【大会総評】
前回、男子の大会の時に「質的低下」をレポートしましたが、女子の大会ではそれを
感じませんでした。今回とくに感じたのは、各大学間の格差が少なくなったというこ
とです。全体的にはレベルアップを感じました。
男子のように、左手を上げてよける形から間合いに入って強引に業を仕掛けるとか、
「はじめ」の宣告と同時にすぐに鍔ぜりになってしまうなどという試合はほとんど見
られず。きちんと構えあって試合ができていました。
優勝の筑波ですが、1回戦シードで迎えた2回戦目の大正大学戦では動きが悪かった
のですが、2回戦以降は、危なげのない試合。とくに、興梠姉妹が的確にポイントを
稼いでいました。興梠姉妹は、ディフェンス力もさることながら、要所要所で引き技
がうまく決まっていました。大学生になると、いわゆる「パターンのつばぜり合い」な
ど高校では一般的に稽古されているような内容をことさらメニューに組み込んでいな
いためか、鍔ぜりの出来不出来が勝敗に大きな影響を及ぼしているようでした。
準優勝の早稲田ですが、組み合わせに恵まれていたこともありますが、選手一人ひと
りが前向きに、かつ、明るく試合に臨んでいたのが功を奏しました。ちょうど、シド
ニーで高橋直子選手がマラソンで金をとったときのような、「爽やか」というイメー
ジがピッタリ来るような、悲壮感のない試合運びでした。
試合を楽しめるときは、結果もいいものです。見習いたいですね(^^)
試合以外の面では、観客席のマナーの悪さが気になりました。これは、男子の大会で
も感じたことですが、「声援はご遠慮ください」のアナウンスを無視するどころか、
対抗するように露骨な声援をする大学もありました。
また、開会式・閉会式の最中の観客席のマナーもいただけません。試合者・審判・運
営サイド・観客などすべての関係者が一体となって、立派な大会を作り上げるものと
考えます。各大学の指導者には、試合に勝ち負けもさることながら、こういう点をし
っかりと指導してほしいと念じます。