めんめんめんさんへ
まさにその先生がおっしゃる通り「攻める気持ちを持って」というのが正しいです。
剣道は常に「先」が大切です。 先とは「読み」+「攻め」って表現が近いと思い
ますが、打たれるのを待ってから返して打つ、応じて打つというのではまったく遅
く、先生の言われる「攻める気持ち」がないと、実際、応じることができないから
です。
仮に貴方が高段者なら、お相手は貴方に打ち込む隙を見い出せませんから、打って
行きません。 激しく剣を振るって崩すか、我慢比べして相手を打つ気にさせるか
…そんな駆け引きになります。(実際、高段者ならお相手が動じた瞬間に一撃で仕
留める訳ですが…笑)
剣道では基本的に「待っていて何かをする」という技はありません。 「常に相手
の隙をうかがい、隙あらば打つ」という攻めの気持ちがあり、「自己の隙をもらさ
ぬように接近し(攻め)、来れば応じる」という攻めの気持ちを持ちながら打ち間
に入ってゆきます。 そして最終的には「相手を崩して無力化する」というのが剣
道の駆け引きであり、構えであり、技です。
技術的な話をするならば「応じ技は手前で受ける」というのが基本です。これを「
前でさばく」といいます。 応じ技は「1.相手が打ってくる→2.受け返す→3.
打突する」ではなく、「1.相手が打ってくる→2.受け返して打突する」という具
合に自分の動作は1拍子なのです。(この微妙な違い判るかなぁ…)
この1拍子を実現するには、「読み」であったり「反射」でなければなりませんか
ら、自分が攻めている状況でなければ出てこない拍子なのです。 また攻められて
お相手が苦しくならなければ打ち込んでは来ません。 応じ技を出そうにも、お相
手が攻めかかって来なければ意味がありません。 このお相手が攻めかかる状況を
作り出すのも貴方の攻めがなければ実現しません。 そういった意味で常に攻める
気持ちが大切なのです。
余談ですが、剣道では「左手の拳の位置は正中線から外すな」という教えがありま
すが、その理由の一つにこの1拍子の応じ技を実現させるためには左手が正中線上
になければならないからです。ですから、応じる時にも左手は自分の正中線上に置
いて置くことを忘れないで下さい。