Re: 竹刀を拾う時のマナー ( No.1 ) |
- 日時: 2015/07/24 06:45:44
- 名前: Hide.◆vm9xYr4tCqk
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- 参照: http://ichinikai.com
- 管理人のHide.です。
ご質問を整理してお答えしますね(^^ゞ
>座った姿勢から立つ時に右膝を立てるのは、 >その状態でも刀を抜けるように…と私は聞いたのですが、 >本当はそちらが上座側になるからという理由なのでしょうか。 >それとも単に「正座する際のマナー」が左座右起、という事ですか?
正座から立ち上がる場合、右に竹刀をおいている場合、左手に持ち替えます。そして、右 膝を立てて立ち上がります。 これはやはり「左座右起」に起因する習わしですね
>それとも、多少着脱しづらくても左→右の順番にこだわるべきでしょうか。
これも「左座右起」に起因する習わしです。 実は、剣道着に袖を通すのも袴に足を通すのも、「左から」なんですが、もうこれを守っ ている人のほうが少ないかな(^_^ メ) でも、小手の脱着は…私は守ったほうがいいと思いますが。
予め、小手にカバーを装着しておくことは出来ないのでしょうか?
>また「上座側の膝を立てて竹刀を拾う」マナーは >実際にはあまり浸透していないような気がしますが…。
「片膝を着いて拾う」というのは、実は「後付のマナー」なんです。 私どもが子供の頃はこんなものはありませんでした。戦前にはなかった風習のようです。 つまり、年配の先生はご存じない方も少なくないはずです(^_^ メ)
これと同じように「後付け」されたものに、面を外す時、「面で顔を隠しながら汗を手ぬ ぐいで拭う」というのがあります。これも私どもが子どもの頃はありませんでした(>_<)
また、面を着けるときに「一礼をする」というのもありますね。
これらは、誰か(名のある先生)がやり始めた。それを見て「ああやるのがマナーだ」、 「見ていてカッコがいい」ということで、広がったものではないかと考えています。
私は、「竹刀を拾うとき片膝をつく」に関しましては、子どもたちに教えておりますが、 「上座側の膝を立てる」は高学年以上ですね。
「顔を隠しながら汗を拭う」は教えておりません。 面を外している時でも「油断をするな」と教えておりますので(^_^ メ)
脱線しますが、近年気になるのは、立ったまま胴垂れの着脱をする人。 防具の着脱や片付けを、道場に背を向けて行う人…。準備や片付けを正座しない人などで す。 これらは私が子どもの頃は厳しく戒められたものですが…。
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Re: 竹刀を拾う時のマナー ( No.2 ) |
- 日時: 2015/07/24 20:53:54
- 名前: サラ・ブライアント
- Hide.さん、詳しくお返事ありがとうございます。
>正座から立ち上がる場合、右に竹刀をおいている場合、左手に持ち替えます。 >そして、右膝を立てて立ち上がります。 >これはやはり「左座右起」に起因する習わしですね
右ひざを立てるのは、刀を抜きやすいかどうか、ではないのですね。
ちょっと話がそれますが、警察では正座している時、 竹刀は右に置いていて、立つ時に持ち替えました。 一般的には左に置くほうが多いですよね。今の剣友会では左です。 私も子供も、しばらく逆に置くのに慣れませんでしたが、 今となっては、右からどうやって左に持ち替えていたのか思い出せません(笑)
警察で、右に置くのは敵意がないと示すため、と聞いたのですが、 もともと刀の場合はそういう理由で右に置くのですよね…。 竹刀を左に置くのは略式、ということなんでしょうか。
>予め、小手にカバーを装着しておくことは出来ないのでしょうか?
できない事はないのですが、かなりやりづらいのです。 ここで知った、福田武道具さんの小手カバーを使っているのですが、 かなり固いものなので、先に小手にはめてしまうと手を通すのが大変です。 私は小手下もつけているもので、なおさら入れづらいのです。
でも、慣れればできるかもしれませんね。 今度からチャレンジしてみます…。
>「片膝を着いて拾う」というのは、実は「後付のマナー」なんです。
そうなんですか。でも、片膝をつく、のは浸透していますよね。 上座側の膝を立てる、は当剣友会では教えていないようですが、 密かに意識してやってみます。
私が「先生によって、団体によってやり方が違う」と 感じていたマナーがいくつかあるのですが、 そういう「後付け」のものがそうなのかもしれませんね。
>「顔を隠しながら汗を拭う」は教えておりません。
これも人によって違いますよね。 そういうやり方もあるとは聞きましたが、やりなさいとは言われてないです。 面を片手で持ちながら中で汗を拭く、という動作が かなりやりづらいのもあって、実践したことがないのですが…。 どのくらい浸透しているんでしょうね。
>立ったまま胴垂れの着脱をする人。 >準備や片付けを正座しない人などです。
このふたつは、してはいけないと教わった事なのですが…
>防具の着脱や片付けを、道場に背を向けて行う人…。
これについては、私は教わった事がありませんでした。 そういえば、警察では稽古場が真ん中にあるので、みんな自然とそうしていたようですが… 今は体育館で、どこが中心という感覚が薄いのもあってか、後ろを向いてやっている子もいます。 私も今度から気を付けようと思います。
あと、最初に質問させていただいた 「竹刀を落すことが反則なのであって、 拾い方が間違っていてもマナー違反というだけで反則にはなりませんよね?」 について、ご回答いただいていないのですが… こちらはいかがでしょうか?
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Re: 竹刀を拾う時のマナー ( No.3 ) |
- 日時: 2015/07/25 08:47:39
- 名前: Hide.◆vm9xYr4tCqk
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>
- 参照: http://ichinikai.com
- >右ひざを立てるのは、刀を抜きやすいかどうか、ではないのですね。
左座右起は刀を抜くときの思想に起因しているのは間違いありません。 ちなみに、Yahoo!知恵袋に明解な説明がありましたので、引用しておきますm(_ _)m
-------------------------------- 「左座右起」は、もっぱら左腰に差した(又は携えた)剣を素早く抜くための体勢を何時でも取っているためのものです。つまり、何時でも刀を抜ける臨戦態勢なのです。古来の礼法では男性は「右座左起」とされ女性は「左座右起」だったのです。即ち、礼法の男性「右座左起」は戦意のないことを示すものだったのです。柔道の場合は刀は持っていないので講道館柔道においても礼法の「右座左起」だったのですが昭和18年に剣道に習って「左座右起」に改めたものです。従い、推測ですが昔の武士も全く戦意のないことを表す場合は「右座左起」で、相手に侮れないようにする必要のある時は「左座右起」だったのではないでしょうか?類似の作法に戦意がないことを表す場合には刀を右手に持つ、置くという作法があります。
http://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q1075301870 --------------------------------
>警察で、右に置くのは敵意がないと示すため、と聞いたのですが、 >もともと刀の場合はそういう理由で右に置くのですよね…。 >竹刀を左に置くのは略式、ということなんでしょうか。
はい、礼法も日本剣道形と同様、右手持ちで立礼をし、持ち替えて帯刀…という形で行わ れていたものを、現在の形に改めたようです。
いつぐらいかは不明です。 戦前の昭和天覧試合の映像では、すでに左手提刀で立礼をしてます
>ここで知った、福田武道具さんの小手カバーを使っているのですが、 >かなり固いものなので、先に小手にはめてしまうと手を通すのが大変です。
私もそれを愛用していますが、マジックバンドがすぐにダメに成ってしまいますし、同じ く装着がめんどくさいので、ドリルで穴を開け紐を通し、直接小手にくくりつけてしまい ました。これですと、通常の小手と同様に扱うことが可能ですよd(^-^)!
>今は体育館で、どこが中心という感覚が薄いのもあってか、後ろを向いてやっている子 >もいます。私も今度から気を付けようと思います。
これは昔から言われていたことです。 剣道具の着脱時は最も隙ができやすい。それゆえ、背後を壁にして周囲が見渡せるよう正 面(壁に対して斜めではなく)を向いて着脱しなさいという教えです。
剣道具を片付けたり準備したりするときに正座をするのは、防具に対する愛情(大切に扱 う)という思想からですね
>「竹刀を落すことが反則なのであって、拾い方が間違っていてもマナー違反というだけ >で反則にはなりませんよね?」
反則にはなりませんし、やり直しを命じられることもありません。 まぁ、ご本人が恥ずかしい思いをするだけのことですが、昔はこんなことは言われません でした。
以下の動画は、奥山範士が森島範士に巻き上げで竹刀を飛ばしますが、森島藩士は立った まま竹刀を拾います。今見ると違和感がありますが、当時は誰もそれを気にする人はいま せんでしたm(_ _)m
hhttps://www.youtube.com/watch?v=cR1WPAyI5CI
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Re: 竹刀を拾う時のマナー ( No.4 ) |
- 日時: 2015/07/25 10:25:47
- 名前: 趣味剣
- 便乗となってしまうのですが1つ質問させてください。
正座時の竹刀の置き方についてですが、木刀を体の右側の場合は刃は内側。敵意がないと示している。
私は、竹刀は左側に置くといつ何時、襲われても対処できるようにと 刃を外に向けておく(弦は内側)なのですが
皆様はどのような、考えにて、どの向きにおいているのかをご教授願います。
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Re: 竹刀を拾う時のマナー ( No.5 ) |
- 日時: 2015/07/25 18:21:00
- 名前: パシッ
- 私が教わったのは、面を外すとき、辛い顔を相手に見せないように面で顔を隠す、顔を守ってくれた面に感謝する気持ちで先に面の中を拭くと教わりました。
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Re: 竹刀を拾う時のマナー ( No.6 ) |
- 日時: 2015/07/26 00:19:10
- 名前: サラ・ブライアント
- Hide.さん、ありがとうございます。
>左座右起は刀を抜くときの思想に起因しているのは間違いありません。
左座右起の行動そのものは、刀を抜きやすいように考えられたものだが、 剣道の場合はそういう場合を想定して左座右起をしているわけではない… ということなのでしょうか。
でも、刀を右に置いて左座右起、というのもなんだか矛盾していますよね…。 よけい何のための作法なのかがわからなくなってしまいました(笑)
>ドリルで穴を開け紐を通し、直接小手にくくりつけてしまいました。 >これですと、通常の小手と同様に扱うことが可能ですよd(^-^)!
小手に最初から装着している状態だと、カバーの弾力で小手の内側がせばまるので、右手が通しづらいのです。 (小手下もつけているのですべりが悪いのです) なので、カバーをくくりつけても同じ事かと思います…。 あと、元立ちをずっとやっているわけではなく、時々カバーを外すこともあるので、はめ外しはできないといけないのです。
でも最初から装着しておいて、なんとか手を通せない事はないような気がするので、今度試してみます。
>剣道具の着脱時は最も隙ができやすい。 >それゆえ、背後を壁にして周囲が見渡せるよう正面 >(壁に対して斜めではなく)を向いて着脱しなさいという教えです。
これは上座に失礼とかそういうことでなく、 片付けの時も隙ができないように正面を向きなさい、ということなんですね。 正座して片付ける、のとはまた別問題なわけですね…。
理由までは聞かずに教わった事も、いろいろと理由があるものなのですね。
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Re: 竹刀を拾う時のマナー ( No.7 ) |
- 日時: 2015/07/26 08:30:54
- 名前: Hide.◆vm9xYr4tCqk
<
>
- 参照: http://ichinikai.com
- To 趣味剣さん
管理人のHide.です。
木刀の刃は、左右どちらに置いた時にも自分の方に向けます
To パシッさん
管理人のHide.です。
前述した通り「後付け」のマナーですが、ご自身がそれがいいとお考えになられるのでし たら、そうされるのがいいでしょう 〜☆
To サラ・ブライアントさん
>左座右起の行動そのものは、刀を抜きやすいように考えられたものだが、 >剣道の場合はそういう場合を想定して左座右起をしているわけではない… >ということなのでしょうか。
本来、刀の作法を考えて所作であったところから、かなりずれてきてしまっていることは 事実です。 座礼も、「左手右手とつき、右手左手ともどす」だったのが、「両手同時」と改悪されて しまいましたし(-_-)
少なくとも所作礼法は、発祥当時の思想をしっかりと把握し行う必要があると考えていま す
>なので、カバーをくくりつけても同じ事かと思います…。
あの小手カバーは広がりますよ 〜☆
>あと、元立ちをずっとやっているわけではなく、時々カバーを外すこともあるので、は >め外しはできないといけないのです。
小手紐で括りつけているだけなので、紐を解けはズグに外れます
>片付けの時も隙ができないように正面を向きなさい、ということなんですね。 >正座して片付ける、のとはまた別問題なわけですね…。
もちろん、上座に対する礼も含まれていますし、正座で片付けることにも「隙のない身構 え」が含まれています 〜☆
>理由までは聞かずに教わった事も、いろいろと理由があるものなのですね。
剣道の所作礼法には全て理由・理屈があるんです。 そこを知ることはとても大切だと思います
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Re: 竹刀を拾う時のマナー ( No.8 ) |
- 日時: 2015/07/27 02:19:56
- 名前: 三七式ヨシ
- 三七式ヨシと申します。
趣味剣へ、Hide先生の補足です。
刀には反りがあります。
お相手に敵意があり、座礼中などにこちらの刀が抜かれようとしたとき、刃を内、峯を外に置くと、柄が体から離れていき抜かれにくくなるためだそうです。
今はなくなりましたが、依然わが県では五段審査のとき制定居合の一本目と六本目が審査項目にあり、少しだけかじりました。
その時の講習会で、通常刀礼は手をつく前方に置くが、体側に置くときは前述の理由で刃を自分に向けると教わりました。
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Re: 竹刀を拾う時のマナー ( No.9 ) |
- 日時: 2015/07/27 07:02:38
- 名前: Hide.◆vm9xYr4tCqk
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>
- 参照: http://ichinikai.com
- To 三七式ヨシさん
管理人のHide.です。 補足ありがとうございましたm(_ _)m
以前、居合道七段の友人に、そんな話を聞いたことがありましたが、すっかり失念してお りました。 やはり日頃から、刀に触れていないとダメですね(^^ゞ
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Re: 竹刀を拾う時のマナー ( No.10 ) |
- 日時: 2015/07/27 09:21:42
- 名前: 趣味剣
- 皆様、ご丁寧な解説ありがとうございます。
所作も含め、今後勉強してまいります。 刀としての取り扱いの考え方、勉強になりました。 弦の向きについて道場でも正直、統一されていないと 見受けられるので提案してみます。
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Re: 竹刀を拾う時のマナー ( No.11 ) |
- 日時: 2015/07/27 11:57:49
- 名前: 三七式ヨシ
- 三七式ヨシです。
趣味剣さん、お名前に敬称が抜けていました申し訳ありません。
Hide先生、時々ワープロのコピペミス等があることをお詫びします。
他のトピで読んだのか忘れましたが、座礼をするとき肘の内側に置くというのもあったと思います。
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Re: 竹刀を拾う時のマナー ( No.12 ) |
- 日時: 2015/07/27 17:53:13
- 名前: サラ・ブライアント
- Hide.さん、ありがとうございます。
>座礼も、「左手右手とつき、右手左手ともどす」だったのが、 >「両手同時」と改悪されてしまいましたし(-_-)
過去ログ等見てみましたが、この「左手→右手」もいろんな説があるんですね…。
私は、警察では手の親指と人差し指の間の「△」に「鼻が入るような位置に」と聞いたのですが (礼をしている時に上から頭を押さえられても、鼻が床に当たってダメージを受けないように、と聞きました) 今の剣友会では、額のあたりに△が来るようにと言われました…。
>あの小手カバーは広がりますよ 〜☆
広げることはできますが、すぐ弾力で戻ってしまうのですが… 小手に装着すると、マジックテープで締めなくても、 小手の筒部分がかなり狭まってしまいます。 もしや商品が微妙に違ったりするのでは…? それとも、広げたままにする方法があるのでしょうか。 http://www.f-budogu.jp/shopdetail/010006000005/
あと刀の刃をどちらに向けるのかも微妙に悩んでいたのですが、 ここではっきり聞いて解決してよかったです。
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Re: 竹刀を拾う時のマナー ( No.13 ) |
- 日時: 2015/07/28 05:56:48
- 名前: Hide.◆vm9xYr4tCqk
<
>
- 参照: http://ichinikai.com
- To サラ・ブライアントさん
>私は、警察では手の親指と人差し指の間の「△」に「鼻が入るような位置に」と聞いた >のですが(礼をしている時に上から頭を押さえられても、鼻が床に当たってダメージを >受けないように、と聞きました) >今の剣友会では、額のあたりに△が来るようにと言われました…。
神前や仏前に座礼をする場合は、額の位置に△が来るようにすると、肘まで全てつくこと が出来ますので、それは本来「神仏への礼法」ですね
>広げることはできますが、すぐ弾力で戻ってしまうのですが…
根気よく広げてください。 写真をお見せできないのが残念ですが、ちゃんと広がりますよ 〜☆
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Re: 竹刀を拾う時のマナー ( No.14 ) |
- 日時: 2015/07/28 23:26:08
- 名前: サラ・ブライアント
- Hide.さん
>それは本来「神仏への礼法」ですね
なるほど、この座礼はそちらのほうなんですね…。 黙想(仏教)をするのに神前に拝礼、など、 剣道にはいろんなものが入り込んでいるので、 ルーツを理解するのがたいへんですね…。
考え出すと、いろんな事が気になってきます(笑)
>根気よく広げてください。 >写真をお見せできないのが残念ですが、ちゃんと広がりますよ 〜☆
そうなんですか! では、地道に広げてみます。 保管している時に、太いものにはめておくといいのかもしれませんね。
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Re: 竹刀を拾う時のマナー ( No.15 ) |
- 日時: 2015/07/29 07:37:13
- 名前: Hide.◆vm9xYr4tCqk
<
>
- 参照: http://ichinikai.com
- To サラ・ブライアントさん
>剣道にはいろんなものが入り込んでいるので、 >ルーツを理解するのがたいへんですね…。 >考え出すと、いろんな事が気になってきます(笑)
あはは、仰るとおりです(^^ゞ
今はもう絶版になっていると思いますが、馬場式典先生がお書きになった『剣道礼法と作 法』という本は、そうした考え方やルーツに詳しい名著です。 古書で手に入るかもしれません 〜☆
>保管している時に、太いものにはめておくといいのかもしれませんね。
はい、いいアイデアだと思います
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