Re: 面の残心について ( No.1 ) |
- 日時: 2018/02/08 18:16:35
- 名前: 鉄心
- 打突のインパクト後に肘や手首を殊更に曲げてしまい、剣先が後ろに向いていませんでしょうか?
基本技稽古等で打突後相手の横を抜けでいく場合は、打ち終わりの形のまま抜けていくことが基本です。
但し、この打ち終わりの形というのは手の内を締めっぱなしにするというわけではなく、 インパクトの直後手の内を緩め、剣先を跳ねさせます。これにより打ちに冴えが出ます。 ですので、抜けている時の剣先の高さは相手の頭頂部よりも10〜20cmくらい高く、前方上方を向いていればOKです。
反動とはここのことをおっしゃっていると思いますが、あくまでインパクト時の肘、手首の関節、手の内の 緊張を緩めるだけですから、腕の屈筋の力を使って竹刀を引っ張り上げてはいけません。
ちなみに、打突後相手にぶつかる場合や相面の場合なども本当は基本通り打ち切らないといけないのですが、 「打ち切り」と「体寄せ」を同時に行わなければいけないので、拳の高さを上げないと腕で相手を突っ張ってしまいます。
手の内の弛緩後、相手に近づくにつれて肩関節のみ角度を上方向へと変化させていき、 最終的に自分の左拳で相手の面金をこすり上げるように(相面の場合は相手の拳を押し上げるように) 剣先を真上に向け、同時に腹で相手に当たります。
この時も肘や手首を曲げて剣先が頭より後ろになってしまうと重心が後ろ寄りになり、 相手に胸を押されると後頭部から転倒しやすくなりますので大変危険です。
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Re: 面の残心について ( No.2 ) |
- 日時: 2018/02/09 07:03:49
- 名前: Hide.◆vm9xYr4tCqk
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- 参照:
- 管理人のHide.です。
そうですね、腕が上がってしまう選手を数多く見かけます。
一つの原因は、上半身が突っ込んで打ってしまうことにあります。 そうすると面を打った時の左拳の位置がみぞおち以上に高くなり、右足踏み込みの後、 左足を引き付け身体が前に出た時に腕が上がってしまうというものです。
昔は、そういう状態で抜けていくと元立ちの先生が左脇をトン通してバランスを崩され たものですが、最近の先生はそういうことをしませんね。
お稽古では正しい姿勢で打突し、腕が上がらないように心がけましょう
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Re: 面の残心について ( No.3 ) |
- 日時: 2018/02/09 08:44:35
- 名前: 長幼の序
- 打突後の竹刀の軌道は、あくまでも自然な慣性。
私はその軌道を説明するのに剣先をボールに見立てて実際投げて見せています。 大きく打つ面、小さく打つ面の軌道で投げるとその強さ速さにより、打突部に当たってからその余勢でやや上に上がりながら前方に抜けていきます。 正にこの動きが打突後の竹刀の自然な軌道と理解します。 この剣先(ボール)は、何かに当たらない限り戻ってくる訳は無く、その様な動きをするのは余計な力(引き戻し)が加わっている証と考えます。 この動きは、例えば野球やゴルフでボールに当たるインパクトの瞬間にマックスの力が加わる所、放れてからもやおら無駄な力で振り抜く感じと同じです。 ポイントは、当たった直後の適度な脱力。 ここに無駄な力が加わると手元を挙げた所に引き胴を打たれたり、次の技がスムーズに出ない要因になります。 当然残心の形もその自然な動きからそのまま持っていきます。 逆に打突後、やたらと腕を前に押し出す動きも無駄な力で入っている証ですね。 ボールに例えると、空気が入っていない弾みの無い物、つぶれるって感じでしょうか。
この脱力による形は、剣道で云う所の「冴え」と素振り、熟練度の過程による「大強速軽」と密接に関連していると考えます。
1つ頭に入れておきたいのは、打突後の体の推進力を意識させるため、敢えて手を挙げて腰、へそを前に押し出す打ちをさせている道場、学校もあります。 目指す頂上は同じでも、登山ルートは様々なようです。
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Re: 面の残心について ( No.4 ) |
- 日時: 2018/02/11 11:25:04
- 名前: 美穂
- ご回答下さった先生の皆さま
ありがとうございます。 読ませていただいていますが、ちょうど連休になってしまったため、きちんとお返事する時間がなかなかとれず、休み明けになってしまいそうです。 せっかく早速のご回答をいただきながら、申し訳ございません。 どうぞよろしくお願いいたします。
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Re: 面の残心について ( No.5 ) |
- 日時: 2018/02/13 05:00:54
- 名前: 美穂
- ご回答下さった先生の皆さま
早速のご回答、ありがとうございます。
先生方お一人お一人に、お返事するのが筋とは思いますが、ほとんど重複した内容になるかと思いますので、まとめたお返事で失礼いたします。
腕が上がってしまうのは、無理に腕を上げようと力を入れているのではなく、相手の面にあたって跳ね返る際の慣性にのみよっています。なので、長幼の序先生が仰っておられるボールの跳ね返りと、ほぼ同じ原理です。
実は、この連休中に稽古に行ったところ、「面を打つ際、振りかぶる時は一生懸命振りかぶっているのに、振り下ろしは気が抜けちゃってる。だから、打ちが軽い。」と、先生からご指導いただきました。そういえば、インパクトの瞬間、それほどしっかりとした力で握ることをせず、ぼんやりと竹刀を持っているような気がいたします。だから、竹刀が面に当たる瞬間、下方向の力が少なく、跳ね返る上方向の力が圧倒的に優り、万歳のような形になってしまう……そういうことなのではないかと思いました。
対策としては、やはりインパクトの瞬間に、グッと握ることなのかな、そうすれば、打ちももっとしっかりとしたものになるのかも、そう考えてみたのですが、いかがでしょうか?
ちなみに、万歳の形になっていると指摘される先生は、お一人のみです。(他の先生方は、思っていても仰らないだけかもしれませんが)その先生は、むしろ打突後、鉄心先生の仰る『手の内を締めっぱなしにする』や、長幼の序先生の仰る『やたらと腕を前に押し出す動き』を求めているようなのです。「打突の時は、雑巾絞りのように、手を絞らなくちゃいけないんだ。」と仰り、手首だけでなく肘から絞るように、と指導されています。 でも、正しくは茶巾絞りであって、雑巾絞りのように、肘から絞るのは違う、と、どこかで読んだ気がするのですが……実際のところ、どうなんでしょうか?
どうぞ、よろしくお願いいたします。
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Re: 面の残心について ( No.6 ) |
- 日時: 2018/02/13 07:06:30
- 名前: Hide.◆vm9xYr4tCqk
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- 参照:
- To 美穂さん
打突は、振りかぶりは力を入れず打突の瞬間こそしっかり絞めて打つものです。 締めるとは、たんに手の内を締めるだけではなく身体もしっかりと締めなければいけま せんd(^-^)!
手の内の冴えを出すためには、打突の直後に握りを解放してやる必要はあるのですが、 ボディはしっかり引き締めて姿勢が崩れないようにしつつ打ち抜け残心へとつなぎます。
ちなみに雑巾絞りというのは、親指と人差し指側を締めるもので、上筋(うわすじ)が 硬直してしまうのでNGです。茶巾絞りは小指薬指側で閉めますので、下筋(したすじ) 側が緊張します。こういう締め方ですと剣先がしっかりと前に走りますね
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Re: 面の残心について ( No.7 ) |
- 日時: 2018/02/13 14:24:28
- 名前: 長幼の序
- 空間打突による素振りを連続して行っていませんか?
掛け声(1,2,3、・・・)と合わせて素振りを連続してやると、振り下ろしより振り上げが速くなる傾向があるようです。どうもその振り上げで調子を取ってしまうようです。その場合、実際に部位に当たる振り下ろしが「置き」にいくような形になり、結果部位を打った後、手を挙げてしまいがちになります。
また手、肘の絞りも打ったインパクトの瞬間に絞るのみで、素振りの場合この絞りをずっと継続する癖がつくと打突後、やたらと前に押し込む傾向が出てきます。 肘をやたら締めすぎると内側に入った窮屈な状態(よく膝が入って身体がガクッてなるあの状態と同じです)になりスムーズな振りを損ない、肩がいかり、酷い場合、突っ張った手の振動で頭がぶれて視点がぶれるようになります。
よって素振りは、1本1本(1、面、2、面・・)を確実に振るようにし、やおら肘を締めつけるでなく、インパクトの一瞬に打突部に最大の力が加わるイメージを持ちながらやることが大切。 この時も相手の頭上でなく、こめかみ辺りまで切り込むイメージを常に持つ事が大切ですね。 ちなみに私は、打つ瞬間は脇を締めるイメージ、それに伴う肘、手の絞りを心がけています。
書かれている事からなら、美穂さまの打突後の手の動きは、さほど問題ないと感じますが
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Re: 面の残心について ( No.8 ) |
- 日時: 2018/02/14 09:34:16
- 名前: 美穂
- Hide.先生
ご回答ありがとうございます。
>振りかぶりは力を入れず
そうなんですね。私自身、力を入れている意識はなかったのですが、速く振ろうと思う中で、そういう動きになっていたのかもしれません。また、小指側の力がなくて、専ら親指と人差し指で竹刀を持っているのかもしれません。(小手が硬いのも関係あったりするかも?)
>締めるとは、たんに手の内を締めるだけではなく身体もしっかりと締めなければいけませんd(^-^)!
身体も締める!? どうすることでしょうか? 脇を締めるのですか?それとも、私のところの先生の仰るように、雑巾を絞るように両手を絞るとともに、両肘を身体の前面で寄せるのでしょうか?でも、それですと、上筋が硬直するような………
何度も申し訳ございません。どうぞ、よろしくお願いいたします🙇
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Re: 面の残心について ( No.9 ) |
- 日時: 2018/02/14 10:10:37
- 名前: 美穂
- 長幼の序 先生
ご回答ありがとうございます。
>空間打突による素振りを連続して行っていませんか?……その場合、実際に部位に当たる振り下ろしが「置き」にいくような形になり、結果部位を打った後、手を挙げてしまいがちになります。
! まさに、この状態です! え?まさか、長幼の序先生、私の素振りをご覧になったことがあるのですか!?
そうなんですね。実は。以前から、素振りには懐疑的になっていました。正しくない素振りを毎日せっせとしたら、かえって変な癖がついてしまうんじゃないだろうか?と思っていたんです。(やっぱり変な癖がついてましたね…) これからは、一本一本を丁寧にする素振りを心がけたいと思います。
>打つ瞬間は脇を締めるイメージ、それに伴う肘、手の絞りを心がけています。
肘は締めるのですね?でも、
>肘をやたら締めすぎると内側に入った窮屈な状態(よく膝が入って身体がガクッてなるあの状態と同じです)になり
こうはならない程度ということでしょうか?
何度も申し訳ございません。 どうぞ、よろしくお願いいたします🙇
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Re: 面の残心について ( No.10 ) |
- 日時: 2018/02/14 13:01:26
- 名前: 長幼の序
- 素振り、見てました・・・・心の眼で
竹刀を持ったつもりで、面を打った形を作り、そのまま両脇を強弱をつけ締めると伸ばした両手がクロスするかしないかのポイントがあります、分かりやすくいえばその程度です。 締め過ぎると左手、特に肘が中に入り、右手はつっかえ棒の様になり窮屈になってしまいます。 脇が開くと、そもそも手は伸びません。 この「感覚」を掴み、竹刀を持ってやってみるとニュアンスがより掴みやすいはずですよ👍
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Re: 面の残心について ( No.11 ) |
- 日時: 2018/02/14 16:41:23
- 名前: 鉄心
- Hide.さん、長幼の序さんとのやり取りでなんとなく思い浮かぶのは、
あくまで想像ですが、面を打つ時の意識の優先順位が 部位を外さないこと>速く抜けること>強く打つこと
になっているのではないかなということです。
子供たちを指導していてよくあるのですが(一緒にしてすみません汗) 打突時に部位を外さないように振り降ろしの勢いをセーブしてしまい、部位に当たるかなり前からブレーキをかけてしまう子がいます。
外したら相手が痛いからなどあるのでしょうが、インパクトの瞬間にはすっかり勢いが死んでコツン程度の威力。
しかも、「振り降ろす力に対するブレーキ」=「振り上げる力」ですから、 インパクトの瞬間に無意識に屈筋に力が入ってしまい、必要以上に持ち上げてしまいます。
ここに更に、体を速く前に進めようという意識があると、 腕はブレーキがかかってその場に留まろうとする。 体は前に進もうとする。
で、体の勢いに押される形で腕が上方向に逃げてしまいます。
それですと、 >むしろ打突後、鉄心先生の仰る『手の内を締めっぱなしにする』や、長幼の序先生の仰る『やたらと腕を前に押し出す動き』を求めているようなのです
という先生のご指導も繋がります。弾ませるどうこうより、外してもいいからまずはしっかり強く力を入れて打ちなさいということではないでしょうか。 違っていたらすみません。
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Re: 面の残心について ( No.12 ) |
- 日時: 2018/02/16 08:56:39
- 名前: 美穂
- 長幼の序 先生
ご回答ありがとうございます。
やっぱりご覧になっていましたか😄
感覚がつかめるよう、練習してみます。 何度もお返事下さり、ありがとうございました。
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Re: 面の残心について ( No.13 ) |
- 日時: 2018/02/16 16:30:16
- 名前: 美穂
- 鉄心 先生
ご回答ありがとうございます。 お返事が遅くなりまして、失礼いたしました。
>面を打つ時の意識の優先順位が、 部位を外さないこと>速く抜けること>強く打つこと
! どうしてわかったんですか!? それこそ、私は、
部位を外さず、綺麗に打つ>速く打ち速く抜ける>>>>>>>>強く打つ
です。
そもそも、強く打とうと思ったことさえないかもしれません。振り下ろしの最初に、初速度をつけたら、あとは慣性で相手の面に当たる感じです。だから、相手の面に当たったら、ボールのようにバウンドしていたわけですね。
強く打つんですね! 目から鱗です。
これからは、しっかり強く打ってみようと思います。
何度もお返事下さり、ありがとうございました。
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Re: 面の残心について ( No.14 ) |
- 日時: 2018/02/17 07:02:04
- 名前: Hide.◆vm9xYr4tCqk
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- 参照:
- To 美穂さん
少しでも拙サイトがお役に立ちますればうれしく存じます 〜☆
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Re: 面の残心について ( No.15 ) |
- 日時: 2018/02/17 11:24:12
- 名前: 三七式ヨシ
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- 三七式ヨシと申します。
先日、昇段審査の審査員で筆記の担当をさせていただきました。
三段の問題の中に、「残心について説明しなさい」というのがありました。
解答例は「剣道指導要領」に示されている以下のようなこととされていました。
・打突した後に油断せず、お相手のどんな反撃にも直ちに対応できるような身構えと 心構えを言う。
・一般的には、打突後に間合いを取って、直ちに中断の構えとなり、正対してお相手 の反撃に備えること。
・打突後に適正な間合いが取れない場合には、自分の竹刀の剣先を、お相手の中心部 (咽喉部)に付けるようにして反撃に備えること。
・剣道試合審判規則及び同細則では残心のあることが有効打突の条件になっている。
・打突後に身構え気構えがない場合には、有効打突を取り消されることがある。
・打突に対し少しも心を残さずに、全力で打ち込めば、気が充実し、自然にお相手に 対応できる状態が出来る。これも残心という。
先日の、市の合同稽古会の後に、湯村範士から以下のようなお話がありました。
・打突には、当たる、叩く、打つ、切るがあります。
・当は、竹刀が動いている途中に打突部位とうに当たり、手の内の決めがない。
・叩くは、左手が収まらず、右手で押し込むように打つので、竹刀の弾性と打突の反 発で剣先が上がる。
・打ちは打突の瞬間、左手が収まり手の内の作用で冴えのあるもので、正しい位置に 左手が収まりながら手の内で剣先が走り、当たった瞬間に手の内が締まったもの。
・切は、打ちの後、お相手を押し切するもの。
長幼の序先生が空間打突について書き込みされていますが、子供たちに連続の空間打突 をさせると、剣先が面の位置で止まらずに、そのまま振りかぶるように剣先が跳ね上が るのをよく見かけます。
面の位置で一旦停止して、次の打突に繋げるようにしないと、打ちが締まらず実際の打 突で冴えのある打ち、切りは出来ない思います。
鉄心先生、Hide先生が締めについて書き込みをされていますが、私的には肘はことさら 絞めるというより、小学校で良くやる「前にならえ」の様に両掌が向き合えばいいのか なと思っています。
私もついつい、打ったぞというのをアピール詩型なのですが、先述の「切る」から中断 の構え(上段の方はすいません)に移行しようとすれば、剣先が上がるのが正しいのか どうか答えがでそうです。
後、湯村範士が言っておられたのは、
「残心は、お相手の反撃、次の攻めへのつなぎのために心を残し、打ち終わった打突に こころを残すものではない」
ともおっしゃっていました。
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