Re: 上位の先生に対する剣道具の取扱い ( No.1 ) |
- 日時: 2024/09/27 08:40:11
- 名前: Hide.◆vm9xYr4tCqk
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- 参照: http://www.ichinikai.com
- 管理人のHide.です。
そもそも、なぜ先生方の面を外したり、剣道具を片付け(あるいは準備)するのだと思いますか? その先生に対する限りないリスペクトがあり、感謝の気持ちをそうした行為で示しているわけです。
剣道が徒弟制度で伝習されていた時代は、「内弟子さん」と言って先生と寝食を共にしながら修行をするな らわしがありました(外弟子は、通いのお弟子さんで一般の門人ですね)。内弟子は先生の日常生活や言動 など一挙手一投足までを見て、剣道のみならず生き方(哲学)までを学んだのです。 その時代は、先生の日常生活全般のお世話を内弟子さんが行なっていました。 当然、剣道具の用意や片付け、面の脱着、剣道具袴の洗濯なども内弟子さんの役目で、しかも剣道具や竹刀 に触れられるのは「高弟」に限られており、それらの仕事は「名誉なこと」でもあったわけです。
そうした風習が一部残り、道場や学校で「しきたり」として先生方のお世話をする文化が存在します。 それは「郷に入りては剛に従え」と考えるべき事柄です。 学校などではそうした行為を断ると、指導者から「生徒の勉強ですからやらせてやってください」とお願い されることがあります。それには素直に従った方がいいでしょう。
ただ現代においては、基本的には「自分のことは自分でする」でよろしいかと。 剣道は「死ぬまでが修行」と言われ、どんな大先生であっても修行半ばなんです。 お身体が不自由であればサポートすることはやぶさかではありませんが、「礼も過ぎれば無礼になる」とい う言葉がある通り、行き過ぎたお世話は逆に失礼になる場合があります。 中にはご自身の竹刀や剣道具に触れられることを嫌う先生もおられますから注意が必要です。
もちろん、内弟子ではないにせよその先生に近しいお弟子さんが、先生のお世話をするためにそれら行為を される場合もあります。それは先生ご本人が許可したことであって、逆に他人が決して手出しをすべきこと ではないことも知っておくといいでしょう。
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Re: 上位の先生に対する剣道具の取扱い ( No.2 ) |
- 日時: 2024/09/27 10:55:16
- 名前: かつお武士道
- Hide.様。
ご教授頂きありがとうございます。
概ね自分の解釈と合っていたので、その点は安心しました。 武道のみならず、噺家や伝統芸能の世界などでも同様の事例があると認識しております。 ただ自分が剣道を学んでいる場所において、そのような風習が無いため、他所でそのような風習に遭遇した時に、どのように振舞うべきかで悩んでしまった次第です。
事実、高校の稽古会においては、まさに仰る通りの場面に遭遇しました。 最初は生徒による片付けの申し出を断ったのですが、顧問の先生に促されて承諾しました。 これが正解か否かでモヤモヤしたのですが、Hide.様の解説で納得できました。
ただそのSNSにおいて、件の対応が「常識だ」と強く主張されている方がいらっしゃったので、それが疑問でした。 それこそ「内弟子」なら理解できますが、「外弟子」や「体験入門」の人にまで、それをやらない(知らない)のは非礼であるかのような主張もありましたので…。 この点に関しても、ご教授頂いた内容で腑に落ちた気がします。
ありがとうございました。 もし別の観点からご指摘くださる方もいらっしゃれば、よろしくお願い致します。
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Re: 上位の先生に対する剣道具の取扱い ( No.3 ) |
- 日時: 2024/09/28 08:29:14
- 名前: Hide.◆vm9xYr4tCqk
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- 参照: http://www.ichinikai.com
- to かつお武士道さん
少しでも拙サイトがお役に立ちますれば嬉しく存じます。
「常識」…ではありませんね。 上記の通り、剣道具に勝手に触れることは「無礼だ」と考える先生もいらっしゃいます。 内弟子さんや先生の取り巻きでない限り、もしそういう行為をしなければならない場面に遭遇したら、 「面を外させていただきます」 「剣道具を片付けさせていただきます」 「袴を畳ませていただきます」 などの声かけが必須でしょう。
ただ、他に誰もそういうことをする人がおらず、自身がその先生を敬愛しているのであれば、声掛けしてお 世話させていただくのもありでしょう。 お稽古の反省のみならず有益なお話を伺えるかもしれませんし、それをご縁に先生と親しくさせていただく ことができるかもしれません。剣縁ですね。
蛇足ですが、私が小学生の頃通っていた町道場にはお風呂があり、お稽古後先生と一緒にお風呂に入り、お 背中を流させていただきました。 入浴後先生方は褌一丁のお姿で、道場に並べられた長机の前にドッカと座られ、道場のおかみさん手作りの 漬物をつまみに茶碗酒をしておられました。「酒行じゃ」とおっしゃっていました。 私は一升瓶を片手に、先生方にお酌をして回りました。 戦前に剣道を学ばれた先生などもおられ、お稽古の時は鬼のように怖く毎回のように泣かされていたのです が、酔ってご機嫌になった先生方は、幼い私にいろいろな剣道のお話をしてくださいました。 今思うと、とてもリッチな時間でした
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