Re: 不当な中止要請があった時 ( No.1 ) |
- 日時: 2017/03/07 16:35:34
- 名前: 長幼の序
- まずもって確認しておかなければいけないのは、試合者の中止の要請は「手を上げ、かつ主審に向かって発声し、〜」となっているので、相手が打ちかかろうとした瞬間にその行動を取る事ができたか、という点です。
主審が中止要請とみなさなかった場合、試合は継続しますので、有効打を打たれれば1本、仮に有効とならなくてもタイミング的に不当な中止要請とみなされ、合議の末、反則も考えられます。 どちらにしろ、マイナスな行動です。
中止要請を認めた場合は、主審は直ちに試合を中止し、その理由を質しなければいけません。
以上の事を念頭に置いて質問に答えると
1、主審は試合者より中止要請があった場合は、直ちに「止め」をかけ中止要請を質し、合議をかけ反則の有無の確認。
2、「止め」の効力は、主審の「止め」の宣告があっての事なので、その前の打突は有効。
3、「流す」という事はあってはなりません。これは中止要請と認めなかったという事ですね。 その場合でも、そのタイミングで中止要請をかけた事が、不当と感じた場合は、審判員が合議を行う。
反則の事実が不明瞭な場合や規則の運用及び実施の疑義が生じた場合の「合議」には、副審にも権限が与えられているので、少しでも疑義ある場合は、3審による「合議」が必要ですね。
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Re: 不当な中止要請があった時 ( No.2 ) |
- 日時: 2017/03/07 19:13:08
- 名前: 鉄心
- 長幼の序さん
早速のご回答ありがとうございます。
試合経験を多く積んだ選手ならば、中止要請をするにしても打突が切れたタイミングで、 間合いを切りつつ手を挙げて「タイム」と発声すると思います。 なので基本的にこういう事態は起こらないと思うのですが、 小中学生などでまだ経験の浅い選手が中結が回った、竹刀が相手にちょっと引っかかったなどで タイミングを考えずに中止要請をすることはままあります。
大抵相手の選手は空気を読んで(?)「止め」がかかる前に手を止めますが、 どんな状況でも選手が手を挙げて「タイム」と発声していれば「止め」をかけなければいけないが、 その宣告の前に打ちこまれていれば有効打突を取ってもいいということですね。
そしてその打突が有効とならなければそこで「止め」をかけ、理由を質し、疑わしければ合議ですね。
不当かどうかは、あくまで中止要請の理由を質して、そこで初めて疑い、合議して判断ということですね。
場外や竹刀落としは直ちに打突があれば有効と明記されていますが、「(不当な)中止要請の瞬間の打突」について疑問に思いました。
中止要請中に有効打突を打たれるようならそれは不当な中止要請で反則である可能性が高いが、 そもそもその有効になる可能性のある打突を制してまで「止め」をかけなければいけないのか・・・
疑義が生じた場合は合議をかけますが、その前には必ず「止め」をかけなければいけません。 つまりその流れのその瞬間、疑義が生じても「止め」をかけるかかけないかは審判員の判断によると思っています。
ですがこういった場合は「止め」をかけるべきか否かが自分の中ではっきりとしませんでした。
上の流れと矛盾するかもしれませんが、 >主審が中止要請とみなさなかった場合 >3、「流す」という事はあってはなりません。これは中止要請と認めなかったという事ですね。 とありますが、 >「手を上げ、かつ主審に向かって発声し、〜」 が十分であっても、主審が中止要請を認めないケースはありますでしょうか?
重ねての質問申し訳ございません。
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Re: 不当な中止要請があった時 ( No.3 ) |
- 日時: 2017/03/08 07:16:04
- 名前: Hide.◆vm9xYr4tCqk
<
>
- 参照:
- 管理人のHide.です。
長幼の序さんが説明されていることで十分と思います。
>場外や竹刀落としは直ちに打突があれば有効と明記されていますが、「(不当な)中止 >要請の瞬間の打突」について疑問に思いました。
全く同様と考えます。 不当か不当でないかは「やめ」をかけ当該選手にその理由を聞くまではわかりません。
しかしながら、「中止の要請」は動作としては防御のできない不利な体勢を余儀なくされ ますので、「打突される」危険性を考慮し自身の安全を確認しながら行うことが求められ るはずです。 その思慮なく打突されれば、それが有効打突に必要な要件を満たしていれば一本にするべ きです。
>>「手を上げ、かつ主審に向かって発声し、〜」 >が十分であっても、主審が中止要請を認めないケースはありますでしょうか?
外から見ているだけではわからないトラブルが発生している場合があります。 たとえば、「コンタクトレンズがずれた」「目にゴミが入った」などは、外からはわかり にくいが試合中に起こり得るトラブルです。 また、心筋梗塞とう緊急な事態かもしれません。
ルール上「中止の要請」という権利が試合者に求められている限り、それに合致する適正 な行為があった場合、審判がそれを認めないということはあってはならぬことだと考えま す。
幸いなことに、これまで「不正な中止要請」を見たことがありませんが、試合時間がない 時、わざと場外に出て縺れた状況を解消することは、まま行われています。 自身の不利な状況を解消するために、反則1回を覚悟しそういうことをする選手が出てこ ないとも限りませんが、これはお相手の有効打突の機会潰す行為ですので、単に「反則1 回」というペナルティと考えていいかどうか判断に苦しみます。
こうした選手、こうした行為が剣道界に蔓延しないことを願いたいものです(-_-)
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Re: 不当な中止要請があった時 ( No.4 ) |
- 日時: 2017/03/08 08:38:39
- 名前: 長幼の序
- 審判員は有効打突、反則の判定と同時に試合が安全、かつ円滑に進むように努める責務があります。
試合の中で、明らかに不明瞭な形で試合進行が停止した場合、または停止させようとする動きがあった場合は、その事実関係に基づき、規則に照らし合わせ厳格に反則を取る事が大切と考えます。 但し、幼少児、経験の浅い初心者等には、教育的観点から説明による指導が必要ですね。
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Re: 不当な中止要請があった時 ( No.5 ) |
- 日時: 2017/03/08 13:04:18
- 名前: 鉄心
- Hide.さん
長幼の序さん
ご回答ありがとうございます。
お二人のご回答から、
審判員から確認できない事象で試合者が中止要請をすることもあるので、要請があれば審判員は直ちに「止め」をかけなければいけないが、 その際も試合者は相手から打突されないように努めなければならず、如何なる理由での中止要請の最中でも相手が要件を満たした打突を行えば有効打突となり得る。
ということで理解しました。ありがとうございます。
前述した「流す」や「認めない」というのは、場外や竹刀落としの際のように相手に打突の意思が見られれば 一拍子様子を見るべきかと疑問だったのですが、中止要請の際は直ちに「止め」をかけるべきなのですね。
ということは主審が要請に応えて「止め」をかけるのと打突がどちらが早いかで結果は変わりますね。
この状況で有効打突となり一本を宣告し、それで勝負がついたとしても、中止要請をした選手に要請理由を質すべきでしょうか?
試合が継続するなら理由を質して事象の対処をさせなければならないとは思いますが・・・。
それとも、旗が2本以上挙がっても有効打突の宣告をする前に まず「止め」をかけ→理由を質す→合議→有効打突の宣告 の方が良いでしょうか?
質問が多くなり申し訳ありません。 レアなケースだとは思っていますが、どんな状況でもなるべく淀みなく審判をしたいと考えていますので、ご教授お願い致します。
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Re: 不当な中止要請があった時 ( No.6 ) |
- 日時: 2017/03/08 14:19:21
- 名前: 長幼の序
- 中止要請があり、主審が止めをかける前に打った打突は有効です。前記しましたが、「止め」の宣告無き状態は、まだ試合は進行中です。
有効の場合は、そのまま試合進行となります。 この与えた1本は、いわば自業自得。 よって疑義は、残りません。 仮に主審は、「止め」が早いと思ったが、ほぼ同時に打突、副審2人が有効とみなした・・・この場合は、合議をかけ、その有無についての確認がいる所です。
有効とならなかった場合でも、そのタイミングで中止要請をしたことが、「公正を害する行為」とみなされ合議の上、反則となるケースですね。 この場合生じる疑義は、不当な中止要請で相手の攻撃を妨げた、言い方を変えれば、それによって相手が有効打突を打ち損じた要因をこっちが作ったと取られるという事です。
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Re: 不当な中止要請があった時 ( No.7 ) |
- 日時: 2017/03/09 07:11:43
- 名前: Hide.◆vm9xYr4tCqk
<
>
- 参照:
- To 鉄心さん
>この状況で有効打突となり一本を宣告し、それで勝負がついたとしても、中止要請をし >た選手に要請理由を質すべきでしょうか? >試合が継続するなら理由を質して事象の対処をさせなければならないとは思いますが・・・。
う〜ん、その有効打突後も試合が継続される場合は、私はその理由を聞くべきだと考えま す。 と申しますのは、前述したような外的には類推することができない体調等の問題や、選手 本人だけが気が付いてる竹刀のトラブルかもしれません。
それで試合終了の場合は悩ましいところですが、試合者の権利を尊重し確認するべきでし ょう。
>それとも、旗が2本以上挙がっても有効打突の宣告をする前に >まず「止め」をかけ→理由を質す→合議→有効打突の宣告 >の方が良いでしょうか?
私でしたら、
「やめ」→理由を質す→合議(中止要請の理由を踏まえ三審で有効打突の確認)→選手に 「不正な中止要請」で有効打突となることを伝える→宣告→試合再開(あるいは試合終了)
という形をとると思われます。
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Re: 不当な中止要請があった時 ( No.8 ) |
- 日時: 2017/03/09 11:37:33
- 名前: 鉄心
- 長幼の序さん
納得致しました。ありがとうございます。
Hide.さん
>う〜ん、その有効打突後も試合が継続される場合は、私はその理由を聞くべきだと考えます。 >と申しますのは、前述したような外的には類推することができない体調等の問題や、選手 >本人だけが気が付いてる竹刀のトラブルかもしれません。
私も同意見です。要請理由の事象が解決していなければ、 結局試合再開後、またすぐ中止要請があるはずですからね。
試合終了の場合も納得です。
>私でしたら、 >「やめ」→理由を質す→合議(中止要請の理由を踏まえ三審で有効打突の確認)→選手に >「不正な中止要請」で有効打突となることを伝える→宣告→試合再開(あるいは試合終了) >という形をとると思われます。
それが一番スムーズで(当該選手が納得いかなくても) 審判員の意図や適用したルールが明確に伝わる形ですね。
中止要請をする意図は認められたが、「やめ」をかける前に有効打突を貰っている(副審の旗が挙がっている)ので要請が成立していない。 成立する前の打突なので有効である。 ということを伝えればいいですね。
長幼の序さん、Hide.さん、お忙しい所ご回答頂きましてありがとうございました。
実はこのケース、私が中学生の時に生徒審判の錬成会で起きたことでした。 その時私は主審で、一方の選手が面を打とうとした時に他方の選手が「タイム」。 打突は面をしっかりとらえたので、私も含め審判3人とも面有りとしました。
すると打たれた選手は「はあ?」と言って納得いかない様子でした。
当時は合議して確認するという頭がなく、そのまま試合終了となりましたが、 それからずーっと私の頭の中にそのことがモヤモヤしていました。
この度質問させて頂き、ご回答を頂いてスッキリしました。 (15年ほど前の事ですが有効打突にしてよかったとホッとしています笑)
今後に活かしていきたいと思います。
また何かありましたら宜しくお願い致します。
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Re: 不当な中止要請があった時 ( No.9 ) |
- 日時: 2017/03/10 07:12:41
- 名前: Hide.◆vm9xYr4tCqk
<
>
- 参照:
- To 鉄心さん
少しでも拙サイトがお役に立ちますればうれしく存じます。
>中止要請をする意図は認められたが、「やめ」をかける前に有効打突を貰っている(副 >審の旗が挙がっている)ので要請が成立していない。成立する前の打突なので有効であ >る。ということを伝えればいいですね。
はい、その通りです。
審判員をしていると、様々なイレギュラーな事例に出会います。 何がどのようにして起こったのか、原因・過程・結果をしっかり認識して、三審で合議し どちらの選手にとっても公明正大な判定をする責任があります。 虚を衝かれないよう、常に気を張って視ていなければいけません。
互いに精進いたしましょうp(^-^)q
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Re: 不当な中止要請があった時 ( No.10 ) |
- 日時: 2017/03/12 08:40:34
- 名前: もやしん
- 中止要請で検索すると、こちらが出てきましたが、
不当な場合とは限りませんが、 他に見あたりませんので、こちらで質問させて頂きます。
試合で中止要請をするときには、 「手を上げ、かつ主審に向かって発声し、ただちに理由を述べる」とありますが、 以前からこうでしたでしょうか?
「発声し」、という文言は以前は入ってなかったと思うのですが。
また、発声とは具体的に何と言うのでしょう? 私は手を上げるだけだと思っていました。
そして、ただちに理由を述べるということは、 「発声」のあと止めがかかると思いますが、 止めを待たずに、間髪を入れずに試合中に理由を述べるのが正式な方法なのでしょうか?
止めがかかったあと、竹刀を収めて、面を付け直すなどするときは、 下がった後、礼はしなくていいのでしょうか? 礼をしないのなら、当然、付け直し終わり、開始線に戻るときも礼をしないということでしょうか?
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Re: 不当な中止要請があった時 ( No.11 ) |
- 日時: 2017/03/13 07:06:04
- 名前: Hide.◆vm9xYr4tCqk
<
>
- 参照:
- To もやしんさん
>「手を上げ、かつ主審に向かって発声し、ただちに理由を述べる」とありますが、 >以前からこうでしたでしょうか?
はい、以前からこうでした。
>また、発声とは具体的に何と言うのでしょう?
とくに規定されていないようですが「タイム」が一般的です。 先日の全日本七段選抜でも警察系の一流選手が「タイム」と発声し、中止要請をしている のを拝見しました。
>止めを待たずに、間髪を入れずに試合中に理由を述べるのが正式な方法なのでしょうか?
「やめ」のあと主審に中止要請の理由を説明します。
>下がった後、礼はしなくていいのでしょうか? >礼をしないのなら、当然、付け直し終わり、開始線に戻るときも礼をしないということ >でしょうか?
「立ち納め」という略式で「蹲踞の礼」を行わないだけですから、立礼はすべきでしょう。 多くの場合「自己都合」での試合の中止ですから、お相手や審判員に対して礼を失してい るわけですので。
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Re: 不当な中止要請があった時 ( No.12 ) |
- 日時: 2017/03/13 20:46:04
- 名前: もやしん
- どこで見たのかはっきり出てきませんが、
「面などを付け直すときは、たったまま収めて、下がり、付け直す」と規則では書かれていると見ましたが、 下がる歩数や、立礼は書かれていないのだと思っていたのですが、 立礼はすべきなのですね。
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Re: 不当な中止要請があった時 ( No.13 ) |
- 日時: 2017/03/14 07:02:22
- 名前: Hide.◆vm9xYr4tCqk
<
>
- 参照:
- To もやしんさん
全剣連の「剣道試合者要領」には、
>[中止の要請] >(1)試合者は、試合の中止を要請する場合、手を上げ、かつ主審に向かって 発声し、直 > ちにその理由を主審に申し述べる。 >(2)試合者は、着装の乱れを直すときは、開始線で立ったまま納刀し、 境界線の内側ま > で後退し、そんきょ(蹲踞)もしくは正座して速やかに行う。
とありました。 とくに立礼は明記されていませんので「しなくても問題がない」のだと思いますが、私は 「した方がいいかな」と考えます。
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Re: 不当な中止要請があった時 ( No.14 ) |
- 日時: 2017/03/14 22:24:18
- 名前: もやしん
- Hide.先生ありがとうございます。
所作もただなんとなくこうだろうとやっていましたが、 しっかり学ぶことができました。
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