Re: 構えの低さについて ( No.1 ) |
- 日時: 2025/06/17 07:22:54
- 名前: Hide.◆vm9xYr4tCqk
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- 参照: http://www.ichinikai.com
- 管理人のHide.です。
いやぁ、よくご自分の剣道を分析できていて驚きです。 よくわからないのが「打突の際に下から捲り上げるような振りかぶり」という部分。 これは一体どういう状況でしょうか?
実は私も構えはかなり低いんです。というよりも、「下段攻め」が私の持ち味です。 私は身長が164センチと男性の中では小柄ですので、低い構え(ほぼ床と平行)からお相手の手元を攻め、 ・表から突き ・下からの小手 ・表からの面 ・上からの小手 ・裏抑えからの面 ・裏抑えからの胴 ・裏の巻き面 ・表からの逆胴 が主な仕掛け技です。 構えは低いですが、最も多用するのは面で、決め技が小手ですね。 攻めているのは「突き」です。常に「突き心」でお相手と対峙します。
小柄ゆえ、打突時には手元を上げて打ちに行かなければなりませんから、出小手が一番のウィークポイント です。それを防ぐために攻防の中では「絶対に手元を上げない(=中段の構えを崩さない=足でさばく)」 を一番重要視しています。もちろん、お相手の仕掛けに表から「乗り抑える」こともできます。 したがって、出小手や出鼻面に乗られたときは、「手元の攻めが効いていなかった(=技前が悪い)んだ な」と考え「技前(攻め)」を大切にしています。
当然お相手は面を狙ってくるわけですが、その際に簡単に面を許してはいけません。 ・出鼻小手 ・返し胴 ・抜き胴(抜き逆胴) ・摺り上げ面 ・出鼻面 など、攻防の中で「面に来そうだな」と感じるときには、面を誘いながら間詰めし、お相手の打突を誘いま す。お相手がそれを察知して居付く、あるいは崩れてくれれば仕掛けるチャンスです。 なお、お相手の小手に関しては、構えを崩さず手元を上げなければ打たれることはありませんので、対策は 立てていません。応じて打つ、あるいは後打ちが打てる状態ならそこを狙っています。
匿名希望さんの剣道を直接拝見したことがありませんが、書き込みから感じる問題点は、 ・相手の攻め返しを警戒する際、低めの構えから左拳を上げてしまうため、三所避けの態勢になりがちな事 でしょう。これは最もいけません。さらに、 ・構えが低いのに手元(小手)への攻めが効いていない 点でしょう。
低い構えはお相手の手元の上がりを咎めることができなければ役に立ちません。 こちらが先に構えが崩れてしまったのでは、お相手を攻めきれるはずがありません。 まして、面を決めたいのであれば小手を攻める必要があると考えます。 「上を攻めて下を打つ、下を攻めて上を打つ」 「表を攻めて裏を打つ、裏を攻めて面を打つ」 これが剣道の定石ですので。
あまり「なりたい姿」に関する回答になっていないかもしれませんが、主に私の取り組み(考え方、組み立 て)について書かせていただきました。
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Re: 構えの低さについて ( No.2 ) |
- 日時: 2025/06/17 08:10:28
- 名前: 匿名希望
- Hide先生
早々かつ丁寧なお返事ありがとうございます。 「捲り上げる」の表現ですが、仕掛け技の際に 鍔元を抑えにかかるイメージで間合いに入るので 一度剣先が下がり方、そこから上がることを表現したく このような書き方となりました。
最近上位に来るような選手は、相手を制しつつ 極端な話、突垂あたりまで剣先が上がり、 打突時はテイクバック小さめで押し込む打突をする イメージでしたのでその対比の意味を込めております。 (少なくとも剣先が下がるイメージがないです)
当方は身長が175センチと一般男性並みもしくは少し 高い方に分類される認識です。 攻め方としては拝見する限り先生と似ている部分もあり 現状、小手を牽制してからの面といった二段技も使用します。
課題感はご指摘の通り下の攻めが効いていないことと、 三所避けと認識しております。 特に、攻めが効いていない状況は格好の 諸手突きの的になっており、擦り上げ技を見せてケアしつつも 最終的に居着いたタイミングで捉えられることもしばしばです。
攻めの方は、一朝一夕にいかないと思いつつも せめて三所避けについては矯正したいなと思っております。 ※攻め返せないですし、この先の剣道でつまづくであろうことが 見えているので…
稚拙な質問となり恐縮なのですが、改めて この三所避けの矯正について良き方法などありますでしょうか。 しばらく試合がないので、 1.当面手元を上げずに足でケア 2.並行して、手元を上げる場合は右手もセットでせめて返し技を狙う これを心がけ、しばらく撃たれまくってみようかと思っておりますが 実はいい方法がある…等あれば教えていただきたいです。 (あったらいいなぁ泣)
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Re: 構えの低さについて ( No.3 ) |
- 日時: 2025/06/17 22:39:36
- 名前: Hide.◆vm9xYr4tCqk
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- 参照: http://www.ichinikai.com
- To 匿名希望さん
>「捲り上げる」の表現ですが、仕掛け技の際に >鍔元を抑えにかかるイメージで間合いに入るので >一度剣先が下がり方、そこから上がることを表現したく >このような書き方となりました。
う〜ん、ご説明いただきましたが、やはり動きをイメージすることができません。 申し訳ありません。
>この三所避けの矯正について良き方法などありますでしょうか。
「左脇を空けない」これに尽きます。 常に左脇に紙(もしくは手ぬぐい)をはさんでいるつもりでお稽古してみてください。 私は常にそれを意識しています。 左脇が空いてしまうのは、引き面を打った時だけです。 それ以外は絶対に空けないように心掛けています。
私が子どもの時分は、左脇が空く(左拳が正中線から外れる)と「踊りを踊るな!」「踊 りを踊っている」と叱責を受けたものです。 本来の剣道の技術は「打つ、突く、かわす」の三要素でできていますが、今の剣道は「打つ、よける」でな おかつよける方に比重が置かれています。 「攻防一致」ではなく、「攻めは攻め、守りは守り」となってしまっています。 そのもっとも大きな理由が「三所よけの蔓延」です。左拳が外れてしまえば、お相手の打 突をかわせたとしても、その後の打突につなげることができません。 これが現代剣道を質的に低く、味わいのないものにしてしまいました。 いまや、八段まで三所よけをする始末。剣道の未来は暗いと感じています。
剣道は「構えが崩されたら負け」です。 心に四戒が生まれるから構えが崩れるのです。 たとえ打たれなかったとしても、構えが崩されたら負けと心してお稽古することです。 そのためには「肚を据える」こと。 「打てるものなら打ってみろ」と自分のすべてをさらけ出して、中段に構えましょう。 そして「打たれることを恐れないこと」です。 打たれて打たれて打たれて……剣道は強くなるもの。 よけて打たれないことが巧みになっても、剣道に深みは生まれませんし、なにも得るもの はありません。
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Re: 構えの低さについて ( No.4 ) |
- 日時: 2025/06/18 08:13:06
- 名前: 匿名希望
- Hide.先生
>う〜ん、ご説明いただきましたが、やはり動きをイメージすることができません。 >申し訳ありません。
こちらこそうまくご説明できず申し訳ないです。 子どもへの指導然り、最近は剣道の言語化の難しさに 頭を抱えている次第です。
左脇の件、アドバイスありがとうございます。 早速意識してやってみようと思います。 重ねての質問で申し訳ないのですが、ポイントとしては 「空けない」ことであり、「締め続ける(力を入れ続ける)」とは 異なるものと理解しておりますが相違ないでしょうか?
この辺りの理解が剣道を続けていても未だ難しく そしてここへ来てかける人もそうおらず…
競技としての剣道において、三所避けは最後の緊急回避手段くらいで あるといいなぁと思いつつ、楽さにかまけて常態化してしまいました もはや悪癖なので、なんとか治したいものです。
話は変わりますが、剣道の基本「打つ・突く・かわす」これを 初めて聞いたのは学生時分にご指導いただいた時が初めてでした。 当時は目の覚めるような感覚で、今回のご返信で懐かしさを覚えたのですが この概念って一般的なものでしょうか?
なかなか「剣道の基本とはこうだ」を謳う際に見かけるものでは ないような気がしておりまして、疑問に思いました。
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Re: 構えの低さについて ( No.5 ) |
- 日時: 2025/06/18 12:50:37
- 名前: Hide.◆vm9xYr4tCqk
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- 参照: http://www.ichinikai.com
- To 匿名希望さん
>子どもへの指導然り、最近は剣道の言語化の難しさに >頭を抱えている次第です。
おっしゃる通り、剣道を言語化することはたいへん難しいことです。 このサイトを作って25年目ですが、相変わらず難しさを感じながら取り組んでいます。
>「空けない」ことであり、「締め続ける(力を入れ続ける)」とは >異なるものと理解しておりますが相違ないでしょうか?
打突の瞬間には締めますが、それ以外は「空けない」ですね。 「空かない程度」にくっついていればOKです。 締めすぎると打ちが出なくなります。
>この概念って一般的なものでしょうか?
はい、一般的な概念です。 しかし昨今あまり聞かなくなりました。
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Re: 構えの低さについて ( No.6 ) |
- 日時: 2025/06/21 22:55:33
- 名前: 匿名希望
- Hide.先生
脇をかけない心掛け、早速稽古で試してみましたが、 やはりギクシャクしました笑 慣れるまでは大変そうですが、のちにつながる貯金だと思って 励んでみようと思います。
また、打つ・突く・かわすについても勉強になりました。
今回はありがとうございました。 また機会がございましたら書き込みさせてください。
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Re: 構えの低さについて ( No.7 ) |
- 日時: 2025/06/22 06:47:16
- 名前: Hide.◆vm9xYr4tCqk
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- 参照: http://www.ichinikai.com
- To 匿名希望さん
少しでも拙サイトがお役に立ちますれば嬉しく存じます。
一度ついてしまったクセを修正するのはなかなか困難なものです。 どんな場面でも意識し根気よく取り組んでいくうちに身についてくるものです。 頑張ってくださいね。
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