記事タイトル:小手について 


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お名前: Hide.    URL
to よっこさん

管理人のHide.です。
よっこさんは、「剣道Q&A」のみきさんと同一人物ですね(^^;
拙サイトでは、同じ内容のカキコを複数すること(マルチポスト)は禁止です。
ご理解くださいm(_ _)m

お名前: よっこ   
はじめまして。突然なのですが、防御をする時左手が右手よりも高いとなぜよくないのでしょうか??教えていただけたらうれしいです!

お名前: Hide.    URL
To 剣道初心者さん

>下図のようにスポーツが試合での勝利を本質的目的とするのに対して、武道・武術に
>おける試合は、「上達の程度」や「正しさ」の検証を本質的目的とするように思えて
>きました。

むささびさんも書いておられますが、スポーツと武術では発祥がまったく異なります。ゆ
えに、その有効打突(ポイント)となるものの考え方も異なって当然ですね。

第二次大戦後、GNQの占領政策により剣道をはじめとする武道は「禁止令」によって封じ込ま
れてしまいます。しかし、先輩諸氏のご努力により、「スポーツとして」復活を遂げるわけ
です。でも、これは剣道が完全にスポーツ化されたのではなく、あくまでも「方便であった」
と考えております(^^)

今の世の中において、剣道=武道であったとして、剣道(あるいは武道)が「戦意高揚のた
め」の競技だと主張する人はどこにもおりますまい(^^; でしたら、スポーツなどと考え
ず、武道は武道らしい伝統美と格式を供え「文化たるべき」というのが私の考えなんです
がねぇ(^_-)~☆

お名前: むささび   
 剣道初心者さん,
大変に深い御理解をなされていると思います.
そもそも西洋のスポーツは貴族等のレクリエーション
を中心に発展しましたので競技そのものはそれ以上の
意味を持ちません.気晴らしや健康に寄与するか,競技
として優劣を競えれば目的を満たします.

 しかし武道は文化として禅にも似て人格と精神の完成
を目指すのが目的となり,それにより本来忌み嫌うべき
殺生法に取り組む意味を見い出してきました.その結果
輩出された高名な剣豪達が口を揃えて天意や大道に導
かれ武藝の道の偉大さを証言しています.

 また文化として日本は不文律の多い国柄とみえて,形
や稽古,試合(立ち会い)も単にそのものを目的として
完結しない深い意味合いを込めているものです.その文
底(もんてい,底意)まで読み取る姿勢でこそ深い真意
を体現するように編まれていると言えます.奥義とは単
に奥伝に進む事よりその真意に穿(うが)つ事を言う
ものなのでしょう.

 柔剣道等近代武道は一般大衆の普遍的体育として誰
しもが合理的に学べるべく規格化され合理的に編まれ
ています.しかし先人が偉大だったのはその体育的な
技術により深く高くその伎倆を培うだけの深遠な課題
を底に込めたものだった事でしょう.

 一見体力,バネ,反射神経等で充分極められそうな
競技が,より深い次元の技術につながっている証明
ならば中山博道先生,高野佐三郎先生以下の諸先輩
方にいくらでも例を引けます.

 逆に言えば今日の指導者の課題もその剣道の深い
文化性に導く剣道であり続ける努力にほかならない
と思います.国際化や競技の合理化を論ずる前に指導
者は一刀流はじめとする剣道の永い歴史的探究をし,
あるべき剣道像を守る姿勢を期待たいです.

 基本にあくまで忠実にとりくみつつ,御自身で生涯
剣道の目標までを見据えてより深い伎倆の開拓に励
まれてはいかがかと思います.高名な剣道家の諸先輩
方や一刀流等古流もその導きに大きく寄与するはずで
す.

お名前: 剣道初心者   
To Hideさま むささびさま

 ご教示いただき、ありがとうございました。
 同じくルールに則った試合であっても、スポーツと武道・武術では意味が異なり、
下図のようにスポーツが試合での勝利を本質的目的とするのに対して、武道・武術に
おける試合は、「上達の程度」や「正しさ」の検証を本質的目的とするように思えて
きました。
 思い切った言い方をしてしまえば、武術・武道における試合のルールは、そもそも
強い弱いを競うためのものではない、ということになるのでしょうか。
 素人の妄言、お許しください。

<武道・武術>におけるルール、試合の位置付
  実戦
   ↓
  戦いのモデリング・鍛錬方法の考案
   ↓
  形の創出
   ↓     
  形稽古(モデルに基づく理合いの習得・上達)
   ↓
対人動作によるモデルの検証のためのルール設定
   ↓        ↑
  試合稽古の実施による検証(技術の習得、モデルの有効性、ルールの妥当性)

<スポーツ>におけるルール、試合の位置付
  ルール
   ↓
  試合(目的)
  ↓  ↑
 試合での勝利のための練習・上達

お名前: Hide.    URL
To むささびさん

>基本が明治の先人に編まれた際には暗黙にして有効部
>位以外にも隙や不覚のない「充分の位」でとる剣道が常
>識であったと思います.

おっしゃるとおりですね。
今は「打突部位さえ守ればいい」といった考え方が強くなってきています。いわゆる「ス
ポーツ化」ですね(-_-)
現場の指導者の、よりしっかりとした自覚が必要だと思われます。

お名前: むささび   
 そうですねぇ,本来の基本は決して有効部位のみに
防御を専心してよしとするものではないのでしょうけ
ど.残心とは広義には不覚をとらぬ剣風全体に及ぶはず
ですし.(因みに気,意,心をそれぞれ細分化してとらえ
,終始一貫してその内一番奥の心までは相手や攻撃動作
の側に振り分けないで常に用心するのを残心とする古流
の考えもあります.)

 基本が明治の先人に編まれた際には暗黙にして有効部
位以外にも隙や不覚のない「充分の位」でとる剣道が常
識であったと思います.本来の剣道の精神が今こそ必要
なのだと信じます.位で制する真の勝ちを目標にご精進下
さいませ.

お名前: Hide.    URL
To 剣道初心者さん

少しでもお役にたちますればうれしく存じます。
これからも、何かわからないことが出てまいりましたら、何なりとお尋ねください(^_-)~☆

お名前: 剣道初心者   
Hideさま
 丁寧にご回答いただき、ありがとうございました。
 小手を打ち損じて人様に怪我をさせたりしないよう、正確な打突を身につけたいと思
います。

むささびさま
 いろいろとご教示いただき、ありがとうございました。
 攻撃についてはご教示いただいたとおりと思うのですが、防御については、打突部位
以外を守らない、という癖が付いてしまいそうです・・

康さま
 ご回答いただき、ありがとうございました。
 初心者である私は、妻と一緒に試合を見ていて、「どうして今の面が一本にならな
いの?」と聞かれても明確に答えることができません。
 諸先輩方の判断を帰納して、自分の判断基準を涵養しなければならないのでしょうが、
剣道にはスポーツとしての曖昧さと、「芸」としての妙味を感じます。

お名前: 康   
 剣道初心者さまへ

 (1)について書かせてもらいます。
  
  八段の先生より審判指導を受けた時のことです。
  小手については、打突部位は筒部である。
  しかし、技として成立していれば小手頭の部位も一本とみなすべきだ。
  つまり、タイミング、刃筋、強さなど考慮して判断すること。
  特に小中学生の審判を行うときはこのことを頭において審判をすること。
  と、話がありました。
  ご参考に。
 
  
 

お名前: むささび   
 補足します.
初学者は往々にして「こんな打ち方も入るはずだ」
或いは「試合で相手が崩れた剣風を遣うのに正攻法
は不利では?」と考えるものです.
しかし正しい剣風以上に安全,有効な方法は在りません.
逆胴をみても無闇に用いると隙ができます.鍔迫り合いも
実は実戦では危険な状態に外なりません.もし古流の遣い
手ならばなで斬りで頚や小手を落とすのに雑作もないはず
です.(なでても斬る為に総身に刃が付けられています)
武蔵の五輪書にも「石花のあたり」と太刀の迫り合う位置
から太刀を引かず即に斬り落とす手合いがあります.

 ですから正しい剣風が一番得策になるのです.ちょうど
免許とりたてのドライバーに注意をしろと説いても恐さを
知らないので安易に飛び出したり,自分勝手に周りと協調
した運転をしないのにも似ていましょうか.

 小手に限らず本来太刀は打つだけでなく引き斬り,なで斬
り,或いはあずけて乗せ斬るものです.古流は数多あり手筋も
無限です.そのいずれに対しても不覚のないよう剣道の理合い
は編まれています.有効部位が少ないから不利なのでなく,む
しろそれで有利に護られているのです.小手を正しく打てる間
なら自分も安全な位置や位にあります,崩れた姿勢で入っても
実戦で安全とは限りません,面や胴も同様です.

 初心の方々には自信と敬意をもって基本に忠実な剣を学ん
で頂きたいと思います.
 長々の僭越をお許し下さい.

お名前: むささび   
 いいですねぇ〜こういう質問.初学者ならば必ず抱く
疑問ですもの.
 元来竹刀剣道は稽古の方便として編み出されたもの
です.故に有効打突部位は必ずしも実際の急所とは重な
らないものです.特に横面より肩口,頚部の方が致命傷
なのは誰でも判ります.

 防具が考案されて以来,先人の絶えざる思案により今日
の剣道の部位と正しい打ち込みの条件が完成しました.
その理合いに沿って充分の打ちが極まる事で真剣の術理
への階梯,道のりを正しく昇る事ができる為です.

 これは形,型地の稽古に木刀で相手の打ち込みを受けて
いた時代から既に実戦と形の違いは明らかでした.現実には
真剣同士を合わせる事は熟達者では稀で,むしろ抜いて斬
るのが本義でしたが防具もない為打々発止(ちょうちょう
はっし)と稽古しました.

 ですから防具が出来てからもこの精神は受け継がれ,有効
部位を絞る事で技術の正しい発展を促して来たのです.あく
まで只当たるのでなく気剣体が充分極まって入るのが一本
であり,それではじめて剣の道を一歩進める道理です.

 この技術的に収斂(しゅうれん)凝縮する事で進化した
剣道の偉大さは先人の大いなる遺産です.

 でも古流の自分からすると,剣道とは別に(面部分に対す
る)袈裟の斬り手や脛当てへの脛斬りを認めたり,足遣いも
歩み足での斬りや,半身鐘木足の抜き足など各古流が一同に
会した競技があってもいいようには思いますけども.

お名前: Hide.    URL
管理人のHide.です。

>(1)有効な部分は、小手ぶとんの部分のみということですが、小手頭の部分でも十分
>   に有効な気がします。なぜ小手布団の部分のみ有効なのでしょうか。

そうですねぇ、試合審判規則にそう決められているから・・・ってなお答えではダメでし
ょうね?(苦笑)

正確にいいますと、打突部位は小手の筒部だけです。つまり、内側の紐の部分やケラ(筒
とこぶしの間の痛いところ(^^;)も打突部位じゃないんです。

刀で切りあっていた当時の小手を考えますれば、まさに手首、つまりケラの部分こそ人間
の急所(切れやすいという意味)。そこが、拡大解釈(?)されて、現代の打突部位に移
行してきたのではないでしょうか。
こぶしを含め打突部位になっていないのは、ひとえに
 ●安全上の問題
と推察いたします(^^)


>(2)中段の構えの場合、右小手のみが打突部位とされています。ポジショニングによ
>   っては左の小手も不自然に思えません。なぜ右小手のみが打突部位なのでしょう
>   か。

これには誤解があるようですね。
左小手が有効打突にならないのは、「正しい中段の構え」のときだけです。
 ●小段の構え
 ●中段の変形(上段に対する「平正眼」や「霞の構え」)
 ●よけているときの左小手(三所よけなど)
 ●上げ小手(肩より上に腕が上がっているとき=引き面を打って決めているときなど)
はすべてしっかり打てれば左小手も一本になります(^_-)~☆


>(3)練習中、誤って小手の防具でカバーされていない場所を打ってしまうことが多く、
>   技術的な課題と思っています。

そのために剣道着は「七部袖」なんですね(^0^)
剣道着の長さは、「腕を曲げたときにひじが隠れる長さ」が適正といわれています。つま
り、少々上にはずされたとしても、生身を打たれることはないはずなんですが・・・(^^;

なお、剣道着や袴が身体に密着しておらずゆとりをもってダブダブに作られているのは、
打突部位以外を打たれたときの衝撃緩和の目的です。小手も紐をきつく縛ってしまいますと打たれたときの衝撃がきついですから、ゆとりを持たせたほうが痛くありませんしね(^
^)b

お名前: 剣道初心者   
いつも楽しく読ませていただいております。

つまらぬ質問で恐縮なのですが、書き込みさせていただきました。
よろしくご教示くださいますよう、お願いいたします。

(1)有効な部分は、小手ぶとんの部分のみということですが、小手頭の部分でも十分に
   有効な気がします。なぜ小手布団の部分のみ有効なのでしょうか。
(2)中段の構えの場合、右小手のみが打突部位とされています。ポジショニングによっ
   ては左の小手も不自然に思えません。なぜ右小手のみが打突部位なのでしょうか。
(3)練習中、誤って小手の防具でカバーされていない場所を打ってしまうことが多く、
   技術的な課題と思っています。しかし、それにしても、肘関節手前までカバーでき
   る防具としたほうが合理的に思えます。なぜ、小手の防具はこのような形状なので
   しょうか。

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