Re: 日本剣道形における先後とは? 師の位、弟子の位とは? ( No.1 ) |
- 日時: 2009/06/29 17:24:16
- 名前: Hide.◆vm9xYr4tCqk
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- 参照: http://ichinikai.com
- 管理人のHide.です。
くだらない質問だなんてそんなことはありませんよ。多くの方が中年剣士さんと同じよう な疑問を抱きながら形を打っておられると思います。でも、「形がなかなかうまくいかな い」、「なんかやっていても面白くない」のはそのあたりの理解も含め十分でないからっ ていう理由も決して少なくありませんで(^_^ メ)
さて、形の上ではすべて「後の先」に見えますが、室はそうではないんですね(^^)
剣道形のすべての本目において、打太刀は仕太刀の強い気位におされ、やむを得ずこれを 打破しようとして「機を見て」仕太刀に対して打ち込んでいくんです。
それが最もわかりやすい形となって表れたのが、中年剣士さんがおっしゃる六本目ですね。
仕太刀が下段から攻め上げる。これを制しきれずに縁を切ろうとして、打太刀が上段に引 きさがりますが、すかさず仕太刀が追い込みます。苦しくなった打太刀は攻めに耐えかね て相中段におろし、さらに仕太刀の攻めの気を感じ、その出頭に小手を打ちに行くところ をすり上げられるわけですd(^-^)!
他の形も、形には現れてませんが、常に仕太刀は「能動的な気」を発し「先の気位で」 打太刀を圧迫するように攻めていなければ、形が「間抜け」「気抜け」の状態となってし まうんですね。演武を見ていてつまらない形のほとんどが、仕太刀が待ってしまっている もの。はなはだ退屈で緊張感のないものになってしまっています(-_-)
ってこんな説明でご理解いただけますでしょうか?(^^;
>また「上手が打太刀、下手が仕太刀が基本である」とも教わりましたが、その理由も教 >えていただけたらと思います。
形稽古というのは本来、刀で斬り合いをしていた時代の流派剣術で、効率よくその流派の 技を教え(習う)ために編纂されたものです。
一流一派をなした武芸者の元にはたくさんの門弟が集まるわけですが、真剣で対峙してい たらけが人や四人が続出します。そこで、木刀や木剣などを使い、打太刀が他流派の様々 な攻撃のシチュエーションを演じて見せ、それに対して「当流のさばき方(勝ち方)」を 示したものが形稽古というわけなんです
流派によって違いはありますが、数百もの形が編纂され、それぞれ弟子の位によって「初 伝」「中伝」「奥伝」「皆伝」などと名付けられ、少しずつ難しく奥義(=秘伝)に近い 技を学ばせました。 つまり師が弟子に「勝ち方の筋道」を教えるために作られたものですので、打太刀が負け、 仕太刀が勝つという図式になっている(そうでないものもある)んですね。
日本剣道形は、明治時代の末期に「学校教育の教材として形稽古を取り入れよ」という機 運が高まり、各流派の形を整理統合して代表的形を作ろうということで各流派の代表が集 まり大正元年10月に制定された「大日本帝国剣道形」がそのルーツとなっております。 ゆえに、流派剣術の時代からの慣例である「打太刀が師の位、仕太刀が弟子の位」という 考え方もそのまま残ったんですねd(^-^)!
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Re: 日本剣道形における先後とは? 師の位、弟子の位とは?? ( No.2 ) |
- 日時: 2009/07/06 15:01:13
- 名前: 中年剣士
- hideさんへ
返信が遅れて申し訳ありません。 ふたつの質問をわかりやすく解説していただきありがとうございました。 「気」とか「心」は目に見えるものではないだけに難しいですが、なんとなく理解できたような気がします。 これからは「先の気」を持って形の稽古をしてみようと思います。 ありがとうございました。
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Re: 日本剣道形における先後とは? 師の位、弟子の位とは?? ( No.3 ) |
- 日時: 2009/07/06 17:18:13
- 名前: Hide.◆vm9xYr4tCqk
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- 参照: http://ichinikai.com
- 少しでも拙サイトがお役に立ちましたのならうれしく存じます。
剣道形はやればやるほど面白くなってきます。 ぜひ、色々研究しながら「自分の形」を打ってみてくださいp(^-^)q
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