立てる
 2.右足の指の付け根の足底部分を軸にして反時計回りに180度回
   転する
 3.立てていた竹刀を中段の構えに戻す
----------------------------------------------------------------
となります。

 最初は、「立てて」「回って」「下ろす」という3つの動作(号令)に分解して動かし、最終的には「回れ!」の号令で「立てて、回って、下ろす」という一連の動作を滑らかにできるようにします。

 留意点としては、
----------------------------------------------------------------
 ●ふらつかないようにする
 ●回転したあと、正確に基本の足型に戻る
----------------------------------------------------------------
ですが、回転するとき下肢のバネ(アーチ・足首・膝・股関節)で床を押してやり、左足をコンパスの芯の部分のように「基本の足型のまま」回すことが肝要です。
 あと、首・肩・骨盤に捩れが生じないようにするのも大切ですね。


 実は、この回り方をきちんと教えるところは極めて少なく、これができていないため「振り向きざま」が弱い選手が意外にも多いんです。高校の部活動でも、これを矯正するのが一苦労なんです。ぜひ、初心者のうちにマスターさせておきたい技術です。
 また、ここでは左回りしか教えません。右回りは、特殊な場面にしか出てこないためです。

 さらに、竹刀を立てる理由は、
----------------------------------------------------------------
 ○振り向いたとき、相手に剣先を正確に付ける
 ○回転半径を小さくしてふらつきを少なくする
----------------------------------------------------------------
の2点です(^^)


 「すり足」は、どこでもやっていることと思います。「体の運用」の移動方法を「連続して」「滑らかに」行なうものです(^^)

 まず、「前」の留意点ですが、
----------------------------------------------------------------
 ●ぜったいに左足が右足を追い越さない(揃わない)
 ●右足つま先を上げない(踵から着地しない)
 ●下肢のバネを柔軟に使う
 ●左足の蹴り出しによって体(右足と重心)を進める
 ●右足着地後、右膝上の大腿直筋を緊張させ素早く左足を引きつける
 ●中段の構えを崩さない(姿勢・左手の位置・剣先に留意)
 ●頭(重心)の上下動は最小限に
 ●素早く小刻みに足を使う
 ●向こうまで行ったら「回り足」でターンする
----------------------------------------------------------------
です。

 「後ろ」の留意点は、
----------------------------------------------------------------
 ●ぜったいに右足が左足を追い越さない(揃わない)
 ●腰を引かない
 ●右足の蹴り出しによって体(左足&重心)を進める
 ●蹴り出した後、右足を引きずらない(つま先を上げない)
 ●中段の構え(左手・剣先)が崩れないようにする
 ●頭(重心)の上下動は最小限に抑える
 ●素早く小刻みに足を使う
 ●向こうまで行ったら「回り足」でターンする
----------------------------------------------------------------
です。
 子供に教えるときは、「誰かにつむじのあたりを後に引っ張られているような感じで」と説明するとへっぴり腰にならずわかりやすいようです。

 また、右足の蹴りがわからず引きずってしまう生徒も多いようです。こういう生徒には、右足での後ろ方向への片足跳びをやらせてみて、右足を蹴る感覚を教えてあげるのがいいでしょう。


 あとバリエーションとして、横移動も剣道では大切な要素になりますので、「右移動のすり足」「左移動のすり足」も併せて行なうのがいいでしょう。
 さらに応用的な動きになりますが、「前から後ろ」「後ろから前」(途中でターンを入れる)も「面まわり面(面を打ちすれ違い後、すぐさま反転して引き面を打つ)」などの技に必要になってきますから、「足さばき」の一環として行なうのがいいと考えます。


次のテーマへ
研究室インデックスへ
ホームへ
感想・意見・苦情・愛情はこちらへ