去る、12月2日(土)、標記大会が寒風吹きすさぶ東京武道館で盛大に行われた。参
加した大学は、79大学。20世紀最後の大会ということで各コートとも熱のこもった
試合が展開された。
そんな中での優勝は、中央大学。6年ぶりの優勝だが、過去5年を振り返ると必ずベ
スト4に入賞している実力校だ。決勝の筑波大が苦戦は、おおかたの予想を覆して4-1
と圧勝であった。
優 勝 中央大学
二 位 筑波大学
三 位 明治大学・東海大学
ベスト8 早稲田大学・国学院大学・青山学院大学・日本大学
優秀選手賞 大曲康介(青山学院・1年)、石井 聡(国学院・2年)、野口貴志(中
央・2年)、亀井隼人(筑波・2年)、迫丸卓哉(東海・2年)、国元隆
寛(日本・2年)、内村良一(明治・2年)、高間賢一郎(早稲田・2年)
熊本国体の少年男子のメンバーだった3人を含む東海大学が、1回戦から勢いのある
戦いをしており、優勝候補の筆頭と目されていた。4回戦で国際武道、続く準々決勝
で青山と難敵を倒しての筑波大学戦。大将戦までのスコアは1-1、本数差で東海が有
利に展開していた。しかし、筑波:内田、東海:迫丸のPL学園卒業同士の大将戦は、
もつれるかと思われたが、あっさり内田の二本勝ち。最初の鍔元に当たった小手が一
本になり、迫丸が冷静さを欠いてしまったのだ。このあたりが、まだ「新人戦」なの
だろう。見ごたえのある一戦だった。
東海を破って勢いづくかと思われた筑波だが、中央の勢いの方が勝っていた。4回戦
以降、拓大、国学院、明治といずれも楽に叩いて勝ち上がってきた。これまでの中央
というと、「打たせない難剣」というイメージが強かったが、この日は打たれないこ
とよりも攻撃力の方が目立っていた。春の個人戦で「全日本学生への出場権なし」と
いう創部以来の出来事に、監督・学生以下全員が一丸となって再建に努力したのでは
ないだろうか。それが、先の全日本学生優勝大会の2位やこの優勝につながっている
ように思われた。
試合後、大会副会長挨拶で「試合開始直後に打って出るような剣道はダメだ。もっと、
奥深い剣道を目指しなさい」と21世紀を担う学生にお叱りの言葉があったが、たしか
にその傾向はあったものの、全般的には、先に行われた関東学生剣道優勝大会よりも
正しく構えあっていたように感じた。このあたりは、現場の指導者の姿勢に大きく左
右されるのではないだろうか。
また、少し前まではやたらと茶髪な選手が目立ったが、今大会はほとんどそういう選
手がいなかった。「終日禁煙」というマナーに違反する学生もあったようだが、おお
むね、いい方向に進んでいるような感じを受けた。
ただ、回転しながら打った面抜き胴や、横殴りの逆胴など有効打突の判定や、ライン
際や倒れた選手に対する「やめ」の宣告などは今後審判者講習会などで協議していか
なくてはならないと思われる場面が多々散見された。