Re: 先の先 ( No.1 ) |
- 日時: 2021/12/18 09:07:04
- 名前: Hide.◆vm9xYr4tCqk
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- 参照: http://ichinikai.com
- 管理人のHide.です。
まずは、「先(せん)」について整理しておきましょう。 ネット上で検索すると、私の旧友がやっているHPにわかりやすいまとめが出ていましたの でそれを引用します。
(愛川町剣道協会HPより引用)------------------------------
機先をとる技を先の技といい、古来から「三つの先」と言われて、剣道を修業する上で、 特に大切なものとされています。
(1)先々の先 お互いに先の気分で勝敗を争うとき、相手の起こりを早く発見して直ちに打ち込んで機 先を制しうるもので、相手の先より先ずることで、剣道では最も尊ばれています。
(2)先 自分よりかかる先、即ち、出たら打つぞ、引いたら打つぞ、動いたら打つぞ、というよ うな「打つぞ、突くぞ」という心持ちです。
(3)後の先 相手が先をかけてきたところを、打ち出してきたところを制する先のことです。たとえ ば、相手が面を打ち込んできたときに摺り上げて面を打つとか、応じ返して胴を切るのが 後の先です。 --------------------------------------------------------
さて、ここにはお尋ねの「先の先」が出てきません。どういうことかと申しますと、 先々の先=先の先or懸かりの先 先=対の先(ついのせん)or体体の先(たいたいのせん) 後の先=待の先(たいのせん) という別の言い方が存在するからです。これが「先論」をさらにややっこしくしてしまう 原因になっています。 多くの人がこれらをごっちゃに使っているのでわかりにくいんですね(^_^ メ)
現象面としては、 先々の先=自分から仕掛けて打った(ように見える)「先の技」 先=相面(出端面)や出端小手、先でしかける抜き胴、すり上げに見える払い面など、 相対抗して先をとって勝つ技 後の先=相手の打突を応じて打つ、返し胴、すりあげ面、小手打ち落し面など となります。
「お前の技は全て後の先だ」と言われるということは、某学生さんはお相手の打突を待っ て打ってしまっている点を指摘されているわけです。まずはここを改善しなければいけま せん。 とくに上手(うわて)の先生にかかる時には、「先」の気持ちで「かかる稽古」が必要で す。躱されても応じられても「先の気持ちで先に打つ」を意識した稽古が大切です。 そして上手(うわて)から「一本(三本)勝負」と言われて初めて「かかる稽古」から 「互格稽古」にして自分の持てる技を駆使して戦うのですd(^-^)!
前置きが長くなってしまって申し訳ありません(^^ゞ 現象面から見ると「先々の先=先の先」は、「自分から仕掛けて先に打つ技」に見えます が、ただ「先をかけて打つ」のとは意味合いが違います。 相手と対して相手の打って来ようとする心をいち早く察知して、相手の動作がまだ形とし て発動するよりも前に、こちらから素早く打ち込んで勝を制するのが「先々の先=先の 先」です。無謀に打って出ることとは意味が違うのは明らかです。
「先々の先=先の先」はお相手の「決意」から「攻め」「打突直前行為」「打突行為」ま でを読みきって打突するものですから、現象面では出鼻面でも相小手面でも「先々の先」 は存在し得ます。その一例が日本剣道形の一本目で、あれは「面抜き面」ですが「先々の 先の技」とされていますね。
ただ、お相手は自由意志を持っているわけです。こちらの思惑通りに打ってくれるという ものではありません。そこで「攻め」が大切になるわけなんです。 攻めによって「相手を打たざるを得ない状況」に追い込むわけですね。 これこそが「先々の先のための攻め」になります。 常にここを意識してお稽古する必要があります
意識としては、お相手の気を動かすべく中墨(中心)をとって攻め、お相手を苦しい状態 に追い込み、お相手に「十分な状態を作らせない」ことです。その苦しくなって出ようと したところを先んじて打つのが「先々の先=先の先」と心得てくださいd(^-^)!
なお、お相手を「引き出す」ように攻めることも「先々の先=先の先」のために有効な手 立ての一つです。
長くなりましたがお分かりになりましたでしょうか? 〜☆
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Re: 先の先 ( No.2 ) |
- 日時: 2021/12/18 12:32:09
- 名前: 某学生
- Hide.様、ご返信ありがとうございます。
解釈としては、こちらから攻めつつ我慢して、相手が堪えきれずに出てくるところを捉えて打つ、ということで合っていますか? また、基本稽古においてはこちらが攻め切って打突する、というのを心がければ良いのでしょうか?
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Re: 先の先 ( No.3 ) |
- 日時: 2021/12/18 13:26:37
- 名前: Hide.◆vm9xYr4tCqk
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- 参照: http://ichinikai.com
- To 某学生さん
>解釈としては、こちらから攻めつつ我慢して、相手が堪えきれずに出てくるところを捉 >えて打つ、ということで合っていますか?
微妙に違います。 「出てくるところを捉えて打つ」は「先(せん)」の出端面の狙い方です。 「出てくるところを捉えて打つ」のではなく「出ようと気が動くのを読んで打つ」が 「先々の先」です。
>また、基本稽古においてはこちらが攻め切って打突する、というのを心がければ良いの >でしょうか?
はい、最初はそれでOKです。 ・どこを ・どう攻めて ・お相手がこうなる(兆し)ところを ・こう打つ というイメージをしっかり持って、妥協せず技の稽古や約束稽古をします。 もちろんこれは「あくまでも自分なり」でいいのです。
そして今度は地稽古や互格稽古の場でそれを実践してみる。 その結果、うまくいく場合とうまくいかない場合など様々な答えが出てきます。
「どういうときに」「どういうお相手に」「どのような攻め方が」功を奏した(先々の先 を捉えられたのか)のか? またダメだったのかをしっかりと検証しましょう。 その積み重ねですd(^-^)!
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