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日程 |
平成12年(2000)7月28日(金)〜8月1日(火)4泊5日 |
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宿舎 |
ホテルつたや(栃木県今市市) |
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稽古場所 |
栃木県今市市立今市小学校剣道場・大桑小学校体育館 |
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指導者 |
井上秀克(淑徳大学職員) |
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参加者 |
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文責:井上秀克
合宿雑感 平成12年度のいちに会夏季合同合宿は、通算で12回目。途中、単独になってしまったこともあるが、「学校の枠にとらわれずに、みんなで生徒を育てていこう」という基本精神は終始一貫してきた。しかし、手前味噌になるが、今年の合宿ほどその基本精神が活かされ、かつ、生徒達に劇的なまでの成長を覚えたことはなかった。これは、今回参加したスタッフ一同の一致する見解であろう。
合宿のほぼ1週間前にあたる7月20日(海の日)の午前9時半、東京立正高校の職員室に各校顧問が集合、合宿のミーティングが行われた。 まずは、しおりの作成。昨年のしおりをベースに細かいところを詰めていく。集合時間、起床時間、稽古時間などの調整と見直し。生活班分け。名簿の確認等々。それらが終わると、稽古メニューの検討だ。たたき台を井上が立案、その説明を受けて各校顧問がそれぞれ自分の意見を出したり質問をしたり。 今年度の基本テーマは「基本の習熟」。東京立正高校は3年連続して関東大会に駒を進めたが、どうしても東京都でベスト8以上に勝ち上がることができない。それどころか、この6月に行われたインターハイの東京予選ではベスト8賭けで国学院久我山に大将戦で破れ、ベスト16に転落していたのだ。東京立正の稽古を見ていると、切返し、打ち込み、かかり稽古などがうまくない。つまり、打突力が低いのだ。 東洋高校の参加者はオール1年生。初心者は1名だけだが、経験者でも基本が必要な者がかなりいたし、二松学舎高校も2年生はいるが似たような状況だった。午前稽古のほとんどを基本稽古に割いて、午後、レベルに併せて班別に稽古をすることを考えた。各校顧問の承認も得られ、午後は1時から東京立正の剣道場を使って午前稽古の解説と実施方法を示し、各校に持ち帰り合宿までに稽古してきてもらった。
合宿の話からは離れるが、夜、スタッフの吉田泰久先生(神奈川県、清心女子高校)の結婚祝いの会が永福町の焼き肉屋で行われた。吉田先生はこの3月に結婚されたが、我々仲間内でのお祝いがまだすんでいなかったからだ。奥さんの名前は、泰子さん。同じ清心女子高校の教員仲間として知りあったそうだ。現在は、東京農業大学第一高校で家庭科の非常勤講師をされているとのこと。 午後の班別稽古は、どうしても5班編成になってしまうため、吉田先生の参加が必要。新婚だけに頼みにくかったが、泰子さんの快諾が得られてよかった。
綿密な準備をして臨んだ合宿だったが、やはり、現地入りしてからいろいろ問題点が出てくるもの。まず、第2会場として抑えておいた大桑小学校体育館が想像以上に遠かった点だ。また、今市小学校の武道場も2日目の夜に柔道が入っているため半面に敷いてある畳をあげてしまうことができず、どう割り振って稽古をするか頭をひねることになった。結局、広いスペースを確保できる大桑小学校体育館で全員で行なう午前稽古を、班別になる午後は2会場で、夜は地稽古だけなので今市小学校武道場の半面で行なうこととした。 会場の準備とは別に、やはり各校で合宿に臨む心構えのレベルがまったく異なっていた。東京立正は返事・挨拶・行動など日頃から鍛えられているが、二松学舎と東洋はなかなか声が出ないしついつい行動もダラダラしがちだ。これらの緊張感を持続させると同時に、精神的なパワーを上げさせるために、スタッフはかなりのエネルギーを使うことになった。 しかし、さっそく2日目の午前稽古辺りから脱落者が増えてきた。まず、稽古中に吐いてしまう者。そして、下痢と言ってトイレにこもってしまう者。昨年に続いて、男子の過呼吸も出た。しかし、スタッフのうまい誘導もあり、徐々に「やり遂げる」「やり抜く」といった手応えを自信に転換していくことに成功した。
4日目になってけが人と病人が出た。熱を出す男子2名、左足の甲に痛みを訴える男子で2名。念のため朝一番で近所の今市病院に連れていったところ、足の甲の痛みは指の骨の疲労骨折によるものだった。長年剣道をしているが、腓骨の疲労骨折は何度も見たが、こういう症例は初めてでたいへん驚かされた。骨がカラダの成長について行っていないのか、それとも、脚の使い方が悪いのか・・・? まぁ、なんにしても「骨折するほど頑張った」ことは確かだ。湿布と消炎剤・鎮痛剤が処方された。これらの生徒には、イスに座っての素振りを課したがたいへん意欲的に取り組み、夜稽古までの通算で3000本を上回る数を振り抜いた。熱を出した生徒の方は、カゼと軽い脱水症状ということでブドウ糖の点滴を受けた。
5日目、最後の午前稽古。熱を出してダウンしていた者も、骨折で湿布をしている者も、稽古着に着替えて稽古に出席した。骨折組は昨日同様、素振りを、脱水症状組は見学と雑用だったが全員揃って最後の稽古に参加できたのはなにより嬉しかった。 昼食後の閉校式でも、各先生から生徒達の頑張りを讚える声がこれまでの合宿以上に多かった。各校とも5日からの山梨県高体連強化錬成会に参加予定なので、合宿での成果をそれに発揮してもらいたいものだ。 |
以下は今年度の合宿のしおりの抜粋です。
@目 的
全 体:精神力の強化・他校生との交流 E集 合 7月28日(金)午前7時 20分 東武浅草駅2階改札前 F解 散 8月1日(火)午後4時20分東武浅草着 同解散(予定) G服 装 集合解散は制服またはジャージ(各校で統一のこと) Hその他 初日の昼食が必要です。 各自、保険証のコピーを持参してください。 常備薬のほか、自分が使うサポーターやテーピング類を持参のこと。 |
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夜稽古 先生・先輩方を元立ちとする地稽古 |
合宿最終日の記念写真(大桑小学校体育館)
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