- 日時: 2010/05/17 14:18:54
- 名前: だみ声
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- とっしーさん
>皆さんは、何のために少年剣道の指導をしていますか? 僕の答え:少年指導は楽しいですよ!! おしまい。
上記のような質問を一行だけ書いて、どのような返事が書かれるのか想像してみて下さい。 レベルの高い、説得力のある、自分の指導の指標になるような内容の物が返って来にくいと思いませんか? やはり質問のしかたで、回答のレベルが変わってくることを理解して下さい。
つまりこの質問をしようとした背景と、ご自分ではこんな事が考えられるのですが…… という内容を書いて下さると、こっちも回答するのに張り合いが出ます。
とっしーさんの事だけを言う訳ではありませんが、僕はオジンだから、ついでにもうすこし書きますが、最近のたぶん若い人の質問のしかたが、あまりにも一方的です。 「剣道形三本目が分かりません教えて下さい」とか 「筆記試験はどんなことを書けばいいですか」とか 「小手面を早く打つにはどうしたらいいですか」とか 「竹刀の手入れのしかた教えて下さい」とかです。 「何のために少年指導していますか」もその範疇です。 そして答えを読んだら、その感想なり返信なり、反応を書かない子も多いですよ。
ところで…… 僕が少年指導するのは、楽しいからですが、指導の何が楽しいのかというと、子ども達が次第に剣道が上達していく姿を見守ることが楽しいのです。 同時に教え込む「礼法」がきちんと守られて成長していく姿は「指導者冥利」に尽きます。
少年が初めて親に連れられて道場に来たとき、指導者を見る目は「鬼」を見る目と同じ時があります。 それぐらい緊張して不安になっているのです。「剣道習いたい」とは言ってみた物の、道場では大人が大声で竹刀をぶんぶん振り回しています。 怖がるなと言うのが無理です。
そんな心理状態の子を、先ずは落ちつかせ、顔は「鬼」のようだけれど、「やさしいな」と感じてもらうことが出来れば、第一段階通過です。 こうして道場に通うようになった子が、ある時は「もう辞める」、だったり「サッカーの方が良い」と言ったりするのを、あれこれ話したりおだてたりして、「やっぱり剣道」と言う所まで話します。
稽古で少しうまくなった所が見えたら「うまい!」と大声で褒めて、嬉しそうな笑顔を見せてくれたりするのが楽しいのです。 勿論叱るときもあります。 上達しないことを叱るのは間違いです。それは指導者が下手だからなので、むしろ反省と教え方の改良をしなければならないことです。
叱るのは、剣道を習う上で間違ったことをしたときで、おしゃべりであったり、おふざけであったり、よそ見して聞いてなかったり、嘘を言ったときなどです。
良く褒めて、少し叱って、稽古日が楽しみになるような指導を心掛けていると、こんなに楽しい物はめったにありません。 子供が稽古を楽しみにするのは、決して稽古が楽しいだけでは不十分です。 必ず「上達」を実感させる指導と声掛けをします。 良いことをしたときもみんなの前で褒めます。
上達の遅い子の、何処か良い所を見つけて褒めるのも、難しいですよ。 見え透いたことではいけないし、子供の気持ちをがんばる気持ちにさせるほめ方です。 さらに良くできる子もちゃんと同じレベルで褒めなければ、「ひいきだ」と言われます。
そんなことを考えながら指導させてもらえる剣道って、本当に楽しいですよ。
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