私は柄もとを体に近いところで扱うことが肝要だと思っております。
構えの時には左こぶしをへそからこぶし一つ分だけ離し、そこから半径5センチ
ぐらいの空間で左こぶしを使います。
振りかぶる時には竹刀、右手、左手が頭になるべく近いところを通るようにし、
振り下ろすときには左こぶしが体から離れすぎないようにし、ひじが下を向く
ようにします。
それに体(足、腰)がともなっていれば力強い打ちが自在にできると思います。
「すばやく」というのは手の使い方を上手くやらなければなりません。
見逃されがちなのが、右手の使い方です。
ここからは私の持論ですが、構えから竹刀を振りかぶるときは、右手で竹刀を
体に引き寄せ、剣が上向きに立つか立たないかのうちに右手の力を抜き、左手
で柄を上に持ち上げます。振りかぶり終わりのところで右手の手刀の部分で竹
刀を押し始め、それにともない左手を下ろします。そして振り下ろしたら右手
で竹刀を受け止め、キメを作ります。
この「振りかぶり初め」、「振りかぶり終わり&振り下ろし初め」、「振り下
ろし終わり」の3つの“瞬間”に右手がきちんと働けば、竹刀がすばやく振れ
るようになると考えています。