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高校剣道部で学ぶもの
日時: 2014/12/01 02:05:28
名前: みこみこ 

息子の話をさせてください。

我が家の長男は現在高3で受験生です。
幼稚園の年長さんから剣道を始め、中学に剣道部がなく、文化部に属しながら、剣友会で週1、2回の稽古をして居りました。

高校に入学した時、彼が選んだ部活は剣道部でした。
はっきり言えば、剣道が好きなだけで、センスはなく運動音痴。
1級審査は5回目で中2でようやく合格。
そんな息子が数年前までは地区でも強豪と言われた高校の剣道部に入部してやっていけるのかと心配でした。
同級生は最初彼の他に4人いました。4人ともその高校の付属中出身で中学から剣道部。
彼の実力は付属中の2年生に試合稽古で負ける状態でした。
彼としてはレギュラーになる気持ちはさらさらなく、ただ毎日剣道ができる、
それだけの理由で剣道部に入部したのです。

ところが、人生予想が付きません。
彼の同級生達は様々な理由で1年半の間に全員剣道部を(又は学校自体)をやめてしまったのです。
インハイ予選が終わり、3年生が引退した時、残っている2年生は彼一人でした。
下級生よりも実力で劣る彼が主将を務めなければならなくなったのです。
1年生も3名しかおらず、必然的に彼はレギュラーにならざるを得ませんでした。
ストレスで体調も崩しました。
体調不良で学校から救急搬送され、まさかの特殊なアレルギーも発覚。
成績もガタ落ちしました。
でも彼は剣道部をやめませんでした。

一度始めたことは最後まで続ける。
正直、この状況になるんだったらいっそ入部しなければよかったかとも思ったけれど、
中学の時の部活も2年生不在で、3年生が引退した時に1年生だけになり不安だった。
そんなことを高校で自分が引き起こしたくない。
付属中の中学生達も含めて、頼りないけれど、そんなタイプじゃないけれど、自分が唯一の2年生として部に残らなければならない。

そういう思いだったそうです。
そして更ににまさかの、顧問からの上段に構えを変えろとの指示。
チームに上段が一人は欲しい。
比較的高い彼の身長。
筋力がない為、中段からだとスピードが不足する。
そんな理由だったようです。

引退した3年生からもアドバイスを受けながら、上段に構えを変え、臨んだ新人戦団体戦は1回戦敗退。
先鋒次鋒が敗退し、繋がなければいけない中堅の彼が負けたことで、かなり責任を感じていたようです。

そして成績不良による進級の危機。
私も悩みました。
剣道部をやめさせて勉学に集中させるべきとの周囲の声もありましたが、
ここで剣道部をやめさせたら、彼は高校で何も成し遂げなかったことになる。
何より本人が部活を続けたがっている。
体調不良(睡眠障害)も続いてましたので、担任や顧問とも相談し
通院しながら部活は続けることに。
顧問や担任の尽力もあり、彼も補習を受け課題を提出した結果、何とか進級もギリギリで許可されました。

そして3年生になり新入生も迎え、関東大会地区予選団体戦で、初の公式戦勝利をおさめることができたのです。
片手面の一本勝でした。
チームとしては敗退でしたが、彼の勝利に後輩達が驚き、喜んでくれたそうです。
インハイ地区予選もチームとしては負けましたが、彼は勝つことができました。
顧問が喜んで、職員室や担任にまで触れて回り、意外な先生から「お前、勝ったんだってな?」と声を掛けられたりしたそうです。

顧問から言われたそうです。
「30年以上教員やっていてこれだけ部員が辞めたのも初めてだが、学年に1人しか残らなかった奴が辞めなかったのもお前が初めてだ」
卒業した先輩達からは「最初に辞めると思ってたやつが最後に残るなんて思わなかった」
担任からも聞かされました。
「二人残っていたうちの主将候補だった方が受験勉強理由に部活辞めるとわかった時、顧問が彼に『お前どうする?』と聞いたら、彼は『辞めません』と即答したそうですよ」

今、彼は受験勉強に取り組んでます。
顧問のツテで某大学への剣道部推薦も受けられたようですが、志望校が別にあるということでもったいない話でしたが辞退させていただきました。
受験もどうなるかわかりません。
未だに睡眠障害とアレルギーを抱えています。

でも、剣道に求められるもの、評価されるものが、技術、試合での強さだけでなく、精神面での強さもあると思うのです。
はっきり言って剣道は下手で、学業成績も悪く、へっぽこ主将、消去法主将でしたが、彼が高校の部活動で得たものは大きかったのではないかと思います。
自身も剣道をしていた母として、受験の結果はどうなろうと、あと3か月、
高校卒業の時には「よくやったよ!」とほめてやりたいと思っています。

長文失礼いたしました。
メンテ

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Re: 高校剣道部で学ぶもの ( No.1 )
日時: 2014/12/01 09:47:46
名前: Hide.◆vm9xYr4tCqk  < >
参照:

管理人のHide.です。

みこみこさん、素敵なお話をありがとうございました。
勝ち負けももちろん大切ですが、剣道で学ぶべきことはそれだけではありません。
ご子息は本当に頑張られましたね

でも、唯一の心配は体調です。
高校時代といえば、人生で最も健康な時期でもあります。受験勉強も大切ですが。身体を
壊しては何もなりません。体調管理及び治療に心がけられますよう。

あとは志望校に合格…できれば最高ですね!
ご努力が花開き、高校生活が大団円を迎えられますことを心より念じておりますp(^-^)q
メンテ
Re: 高校剣道部で学ぶもの ( No.2 )
日時: 2014/12/01 18:36:45
名前: サラ・ブライアント 

みこみこさん、こんにちは。

息子さん、本当にがんばられたのですね。
漫画の「切っ先三寸」よりも感動的なお話ではないですか。

息子さんの片手面の勝利の瞬間、見てみたかった!って思いました。
上段で苦労して、それまで勝てなかったのに勝てた瞬間。
どれだけ嬉しかったことでしょうね。

「剣道大好き、なのになかなか強くなれない」って私もそうなので…
なんだか自分に重ねてしまいました。
息子さんの話を読んで勇気づけられました。

私もあまりに上達が遅くてめげそうになったりするのですが、
剣道は本当に好きなんです。
ゆっくりでもいいから続けて、
少しでも上手くなれたらいいなと思っています。

きっと受験勉強もそのファイトで乗り切ってくれると思います。
万が一希望が叶わなくても、これから先の人生、
きっと剣道で得たものが役に立つと思います。

うちの「稽古行くのがめんどくさくて大騒ぎ」な息子に、
見習ってもらいたいです…、
うちの息子も続けてほしいのですが、
そこまで剣道好きじゃないので、どうなるか…って感じですが。

私もみこみこさんの息子さんをほめてあげたいです!
ホント、カッコイイなあと思いました。
どうか、体調を大事にしながら、受験がんばってくださいね。
メンテ
Re: 高校剣道部で学ぶもの ( No.3 )
日時: 2014/12/01 22:32:34
名前: だみ声  < >

おかあさん
素晴らしい息子さんのお話、ありがとうございました。 感動を持って(涙腺も緩いので涙も一緒に)読ませていた
だきました。 運動神経も大したことなく、不器用で指導内容の飲み込みも悪く、上達にも時間がかかったようです
が、あきらめない剣道への取り組み姿勢、息子さんは大したものです。
そして上段への変更による戸惑いと試行錯誤、友達も一人ふたりと去っていく中、方向性を全くぶれさせることなく
「やめません」の即答。 こんな清々しい青年は滅多にいません。
心理的にも疲労がかさんでいるのに、主将としてチームをリードし、責務を果たしつつ頑張る姿は、大きな模範とし
て周囲にも影響していることでしょう。

>何より本人が部活を続けたがっている。
    剣道が好きだというだけでは、なかなかこういう行動はできないと思います。 中学校で剣道部がなかったこ
とも幸いしたかもしれません。 その間道場稽古におけるいろんな教えも、彼にとっては大きな成長材料だったので
しょうね。

そしてインターハイ予選も終わり、いわゆる引退後の受験勉強中の毎日だと思いますが、それこそしっかりと軸足を
地につけた青春を過ごしておられる姿にエールをたくさん送らせていただきます。
そういう姿勢を買って顧問先生が「剣道推薦」による進学を提案されたところ、「志望校が別にある」という事で、
あえてイバラの道を選択するところなど、しっかりと「武道の教え」が浸透していると感じます。
今時こんなにしっかりした考えでいる青年がいることに、大げさでなく、将来を安堵できる気持ちになっております。

こんな「努力の塊」のような御子息には、必ず報われるものがあるはずです。
お母さんはご自分の息子さんのこんな姿に驚きもあるようですが、お母さん自身が小さい頃からこういう子に育てて
こられた経緯は、お気づきでないだけでたくさんあったのではないかと思います。

久しぶりに感動的な話題に出会い、人ごとながら嬉しくて仕方ありません。 大学受験の勉強も一筋縄でいくもので
はありませんが、目標がある子にとっては真剣度も並みのものではないはずです。 しっかり勉強に励んでいただき
たく思います。
ありがとうございました。
メンテ
Re: 高校剣道部で学ぶもの ( No.4 )
日時: 2014/12/02 12:09:21
名前: ずんべらぼん 

みこみこ 様

私もいいお話を気持ちよく読ませてていただきました。
周りの先生方もいいですねえ。

有り難うございました。
メンテ

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