Re: 払い落としメンを右手で受けると… ( No.1 ) |
- 日時: 2015/09/17 06:48:47
- 名前: 長幼の序
- 試合では、まま拝見する場面ですね。
この状況、面を打とうとしたが、相手が右手で避けた為、小手の打突部に完璧に当たった・・って感じでしょうか?
これは、剣道試合・審判・運営要領の「主な事例の解説」の試合の項目、有効打突についてで解説されています。 結論からいえば、有効にはなりません。 「面を打とうと」いう意志の元で面を打ち、偶発的に小手に当たったという解釈です。 剣道では、明確に目的を以って、その打突部位を正確に打突する事が、有効打突の条件という事です。
確実に小手をとらえたのに、その後、面に渡った(いわゆる小手面の連続技)、胴を打とうとしたら小手にボックリ当たった、遠間から面を打ったら届かず、諸手突きの形になり突垂に完璧に当たる・・・似たような場面は、よくありますが、すべて有効にはなりません。
当然、その場面で「小手」を打つ意志を以って打突すれば「小手有り」です。
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Re: 払い落としメンを右手で受けると… ( No.2 ) |
- 日時: 2015/09/17 08:48:56
- 名前: Hide.◆vm9xYr4tCqk
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- 参照: http://ichinikai.com
- 管理人のHide.です。
長幼の序さんが解説なさったとおりと考えます。 「メン」という発声で「コテ」にあたったものは、現行のルールでは一本にできません。
蛇足ですが、あくまでも偶発的に起こったことであればいいのですが、意図的に小手で面 をかばうようなよけ方をする場合は「公正を害する行為」として反則を取るべきでしょう。
なお、胴を打って振り向きざま、右手の甲で突垂を隠す選手に対して、その甲の上から正 確に突いたものを「突きあり」として一本にしている例を見たことがありました(学連の 大会でした)。 賛否ありましょうが、部位にあたってはいいないけれどこれを一本とすることに私も賛成 の考えです
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Re: 払い落としメンを右手で受けると… ( No.3 ) |
- 日時: 2015/09/17 10:17:14
- 名前: 長幼の序
- Hideさんの言われる事と同様に、流れの中で故意に腕を使い、胴を覆う様に防ぐ選手も多いです。
これも「公正を害する行為」の1つと考えます。 この場合も、「突き」のお話と同様に刃筋正しく打突できれば、有効とする事に賛成の考えです。
現行規則の有効打突の条件と、この辺りの「状況」を如何に判断し、裁いていくかが「剣道の本質」と関わる課題といえるのでは・・・。
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Re: 払い落としメンを右手で受けると… ( No.4 ) |
- 日時: 2015/09/18 00:23:56
- 名前: 三七式ヨシ
- 三七式ヨシです。
打突者の意図していないところを打った場合、長幼の序さんのおっしゃる通り 有効打突とは認められないのが原則です。
しかし、例えば竹刀を両手で上げようとしていて、右手が竹刀から外れたが勢 いで手があがり、そこに面を打とうとして小手に当たったか。
打突者に振られために竹刀から手が外れ、竹刀を持ちあげるのが間に合わず 小手で面を庇い、小手がなければ確実に面に有効打突となったか。
手は上がって小手を打たれたが、体で捌こうとして小手がなくとも面は有効 打突となりえなかったいたかなど、微妙な場合もあるかと思います。
その場で合議したり、コート主任や大会審判長の採決を仰ぐことあり得ると思 います。
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Re: 払い落としメンを右手で受けると… ( No.5 ) |
- 日時: 2015/09/18 08:54:12
- 名前: Hide.◆vm9xYr4tCqk
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- 参照: http://ichinikai.com
- 管理人のHide.です。
少し脱線しますが…、
偶発的な行為によって打突部位にあたっていなくて一本になったケースで有名なのは、2011年 第59回全日本選手権の決勝戦で高鍋選手が東永選手についた諸手突きでしょう。
面を打った反動で突垂が持ち上がり、高鍋選手の突きは東永選手の喉を直撃します。これ を審判は「突きあり」と判定しましたが、誰もが納得する一本だったのではないでしょう か。
基本的には、部位に当たらないものを一本にすべきではありませんが、有効打突には様々 なファクターがあります。審判員は、「何が一本なのか」をしっかりと見極める力を持つ べく、勉強を怠ってはいけませんね
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Re: 払い落としメンを右手で受けると… ( No.6 ) |
- 日時: 2015/09/19 01:59:23
- 名前: 梁
- 色々なお答えが頂けて、とても勉強になりました。
長幼の序さん、三七式ヨシさん、Hide.さん、ありがとうございます。
現行ルールでは基本的には一本にならないのですね。 しかし、Hide.さんが仰るように、(部位を外れても)誰もが納得できる技というものも 確かに存在することは、剣道を長年やっている者として深くうなずけます。 (あ〜当たってればもっと気持ちいい一本だったのに〜とも思いますが笑)
ただ、審判員の見極める能力の向上はもちろん重要ですが、このように「ルールの文面とは違うけど一本」 という事例が増えると、運動競技の一つとして、公平性や再現性に欠けるものがある、とも思います。
こういう一義的に定めきれない部分は剣道の醍醐味、奥深さでもあると思いますが、 長年やっている人だけで「これがまた奥深くて良い」と現状に甘えていると、剣道がどんどん 内向き・閉鎖的になっていってしまう気がしました。
JUDO化は断固避けねばなりませんが、なればこそ、「宗主日本が認める一本とは〜である」、という要件を 現状(技術・速度の向上、剣風の変化etc)を踏まえて改めてしっかり定義した方がいいのかな〜、 なんて皆様の意見を拝見して感じました。
ちょっと話が大げさになりすぎましたね…笑
長文、乱文失礼いたしました。
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Re: 払い落としメンを右手で受けると… ( No.7 ) |
- 日時: 2015/09/19 07:24:12
- 名前: Hide.◆vm9xYr4tCqk
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>
- 参照: http://ichinikai.com
- To 梁さん
少しでも拙サイトがお役に立ちますればうれしく存じます。
最近歳をとったせいか、剣道の持つ曖昧さが愛おしくなっています(笑) 競技はあくまでも、剣道修行の一部にしか過ぎません。 究極の試合は、「自己審判制の一本勝負」。大人はそれで戦うのが理想です。
確かに「わかる人にわかればいい」は非常に閉鎖的です。 でも、文化ってそんなもんなんじゃないでしょうか?
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Re: 払い落としメンを右手で受けると… ( No.8 ) |
- 日時: 2015/09/19 10:40:24
- 名前: 無為
- 小学校の試合でよく面を打たれそうになったら上を向いて面金で受けて防ごうとする動作も見られます。
この場合は「面あり」だと思うので、突きの場合も不当な防ぎ方の場合は有効にすべきと思います。 でもなかなか有効にするとは言いにくいのか、規則を見る限りでは無理なようですね。
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Re: 払い落としメンを右手で受けると… ( No.9 ) |
- 日時: 2015/09/20 07:29:09
- 名前: Hide.◆vm9xYr4tCqk
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>
- 参照: http://ichinikai.com
- To 無為さん
管理人のHide.です。
>小学校の試合でよく面を打たれそうになったら上を向いて面金で受けて防ごうとする動 >作も見られます。
これは有効打突になるはずです。 また、身長差のある対戦の場合、低い選手が高い選手の面を打突した時、物理的に面布団 に当たらないケースでも、面金を正確に打突していれば有効打突ですねd(^-^)!
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Re: 払い落としメンを右手で受けると… ( No.10 ) |
- 日時: 2015/10/26 21:24:04
- 名前: 三七式ヨシ
- 三七式ヨシです。
全剣連の出している、剣道試合・審判・運営の要領の手引きP20<主な事例の解説> 1試合に赤が面を打とうとしたのを、白が小手で避け、赤の竹刀が小手に当たった。 場合について解説があります。
・小手は赤の意思に反して当たっているので、原則として有効打突にならない。
・状況によって異なるので、具体的な事例を見極めて、総合的に判断することに なる。
と記載されています。
結論的には既に出ていますが、文章を見つけたので参考までにお知らせします。
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Re: 払い落としメンを右手で受けると… ( No.11 ) |
- 日時: 2015/10/27 08:55:31
- 名前: Hide.◆vm9xYr4tCqk
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- 参照: http://ichinikai.com
- To 三七式ヨシさん
おお、ちゃんとした見解の記載がありましたか! ありがとうございます
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