足さばきの指導法(4)

(「踏み込み足」-後ろ 2000/10/26)
この一文は、「クラブオブ剣道 & タギリ金属の掲示板」に書き込みしたものを土台にして加筆訂正したものです。

この項は「踏み込み足」の続きで、「さがりながらの踏み込み足」を取り上げることにします。

これは、

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 1.両脚のバネ(アーチ、足首、膝、股関節)を少し緩める
 2.右足を少し持ち上げ、足底部をフラットに着地させながら、膝にタメを作り
   床を踏み締める
 3.同時に、左足が軽く持ち上がる
 4.踏み締めた右膝上の大腿直筋を伸長さ、左足と重心を後ろに蹴り下げる(一
   次跳躍)
 5.左足を指の付け根の足底部から着地させ、膝上の大腿直筋を伸長させ、右足
   を引っ張り込む(二次跳躍)
 6.右足を指の付け根の足底部から「基本の足型」の予定位置に着地させる
 7.左足を指の付け根の足底部から、右足に対して「基本の足型」の位置に着地さ
   せる
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とこうなります。

2の右足を踏み締める位置ですが、打突する部位や相手との間合によって変化してきますが、基本指導の時は、「今立っているところと同じ位置」と教えるのがいいようです。

応用では、立っている位置を基準にして「半足分前」「半足分後ろ」「半歩後ろ」など教え分けます。

5の着地位置ですが、最初は小さく、少しずつ距離を伸ばします。前の「踏み込み足」と同様、二次跳躍の動作を大きく練習させることによって、右足の引っ張り込みの感覚を養っていきます。

留意点ですが、

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 ●1で両脚のバネを緩めたとき、必要以上に姿勢を崩さない(さがりすぎない、
  お尻を引かない、後傾しない)
 ●2で床を踏み締めたとき、やや後傾がはじまるが、重心は右足(膝)に感じて
  いる
 ●4で床を蹴り放したとき、つま先を持ち上げないように心がける
 ●5の段階で重心は左足に移動させる
 ●6で右足の着地位置は左足よりも後ろにしない
 ●7で重心は右足と左足の中央に戻る
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です。

リズムは「トン、タッタタ」です。最初の「トン」が2の右足の踏み締め、次の「タッ」が5の左足の着地(二次跳躍)「タ」が右足、「タ」が左足です。


前方への「踏み込み足」は割と市民権を得ていますが、後ろはまず、語られることも解説されることも少ないですね。有効打突の必須要素と言えない部分もありますから、しかたないのかもしれません。

ただ、これができないで苦しんでいる人も多いですから、やはり、基礎段階でしっかりと指導する必要があると考えます。


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