Re: 少年剣士の防御について ( No.1 ) |
- 日時: 2021/02/13 09:01:38
- 名前: Hide.◆vm9xYr4tCqk
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- 参照: http://ichinikai.com
- 管理人のHide.です。
そうですねぇ、私も特に防御の仕方は教えません。でも子ども達は自分でお相手の打突の さばき方を学習しているようです。
ただその時にも、左拳を頭上に突き上げるよけ方(=三所よけ)や両手を頭上に突き上げ る(=バンザイよけ)などを見かけた場合は「やらないように」指導します。 これらは崩れが大きく、次の打突に繋がりにくいからです。
所属の先生がおっしゃる通り、剣道には防御の考え方がありません。 昔から「懸待一致(けんたいいっち)」「懸中待(けんちゅうたい)」「待中懸(たいち ゅうけん)」と言われ、「懸かる(攻撃)」と「待つ(防御)」は一体であると教えてい ます。 そんな観点から今蔓延している「三所よけ」や「バンザイよけ」は「避けのためのよけ (防御オンリーの形)」ですので、剣道の教えに適っていないのですd(^-^)!
ではどうしたらいいか? 小学校3年生なら、 1.お相手に攻撃させず先を取って打つ 2.お相手の出頭を先に打つ 3.お相手の技を応じて打つ の3つでしょう。
まずは、お相手の打突を受けず、自分から積極的に攻めることです。 そしてお相手が打とうとするところをよけずに自分も前に出て打ちに行く事がいいでしょう。 さらには、お相手が打ってきた技を ・抜いて打つ 等ができるといいですね。 面に来たら「面抜き胴」、小手に来たら「小手抜き面」。 3年生ですとこれくらいはできるはずです
ちなみに、剣道では構えが崩れたところに隙ができます。 これは子どもから大人までどんなレベルでも同じなんです。 逆に考えると、真っ直ぐに構えていれば(中段の構えが崩れなければ)打たれないのが剣 道です。しっかりと構えることができれば、ことさら防御を考えなくても打たれる率は格 段に下がります。 「いい打突はいい構えから生まれる」ものですので、構えが崩れないということは攻撃に も適しています。 いい構えを作ることこそ「懸待一致」に一石二鳥なんですねd(^-^)!
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Re: 少年剣士の防御について ( No.2 ) |
- 日時: 2021/02/14 03:51:56
- 名前: 炭火
- Hide先生
この度は、アドバイスをいただき、ありがとうございます。 わかりやすい表現と例示で、ヒントを掴んだようです。早速、息子は次の稽古から構えと受けないことを今まで以上に意識して臨むようです。
そして、コロナ後の試合で、恩返しができることを願っております。
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Re: 少年剣士の防御について ( No.3 ) |
- 日時: 2021/02/14 09:12:17
- 名前: Hide.◆vm9xYr4tCqk
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- 参照: http://ichinikai.com
- 少しでも拙サイトがお役に立ちますればうれしく存じます。
「攻撃は最大の防御」という言葉は剣道にもあてはまります。 審判の先生も、積極的に試合を展開している選手の方に着目しがちです。 試合には「流れ」があります。その流れを引き寄せるためにも、積極性は大切ですね。 「常に自分が主役の試合をする」ということが、勝利を引き寄せるために必要です。 ・着装 ・所作 ・発声 ・足さばき ・対敵動作 等をしっかりすることも「自分に有利」な要素となり得ます
さらに、鍛えなければならないのが攻撃力です。 防御の上手い子は確かに打たれにくいですが、攻撃力の強い選手には打ち破られてしまう ものです。本来、4つある打突部位のすべてを防御する方法ってないんですね。
そんな中、面、小手、胴を一度にかばうことのできる「三所よけ」は小学生の場合ほぼ万 能と言って過言ではありませんが、中学生になると中体連ルールで反則になる場合があり ます。 高校生以上になりますと、「三所よけ対策」が進んできまして、 ・突き ・逆胴 ・左小手 等を攻撃してきます。小学生でも、逆胴を巧みに打つ選手が増えてきました。 つまり、攻撃力のない選手は上に進めば進むほど「勝てなくなる」ものなのです。
所属の先生が「防御はない」とおっしゃる意味を正しく理解されまして、お子さんがお稽 古に邁進されますよう念じておりますp(^-^)q
また何かありましたらなんでもお尋ねください
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Re: 少年剣士の防御について ( No.4 ) |
- 日時: 2021/02/15 17:23:49
- 名前: 炭火
- 「常に自分が主役の試合をする」「鍛えるべきは攻撃力」等のご指導、ありがとうございました。
私の地区では、コロナが出なくなってきており、油断はしませんが、このままいけば4月位からは大会や錬成会が開催されないかと願っております。その時までに、これまで負けていました飛び込み攻撃型選手を凌ぐ攻撃力を身についけたいと思います。
Hide先生の最初のフレーズ中に、「…。でも、子ども達は自分でお相手も打突のさばき方を学習しているようです。」とあり、そのことには、三所受け、バンザイよけはやらないように子ども達に注意をしている、と記載されています。
一点、追加の質問をさせていただきたいのですが、攻撃に支障がない防御法、攻撃を生かすための防御法、最低限身に着けておくべき防御法はないのでしょうか?それとも、それは防御法ではなく、すべて、返し、摺り上げ、打ち落としなどの応じ技で対応すべきものなのでしょうか?
私がこの質問をするということは、未だにHide先生のご指導(1.お相手に攻撃させず先を取って打つ 2.お相手の出頭を打つ 3.応じて打つ)を理解していないと思われそうですが、逆に相手から1〜3を許した場合に、最低限の防御法が必要なのではないかとの疑問から質問させていただきました。
すみません。私は以前、ボクシングをやっていたため、攻撃を重視するうえでの最低限の防御法(ガード)への拘りが強いのかもしれませんが、これがわかれば、目の前がぱっと明るくなり、攻撃型へスムースにチェンジできそうです。
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Re: 少年剣士の防御について ( No.5 ) |
- 日時: 2021/02/16 08:49:18
- 名前: Hide.◆vm9xYr4tCqk
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- 参照: http://ichinikai.com
- To 炭火さん
>一点、追加の質問をさせていただきたいのですが、攻撃に支障がない防御法、攻撃を生 >かすための防御法、最低限身に着けておくべき防御法はないのでしょうか?それとも、 >それは防御法ではなく、すべて、返し、摺り上げ、打ち落としなどの応じ技で対応すべ >きものなのでしょうか?
はい、それ来るのではないかなと思っていました(笑)
炭火さんはボクシングをおやりになっていたのですね? でしたらやはりディフェンスの重要性は痛みを伴ってわかっておられますよね。 世界的に見ても、格闘技でディフェンスがオフェンスよりも少ない競技は剣道だけなんだ そうです。同じ剣技であるフェンシングにしてもディフェンスが多いのです。 日本刀のような片刃の剣というのも極めて異質なんです。
日本刀の特質なのだと思いますが、剣道には「肉を切らせて骨を断つ」のように、身を捨 てて勝ちに行く思想(=捨て身)という考え方があります。それゆえ、「気剣体が一致し た打突」でなければお相手を斬ることができないと考え、当たっただけの打突や、姿勢を 崩しての打突を「有効打突」としない規則になっています。
蛇足ながら、西洋の剣は毒を塗って戦い合ったため、お相手の身体に傷さえつけられれば 毒が回り勝つことができるという歴史があるそうです。 フェンシングがあたった瞬間にランプが付きポイントとなるルールなのはそうした背景が あるためです。 故にディフェンスが重要になりますね
前置きが長くなりましたが、ディフェンスの思想がほぼない剣道ですが、よけ方というの があります。 ・表よけ ・裏よけ です。 面や突きのように自分の竹刀の表側(左半身)にある部位への攻撃は表よけ、裏側(右半 身)にある右小手や右胴は裏よけでかわします(これは運用の一例です)。
方法ですが、表よけは中段の構えから右掌を天井向きにするようにひねりつつやや上にあ げます。 裏よけは同じく中段の構えから右手の甲を天井美樹にするようひねりながらやや上にあげ ます。 切返しで左面を受ける形の剣先を前に倒したものが表よけ、右面を受ける形を前に倒した ものが右よけに近い形です。 これでお相手の打突をかわすのです。
これらのよけ方はそれぞれ表と裏の「摺り上げ技」「返し技」につながる形です。すぐに 攻撃に移ることができる、つまり「攻撃につながるよけ方」ですので「懸待一致」になっ ているわけです。 ボクシングで言うと、お相手のジャブを左腕で払いのけて右でストレートを打つようなイ メージでしょうか。 故に大切なことは「避けてよけっぱなしにしない意識」です。
お相手の打突をかわしたら必ずこちらも手を出す姿勢が肝要です。こういうことができて いれば、お相手は「安易に攻撃すると危険」と考え、こちらに攻めるチャンスが増えると いうことになりますd(^-^)!
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Re: 少年剣士の防御について ( No.6 ) |
- 日時: 2021/02/19 21:45:28
- 名前: 炭火
- Hide先生
返信が遅くなり、申し訳ありません。
私(質問者)の質問の意図を感じ取っていただき、わかりやすくご指導いただき、今後のイメージがわかりかけています。
あとは、子どもにどう伝えるか?頑張ってみます。
また、いちに会記事検索においても、「表うけ」、「裏うけ」を検索したところ、たくさん情報がありましたので、調べてみたいと思います。
ご指導のとおり、受けるだけにならないよう、摺り上げ、返しなどの稽古と攻撃重視の心構えを伝えます。
この度は、ありがとうございます。
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Re: 少年剣士の防御について ( No.7 ) |
- 日時: 2021/02/20 11:00:52
- 名前: Hide.◆vm9xYr4tCqk
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- 参照: http://ichinikai.com
- To 炭火さん
少しでも拙サイトがお役に立ちますればうれしく存じます。
お子さんはまだ3年生とのこと。 今は勝ち負けにこだわるよりも剣道に親しむ時期だと考えます。 私ども指導者も、小学生の内は「剣道好きにする」こと、「剣道が自分にとって価値ある ものと認識させる」こと」を重視しています。
子ども興味関心はいろいろと移り変わります。 剣道への気持もアップダウンあります。 勝てば上がりますし、負けが込んでくれば落ち込みます。 でも、どんな子どもも親に頑張りを評価してもらえることが一番うれしいことです。 技術的な指導は先生にお任せして、お子さんのモチベーションを上げるようなサポートに 力を注がれますよう念じております
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Re: 少年剣士の防御について ( No.8 ) |
- 日時: 2021/02/21 02:40:38
- 名前: 炭火
- ありがとうございます。
>技術的な指導は先生にお任せして、お子さんのモチベーションを上げるようなサポートに力を注がれますよう念じております 。
このことについては、Hide先生に言われるのではと思っていました。😞 いつも自問自答していました。
道場でも、試合会場でも、強い子はほとんどが親が剣道経験者。 道場では配慮があられますが、家庭では当然、先生の指導を受けておられるため、稽古量と指導力で(親が剣道経験者との)差は埋まることはなく、差は開くばかりです。
こちらも至る所から情報を仕入れなければ、勝たせることはできないと、少々焦っていました。
そのため、Hide先生の想像のとおり、子どもから嫌がられる時もあります。逆に今回のように良い情報を教えてくれたと感謝されることもあります。
>お子さんのモチベーションを上げるようなサポート
道場で習ったことの反復に留めなければと思い自宅稽古を行っていますが、子供から「こんな時はどうする?」の問いに、答えてあげられない悔しさがいつもあります。 道場で、直接先生に聞くように言っていますが、わからないことばかりで、できないようです。
今、ボクシング界では、井上尚哉チャンプがパウンドフォーパウンドでも世界2位にランクされ、飛ぶ鳥を落とす勢いですが、彼のセコンドに着くお父さんもほとんどプロボクシングの経験がない方で、小さい時から独自で研究してきたトレーニングを自宅で行い成果をあげてきたことを、ジムの会長も感心していたと、聞いています。じつは、これにかなり影響されていました。(笑)
私は、道場の先生が「教科書」ならば、いちに会の掲示板は「参考書」と思っています。しかし、子どもは、参考書の中を探すこと、読み解くことができないため、私が行うとの認識でした。
しかし、良い方向へ向かっていないことも、分かりかけていました。少し、私もゆっくりと考え、子ども自身が自分で考え、解消できるようなサポートにしようかと思い始めています。
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Re: 少年剣士の防御について ( No.9 ) |
- 日時: 2021/02/21 08:48:28
- 名前: Hide.◆vm9xYr4tCqk
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- 参照: http://ichinikai.com
- To 炭火さん
>道場でも、試合会場でも、強い子はほとんどが親が剣道経験者。 >道場では配慮があられますが、家庭では当然、先生の指導を受けておられるため、稽古 >量と指導力で(親が剣道経験者との)差は埋まることはなく、差は開くばかりです。
うーん、必ずしもそうとばかりは言えないのですが、その傾向にあることは否めませんね。 親が剣道経験者だからアドバイスができるということもありましょうが、親子そろって同 じ競技をしているから子どものモチベーションが高いとも言えます。
我が家では息子2人がわたしが指導する剣友会に通っておりましたが、逆に家庭ではでき るだけ剣道の技術的な話をしないようにしていました。「家にまで先生がいる」状態は望 ましいものだとは思えなかったからです。 もちろん愚妻に「今日は頑張ったよ」とか「大きな声が出ていたよ」なんて話は敢えてし て、愚妻からも子どもを褒めてもらうというようなことはしましたが。
子どもは子どもで「先生の息子」ということでいろいろなプレッシャーがあったようでし た(>_<)
>道場で習ったことの反復に留めなければと思い自宅稽古を行っていますが、子供から >「こんな時はどうする?」の問いに、答えてあげられない悔しさがいつもあります。 >道場で、直接先生に聞くように言っていますが、わからないことばかりで、できないよ >うです。 >私は、道場の先生が「教科書」ならば、いちに会の掲示板は「参考書」と思っています。 >しかし、子どもは、参考書の中を探すこと、読み解くことができないため、私が行うと >の認識でした。
その使い方でOKだと思います。 不明なことがありましたら、どうぞこちらでご質問なさってください。 ただ、所属の先生のご指導と違う内容を伝えることがないようにだけはご注意ください
実は私の両親は剣道未経験者でした。 父親は後に、道場の先生に勧められ剣道を始めますが、若いころ野球をやっていまして地 元の少年野球の指導などをしておりました。 時代が時代でしたのでスポコン漫画そのもので、こと私の剣道に関しても非常に熱くスパ ルタ熱血。小・中・高校卒業まではそれこそ全国の遠征や大会にまでついてきてくれる人 でした。
小学生時代はとくに、あちこちに出稽古に連れて行ってくれたことを思い出します。 自分が教えられない分、稽古量を稼ぐと同時に私自らに学ばせようと考えたのでしょう。 あとはいいものを見せてもらいましたでしょうか。 全日本選手権には毎年連れて行ってもらい、アリーナ席で観戦させてもらいました。その 大会に出て優勝することが、自分の夢になっていきました。
時には反発したりプレッシャーに感じたりもありましたが、父親の存在がなければ、私は とっくの昔に選手として挫折し剣道を辞めていたことでしょう。 今となっては感謝してますが、自分も親になってみると「親子の間合いの取り方」という のはなかなかに難しいものだと思っていますm(_ _)m
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Re: 少年剣士の防御について ( No.10 ) |
- 日時: 2021/02/21 10:33:17
- 名前: 炭火
- ありがとうございます。
とても参考になりました。
Hide先生のお父様のような(稽古量を稼ぐと同時に自ら考えさせる機会を与えるという)関わりによって、親子剣士のモチベーションに負けないモチベーションを獲得できることがわかりました。
剣道は技術だけではなく、気迫や残心など、他のスポーツにはない要素が多くあり、未経験者が気づくのには時間がかかります。そのため、私のような悩みを持つ親は多いと思います。
Hide先生のお父上様に、子に対して、どのように関わり、文武両道に導く教育ができたのか、聞きたいがっていた読者がいることをお伝えください。
頑張りすぎないように、頑張ります。 この度は、ありがとうございました、Hide先生、Hide先生のお父上様。
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Re: 少年剣士の防御について ( No.11 ) |
- 日時: 2021/02/21 19:50:59
- 名前: Hide.◆vm9xYr4tCqk
<
>
- 参照: http://ichinikai.com
- To 炭火さん
ありがとうございます、父が聞いたら喜ぶことでしょう。 父に尋ねてみたいところですが、すでに鬼籍に入っておりまして。 孫(長男)にも私と同じようにスパルタでお稽古させようとしたので、「やめてくれ」 と言いました(笑) 長男は優しい性格で、私ほど根性がありませんでしたので。
でも、父も母も私の一番の理解者であったことは間違いありません。 母は書家で私の剣道の試合を一度も観戦に来たことがありませんでしたが、一芸に取り組 む心を暗に教えてくれました。
高校の頃、私が悩んでいる時「剣道なんて簡単でしょ」っていうのです。 なぜか聞いてみれば「だって相手よりも先に打てばいいんでしょ?」って。 そりゃそうだ(笑)
小学校時代どんなに勝てても、中学に行くと勝てなくなります。 中学で勝てても高校、大学に行くと・・・どんどんピラミッドは狭まって勝てなくなるの が常です。 その時に、親や指導者が「勝つこと」ばかりを強要すれば、子どもは潰れてしまいます。 「燃え尽き症候群」ですね。
剣道は私のように還暦過ぎても若い人と伍して楽しむことのできる稀有な格闘技です。 息子たちは今、仕事が多忙で剣道から離れていますが、いずれまた戻ってきてくれるもの と信じています
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Re: 少年剣士の防御について ( No.12 ) |
- 日時: 2021/02/22 18:13:21
- 名前: 炭火
- そうでしたか。
お父上様とはお話しすることはできませんでしたが、感謝の合掌をさせていただきます。
Hide先生、スレッドで様々なことを学ばせていただいていますが、前述の文章を読ませていただき、少々否定的?な気持ちが芽生えてしまいました。
Hide先生と文章で会話させていただいたところ、文武両道、泰然自若、お父上様の「スパルタ」は、決して間違ってはいなかったのでは?と感じました。
今まで何を読んできたとHide先生には叱られそうですが、私は貴殿のような息子が育つのであれば、少々の「スパルタ」は有りだ!と、思った次第です。☺
幸いなことに、最近息子は強くなりたいではなく、上手くなりたいと話します。 そこを目標に・・・、一生懸命、教科書と参考書を正しく読みながら・・・、子どもの顔色を気遣いながら・・・、少しの期間やってみます。☺
息子が、「少年少女剣士れんらくボード」に厳し過ぎる親と、質問してきましたら、上手くアドバイスしてあげてください。☺
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Re: 少年剣士の防御について ( No.13 ) |
- 日時: 2021/02/22 23:36:59
- 名前: Hide.◆vm9xYr4tCqk
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>
- 参照: http://ichinikai.com
- To 炭火さん
私が育ってきた日本は高度経済成長の時代で、老いも若きも不眠不休で一心不乱に働くこ とが尊いとされていた時代です。マンガもスポコン物が全盛で、「巨人の星」に代表され るような、常軌を逸した特訓で栄冠をつかむ・・・というストーリーが絶賛されていた時 代です。
私が小中高大と進む時代の剣道部も、今流にいえばパワハラ、モラハラ、アルハラ、セク ハラ、イジメが日常茶飯事。それに耐えられない者は精神を病みましたが「軟弱者」と蔑 まれ、切り捨てられてきた時代です。 親たちも、「か●わにさえしなければどんなことをしてもかまいませんので強くしてくだ さい」と平然と言ってのける時代でした。
教員や監督の所業は、今の時代なら首を斬られるどころか犯罪者として逮捕され実刑を受 けていたことが普通に行われていました。 子どもの基本的人権に関する「児童の権利に関する条約」が日本で批准されるのは1994年。 平成に入ってからのことなんです。
剣道でも「荒稽古」という心身を鍛える厳しい稽古法があったのですが、今は廃れてしま いました。指導者にとってもきつい稽古でしたが、子ども達を一つ上に引っ張り上げるの に効果のある稽古法でした。もちろん、指導者とお弟子さんに確固たる信頼関係があり、 保護者が指導者に全幅の信頼をおいていてこそ成り立つ猛稽古でしたが。 でも、今それをすれば、パワハラ、暴力、体罰ととらえられてしまいます。
私は少年剣道の指導歴は40年になりますが、この20年ほどで指導方法を大きく変えざるを 得なくなりました。そして炭火さんに認識していただきたいのは、たとえ親であっても、 我が子への過剰な稽古の強要は犯罪になるということ。そしてもう一つ、剣道なんて強く なっても、その心を学ばなければ、社会人として何の役にも立たないということ。
私は大学を卒業して選手生活を引退するまで、剣道を楽しいと思ったことはありませんで した。勝つことだけを追い求め、周りからも勝つことを強要される選手生活は、私にとっ て耐えがたいものでした。 誰とも心を通わせず「自分さえ勝てばいい」そんな歪んだ気持で青春時代を過ごしてきま した。でも、それを支えてくれたのが両親であったことは否めません。
よけいなことを申し上げましたが、どうかそれらをお忘れなきよう願いたいと存じますm(_ _)m
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Re: 少年剣士の防御について ( No.14 ) |
- 日時: 2021/02/25 01:05:28
- 名前: 炭火
- Hide先生、ありがとうございます。
深く考えさせられました。また、深く受け止めました。
3年前、子どもが剣道に興味を持ち、剣道場の見学に行った際、礼儀や所作(具体的には、神殿、先生方等に対する礼拝(角度や目線)や竹刀、防具等の置き方(位置や方向)、及び声(道場訓や気合、挨拶)など、剣道の他の競技にはない世界に魅せられ、入門することにしました。
親としても、時代劇の武士道のような世界が身近なところにあったと、勝手に期待を膨らませました。
3年が経過しますが、未だに礼拝や所作において、先生方から注意をされています。 まだ、小学低学年なので仕方ないと思う一方で、大きな大会等に参加すると、同学年、それ以下の年齢の子どもさんがしっかりとした所作等を行う姿を目の当たりにします。そして、それらの子は、得てして剣道も綺麗です。
我が子の剣道での成長に対する焦りが強いのかと、反省しています。
Hide先生が言われる「剣道なんて強くなっても、その心を学ばなければ、社会人として何の役にも立たない。」ということをおろそかにしそうとなっていました。
私自身も、以前やっていたスポーツにおいて苦い経験があり、子どもに勧めることができなかったにもかかわらず・・・。
これからは、子どもが楽しく、正しく剣道ができるよう機会を与えるなど、支えていくという気持ちを忘れないようにします。
このスレッドでは、当初、防御についてのご質問をさせていただきましたが、その後いろいろなご助言をいただき、ありがとうございました。 最初は、質問することに躊躇いたしましたが、させてもらい非常に良かったと思っております。 これからも、この掲示板を私の第一の参考書として愛読させていただきますので、今後ともよろしくお願いいたします。
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Re: 少年剣士の防御について ( No.15 ) |
- 日時: 2021/02/25 10:20:57
- 名前: Hide.◆vm9xYr4tCqk
<
>
- 参照: http://ichinikai.com
- To 炭火さん
>3年前、子どもが剣道に興味を持ち、剣道場の見学に行った際、礼儀や所作(具体的には、 >神殿、先生方等に対する礼拝(角度や目線)や竹刀、防具等の置き方(位置や方向)、及び >声(道場訓や気合、挨拶)など、剣道の他の競技にはない世界に魅せられ、入門すること >にしました。 >親としても、時代劇の武士道のような世界が身近なところにあったと、勝手に期待を膨 >らませました。
わかります。 そういう思いで入会させてくださる保護者の方がほとんどといっていいかもしれません。 ところが、お子さんが大会に出るようになると、多くの保護者の方が勝ち負けに固執する ようになってしまわれます。
私も親として、子どもの試合は自分の試合以上に熱くなって観てしまった経験があります。 子どもが勝てばめちゃくちゃうれしいですし、負ければがっかりします。 いつしか子ども本人よりも親の方が勝ち負けに一生懸命になってしまったりもします。 子どもは親の期待に応えようと頑張りますが、いつしかそれを負担に思ってしまうことも 出てきます。
繰り返しになりますが、家族は指導者の知らない子どもの頑張りに気が付くことができま す。保護者はその部分でお子さんを評価していただきサポートしていただけますと助かり ます。
子どもの伸びは「本人-指導者-保護者」の三位一体が肝要です。 そのどこが欠けても、またどこが突出しても上手くはいきません。 心身の健全な発達・成長のため、そこをよくご理解いただき、主体であるお子さんの気持 を支えてあげていただければと考える次第です
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