御質問はすでに完結していますが、タイトルに関連して書き込ませていただきます。
構えとは・・・・?
構えには、大きく二つの意義があります。
(一)敵と対峙する際の(防御の)態勢
(二)動作のある瞬間を固定した形
一般的には(一)の意味合いが広く用いられています。 これは言葉の元々の意味が
「堀や柵など敵の侵入を防ぐための構造物」であるからです。
しかし、剣道の五行の構えをはじめ武芸に普遍的にみられる構えは(二)の意義で
捉えるのが適切です。
こういう場面を想像してください。
師匠が弟子に技を教えています。 「一度しかせぬぞ、よおく見ておれ!」と目にも
留まらぬ早業を披露する師匠。 しかし、目にも留まらぬ早業など一度で覚えられる
はずもなく「速過ぎてなんだかよくわかりませんよ、もう一度お願いできませんか?」
と弟子。 師匠はといえば「仕方のない奴だな、技の初めは先ずこうだろ、そして
こうなって終わりはこうなるだろ・・」とゆっくりわかりやすく説明する羽目に・・。
このような場合、技の要所要所でとめて見せる必要が出てきます。 そしてそれが後に
「構え」と呼ばれるようになった、と考えられます。 留めて見せることで、印象づけ
覚えやすくする効果があります。 写真もビデオも無かった時代の工夫ですね。
つまり稽古における「構え」とは、正しい動作を記憶する装置である、といえます。
形稽古の最も単純な様式、ともいえます。 「実戦において構えは不要」とか「構え
有って構え無し」という教えも、上のように構えを稽古法と位置づけていれば理解でき
ますね。