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お名前: Hide.
to S−1さん
>私の勝手な解釈かも知れませんが、
>真剣勝負では、致命傷を与えたかどうかがすべてと考えることも可能で
>その場合は、先をとったりよい姿勢で残心をとったりすることは どうでもよいこ
>とになりますよね。
おっしゃりたいことは良くわかります。ただ、私も真剣勝負なんていうものは経験あ
りませんので想像の域でしか物を語れませんが、真剣勝負においては、必ずしも致命
傷が必要ではなかったのではないかと考えています。
文字通りの「致命傷」ではなく、相手にとって「致命的なダメージ」を与えることが
できれば勝ちだったはずです。片腕を斬り落とされても戦意を喪失せず、瀕死になり
ながらも相手にとどめを刺すことの出来た剛の者もいれば、かすり傷を負っただけで
相手の軍門に降ってしまったものもいたはずです。
要は「相手の心を打った(斬った)かどうか」が勝敗の分かれ目だったのではないで
しょうか?
かといって、いたずらに怪我をするわけにはいきませんから、S−1さんがおっしゃ
るように「致命傷を受けることを防いだ状態で致命傷を与え」られる技術の開発こそ
が最大の命題だったのでしょう。
若さとスピードに頼った剣道も、竹の棒での叩き合いだからこそ出来ること。もし真
剣での立ち会いなら、勢いだけでは戦いきれないことは明白です。
審判が立ち、当事者ではなく他人に有効打突の判定を委ねたとき(=剣道の競技化)
から、剣道の本質的なゆがみが生じてきたこと考えます。
この辺りは『剣道談義』の中の「剣道の審判」で、「自己審判制一本勝負」について
の話をしておりますので、ご参照ください(^^)
有効打突の判定ですが、やはり多くの面数が必要でしょう。それも、打つことではあ
りません。
数多く稽古し打たれる中から「今のは一本だな」ということがわかってくるのではな
いでしょうか? 元立ちで子供たちに頭を差し出す中から「よし、今のはいいぞ」と
か「今のは軽い」「気持ちが入ってない」「冴えが足りないぞ」なんて声をかけつつ
子供たちのレベルにおける有効打突を学ばせていただくことが出来るのではないでしょ
うか。
打つことではなく、打たれることによって自得されていくというのが、私の考えです(^^)
お名前: S-1
To 親馬鹿親馬鹿一刀流さん Hideさん
>相面の事とか、軽くてもは確かに教育的見地が大きいです。
姿勢の事は、別な見方をすれば姿勢が崩れていても相手に致命傷を与えたかどうかと、
打った後に形だけの残心ではなく気持ちになにか余韻のようなものが残るかどうかも審判の見る所ではな
いかと思います。
ただ、Hideさんも言われていますが、立派な打突かは疑問です。
私の勝手な解釈かも知れませんが、
真剣勝負では、致命傷を与えたかどうかがすべてと考えることも可能で
その場合は、先をとったりよい姿勢で残心をとったりすることは どうでもよいことになりますよね。
しかし、剣道はその練習方法として発達してきたわけですから、打ち損じたり、
逆襲をうけたりするようなことを教えることは許されませんよね。
弟子を実戦で殺すようなものですから ^^;
そのために、剣道の有効打突には、打つべき時に打つことが、要求され
また、打ち終わった時に逆襲を受けないために残心をとることが要求される
と解釈しています。
(正確には、この議論の中でそういう解釈がよいのではと確信しはじめています)
そう解釈すると、有効打突は単に致命傷を与えたかどうかだけでなく
致命傷を受けることを防いだ状態で致命傷を与えた時が剣道における
有効打突と解釈できるのではないかと思っています。
若い人はスピードがありますからそのスピードを使って致命傷を受けるのを
防いではいけないとは、言えないでしょうから、姿勢が基本から少々ずれていても
強靱な体力でもって 気剣体が生きていれば有効打突にしてもよいのでしょうね
ただ、年をとるとそれはできない ^^;
したがって、(必要以上の)スピードを必要としない、基本に忠実な
有効打突が酒業、じゃなくて修業の目的と成りこれが立派な打突になる
ということではないかと愚行していますが、いかがでしょう?
ただ、真剣勝負をしたことのない小生には(するつもりもありませんけど)
正直いってどこまでが打突や残心が必要かは判断のしようがない ^^;
したがって、どこまで間をあけるべきか、致命傷にはどの程度強い打突が必要かは??????
おそらく、稽古の中で悟るしかないのでしょうね?
お名前: S-1
To 親馬鹿親馬鹿一刀流さん Hideさん
>相面の事とか、軽くてもは確かに教育的見地が大きいです。
姿勢の事は、別な見方をすれば姿勢が崩れていても相手に致命傷を与えたかどうかと、
打った後に形だけの残心ではなく気持ちになにか余韻のようなものが残るかどうかも審判の見る所ではな
いかと思います。
ただ、Hideさんも言われていますが、立派な打突かは疑問です。
私の勝手な解釈かも知れませんが、
真剣勝負では、致命傷を与えたかどうかがすべてと考えることも可能で
その場合は、先をとったりよい姿勢で残心をとったりすることは どうでもよいことになりますよね。
しかし、剣道はその練習方法として発達してきたわけですから、打ち損じたり、
逆襲をうけたりするようなことを教えることは許されませんよね。
弟子を実戦で殺すようなものですから ^^;
そのために、剣道の有効打突には、打つべき時に打つことが、要求され
また、打ち終わった時に逆襲を受けないために残心をとることが要求される
と解釈しています。
(正確には、この議論の中でそういう解釈がよいのではと確信しはじめています)
そう解釈すると、有効打突は単に致命傷を与えたかどうかだけでなく
致命傷を受けることを防いだ状態で致命傷を与えた時が剣道における
有効打突と解釈できるのではないかと思っています。
若い人はスピードがありますからそのスピードを使って致命傷を受けるのを
防いではいけないとは、言えないでしょうから、姿勢が基本から少々ずれていても
強靱な体力でもって 気剣体が生きていれば有効打突にしてもよいのでしょうね
ただ、年をとるとそれはできない ^^;
したがって、(必要以上の)スピードを必要としない、基本に忠実な
有効打突が酒業、じゃなくて修業の目的と成りこれが立派な打突になる
ということではないかと愚行していますが、いかがでしょう?
ただ、真剣勝負をしたことのない小生には(するつもりもありませんけど)
正直いってどこまでが打突や残心が必要かは判断のしようがない ^^;
したがって、どこまで間をあけるべきか、致命傷にはどの程度強い打突が必要かは??????
おそらく、稽古の中で悟るしかないのでしょうね?
お名前: Hide.
to 親馬鹿一刀流さん
そうですね。審判の在り方が未来の剣道を作り上げていると言っても過言ではありま
せん。正しい有効打突の判定や礼法・所作・マナーなどの指導が、その子の将来に大
きな影響を及ぼすのです。そう言った意味からも、審判こそ指導者の視点を失っては
いけないのです。まさに、審判のレベルこそが大会の格を表しているのです。昨今で
は大会が乱立し、運営方法から審判のレベルまで様々ですが、現場の指導者はもっと
出場させる大会を選んで行く必要がありますね。主催者本意のダメな大会はどんどん
淘汰されていくべきなんです。
>軽いと分かって旗を上げるのは、改めるべきなのかもしれません。
剣道の試合にはこちらが予想だにしなかったことが多々起こり、審判は瞬間的な判断
を要求されます。常日ごろから、有効打突というものを常に意識した稽古や剣道の見
方をしていなければならないでしょう。まさに、日々精進というところでしょうか。
また、審判は数をこなすことで上達するものですから、大会ばかりでなく、道場内の
ちょっとした練習試合などでも積極的に審判する心構えも必要ですね(^^)
>例えば、つばぜり合いからAが面を打つ為にフェイント気味に大きく振りかぶった
>所をBが引き胴をしっかり打って間合いを切ろうとした。Aは胴を打たれたが振り
>上げた竹刀でそのまま面を打ち切って勢いよく前に出て間合いを切らせなかった場
>合なのです。この場合、私は胴に旗を上げます。
前にも書きましたが、その胴が「打った瞬間に打ち切り・決め・残心まで含まれてい
た」と判断できるなら有効打突でしょう。しかし、これら要件を満たす以前にBの面
が当たり、かつ、Aがそれを決めさせ残心まで示してしまったとするならばBの面で
しょうか。
>その他、相手の胴が当たっているが、受けようとしてたまたま脇で挟んで抜かせな
>かった場合、相手の面打ちを受けようとして、小手で受けてしまった(小手ごと面
>を打たれていると思える)場合等、審判規則でも明確にしていない事があると思い
>ます。
規則上明らかにはされてませんが、この二つのケースは有効打突とは言えません。
前者は「打ち切らせなかった」「残心を取らせなかった」と判断できますし、後者は
「打突部位を的確に打突していない」ということです。むろん、相手の「偶然」の動
きからそうなったわけですが、競技における有効打突は必ずしも「必然」をもって規
定されているわけではありません(上の例のBの面など)から、防ぎ方にも「偶然」
があって問題はないはずです(^^)
お名前: 親馬鹿一刀流
To Hideさん
ご回答有り難うございます。大分整理ができました。
審判が自信と信念を持たずに出来ないと子供達に良い影響は与えられませんよね。
今後の審判は自信を持ってやります。
軽いと分かって旗を上げるのは、改めるべきなのかもしれません。
小学生は全ての項目が100点満点の打ちはなかなか出ないと考えておりまして、80点以上
なら一本と思っています。
軽い打ちに旗を上げるケースは、攻めがあった、あるいは相手の起こり等、打突の機会の捉え
方が100点、打った時の姿勢、刃筋が100点、打った後の姿勢、残心も100点に近く、た
だ打ちの強さが78点とか79点だったような場合です。60点では上げません。
自分でもほんの少し、ウッと思いながら上げる事もあります。
本来の規則では×ですよね。
To S−1さん
相面の事とか、軽くてもは確かに教育的見地が大きいです。
姿勢の事は、別な見方をすれば姿勢が崩れていても相手に致命傷を与えたかどうかと、打った後に形だけの残心ではなく気持ちになにか余韻のようなものが残るかどうかも審判の見る所ではな
いかと思います。
ただ、Hideさんも言われていますが、立派な打突かは疑問です。
引き技の事の判定の疑問は、残心を取らせない反撃があった場合に、他の審判の先生方と私が反
対の方に旗を上げてしまうからなのです。
例えば、つばぜり合いからAが面を打つ為にフェイント気味に大きく振りかぶった所をBが引き
胴をしっかり打って間合いを切ろうとした。Aは胴を打たれたが振り上げた竹刀でそのまま面を
打ち切って勢いよく前に出て間合いを切らせなかった場合なのです。
この場合、私は胴に旗を上げます。
その他、相手の胴が当たっているが、受けようとしてたまたま脇で挟んで抜かせなかった場合、相手の面打ちを受けようとして、小手で受けてしまった(小手ごと面を打たれていると思える)
場合等、審判規則でも明確にしていない事があると思います。
お名前: Hide.
to S−1さん
>そう言えば、この間の日本選手権のまえに審判の講習会があったそうですが、
>どのような申し渡しがあったのでしょうか? 連盟の掲示板に乗っているのでしょう
>か?
>そうであれば、よい研鑽の場になると思うのですが。(^^)
全剣連のサイトも見たのですが、とくにそういうことに関しては書かれていおりませ
んでした。残念ながら、現時点においては未確認です。ただ、今月末に発売の専門誌
には全日本の結果が載るでしょうから、そこに触れられている可能性はありますね(^^)
>ただ、そのような技は少なくとも通常の教本には書かれていないのが実情で
>研鑽のしようがない (^^;
今度、小野派一刀流をお教えしましょうか?(^^)
>そうですね、適正な姿勢で理合あっていれば、有効打突ですよね。
>おそらくそこら当たりは異論が少ないですよね。
>異論があるのは、理合の範囲でしょうか。
>教育的見地も含めて、基本に忠実なところまでを理合とするのか、
>より広いところまで理合に入れるのかで解釈がかわりそうです。
そうですね。基本と応用の線引きをどこでするかっていうことですが、私は一通り小
学生から中・高・一般(若手から中・熟年)と指導してみましたが、それぞれの年代
における「基本達成目標」のようなものがあるように思えます。ただ、それをまとめ
るには至っておりませんが・・・(^^;
また、私はできておりませんが『のびのび剣道学校』(http://hb5.seikyou.ne.jp/home/
Masato.Ohuchi/nobiken.htm)では、「基本の中に理合を含める」という新しい試みに
取り組み成果を修めているようですヽ(^.^)ノ
>統一見解は、難しそうですが、オープンな議論は必要ですよね!
おっしゃる通りです(^^)
ROMだけの方もたくさんいらっしゃるようですが、ぜひぜひ、カキコをもって声を
上げてほしいと願いますヽ(^0^)ノ
お名前: S-1
>その点、インタネは時間的な制約がありませんし、文章ですから推敲して書くことが
可能です。テキストの場合、細かい動きやニュアンスなどは伝えにくい反面、思考す
るにはもってこいのメディアですからねヽ(^.^)ノ
おっしゃる通りですね。
そう言えば、この間の日本選手権のまえに審判の講習会があったそうですが、
どのような申し渡しがあったのでしょうか? 連盟の掲示板に乗っているのでしょうか?
そうであれば、よい研鑽の場になると思うのですが。(^^)
>むろん、現代の竹刀剣道と古流の形とを一緒に考えることはできませんが、
この辺が、私のような素人剣士には難しいところです。
なにせ古流を知りませんので (^^;
昔は、700余流もの流派があったと聞いておりますので、それらの理合をあわせれば
いろいろな形の有効打突がかんがえられのでしょうね。
ただ、そのような技は少なくとも通常の教本には書かれていないのが実情で
研鑽のしようがない (^^;
>お尋ねの
ケースは「出小手」というよりも「面抜き引き小手」という感じでしょうか。相手の
正面に対して頭を下げカラダを左に曲げる姿勢が、その技を「その瞬間」に打つため
に必要な姿勢であると思われるならば、「適性な姿勢」と判断できるでしょう。
これは、相手が左拳を突き上げるようなよけ方をしている場合に、カラダを左に曲げ
て左斜め下から右斜め上方に向かって小手を打った場合と同じです。刃筋正しく、正
確に打突部位を捉え、しっかりと正対して残心を示しているのなら、規則上は問題が
ないはずですが・・・。
そうですね、適正な姿勢で理合あっていれば、有効打突ですよね。
おそらくそこら当たりは異論が少ないですよね。
異論があるのは、理合の範囲でしょうか。
教育的見地も含めて、基本に忠実なところまでを理合とするのか、
より広いところまで理合に入れるのかで解釈がかわりそうです。
偉そうこと言ってすみませんm( )m
統一見解は、難しそうですが、オープンな議論は必要ですよね!
そい言う意味で、本サイトには感謝しております。お世辞抜きで!
親馬鹿一刀流さんの引き技にたいする疑問も教育的見地の
いれかたによる理合の違いがるような気がしますが?
お名前: Hide.
to S−1さん
>とありますが、なかなか研鑽の機会に恵まれないのが悩みの種です
>その意味で、この場はよい研鑽の場になってありがたいです。
たしかに、剣道を週に何回かやってるとは言っても、有効打突や審判技術ばかりでな
く、身近にある剣道関連の問題に対して真剣に意見交換する場がほとんどないのが現
状ですからねぇ。稽古後に「酒業」しながら話し合いをするにしても、毎回毎回って
いうわけにもいかないでしょうし、テーマトークというよりも雑談に終始してしまう
ことがほとんどですから・・・(^^;
その点、インタネは時間的な制約がありませんし、文章ですから推敲して書くことが
可能です。テキストの場合、細かい動きやニュアンスなどは伝えにくい反面、思考す
るにはもってこいのメディアですからねヽ(^.^)ノ
>小手技にも難しい局面がよくあると思うのですが、たとえば
> 面打ちに対して、頭をさげ体を自分の左に向け、竹刀はどちらかと言うと
> 左下から右方向に、しかし刃筋は正しく小手筒を捕らえている。
> 打突後、腰を曲げたまま、縁を切るように下がり、中段の構えに戻る
>は、一本でしょうか 充実した気勢、適正な姿勢、残心は
小野派一刀流の話をして恐縮ですが、その組太刀の31本目に「地生(ちしょう)」
という形があります。これは「打太刀が陰の構から振りかぶって正面に切ってくるの
を、仕太刀は右足から入り身に入り下から上に左内小手を切り上げる」という理合で
す。この形の場合、切った瞬間の仕太刀の体は打太刀に対して完全に真横です。
むろん、現代の竹刀剣道と古流の形とを一緒に考えることはできませんが、お尋ねの
ケースは「出小手」というよりも「面抜き引き小手」という感じでしょうか。相手の
正面に対して頭を下げカラダを左に曲げる姿勢が、その技を「その瞬間」に打つため
に必要な姿勢であると思われるならば、「適性な姿勢」と判断できるでしょう。
これは、相手が左拳を突き上げるようなよけ方をしている場合に、カラダを左に曲げ
て左斜め下から右斜め上方に向かって小手を打った場合と同じです。刃筋正しく、正
確に打突部位を捉え、しっかりと正対して残心を示しているのなら、規則上は問題が
ないはずですが・・・。
ただ、そうした打ち方が「立派な打突か?」という観点になりますと、どうでしょう
か?(^^;
お名前: S-1
H11年度の審判細則規則には、”充実した気勢、適正な姿勢の判断は、審判員の
修練に基ずく識見と認定と裁量とに委ねられている。よって審判員は充分な研鑽を
必要とする。”
とありますが、なかなか研鑽の機会に恵まれないのが悩みの種です
その意味で、この場はよい研鑽の場になってありがたいです。
確かに、引き技の見きわめは難しい者の一つですね。わたしには、意見するだけの研鑽がありませんが。
小手技にも難しい局面がよくあると思うのですが、たとえば
面打ちに対して、頭をさげ体を自分の左に向け、竹刀はどちらかと言うと
左下から右方向に、しかし刃筋は正しく小手筒を捕らえている。
打突後、腰を曲げたまま、縁を切るように下がり、中段の構えに戻る
は、一本でしょうか 充実した気勢、適正な姿勢、残心は
どう解釈すればよいのでしょうか?
お名前: Hide.
to 親馬鹿一刀流さん
そうですね。レベルに応じて多少有効打突の基準が変化するのはやむを得ないでしょ
う。私も、下は小学生から、中体連・高体連・学連・社会人と様々なレベルの審判を
する機会に恵まれますが、それぞれの大会において有効打突の判断基準を変化させて
臨んでいることは言うまでもありません。
審判をする上で肝心なのは、「そのレベルの選手をどれだけ理解しているか」という
ことです。小学生を一度も指導したことのない範士八段の先生がいらしたとするなら
ば、その有効打突の判定は「剣道をやらないが毎回のように我が子を見ている父母」
に劣るといっても過言ではないでしょう(^^;
しかし有効打突のレベルを変化させると言いましても、一個人試合、一団体試合の中
で変えるということではありません。1回戦と決勝戦というように明らかに両者にレ
ベルの違いがあれば、同一大会内でもそのレベルに応じて有効打突は変化してくるの
も当然です。
また、同じ強さで同じように当たったとしても、熟練者と初心者の打突であれば明確
な違いが出てくるものです。それを見極めるために、(あくまでも原則としてですが)
選手よりも修業を積んでいると判断される上位の段位の者が審判に立つわけです。
>ご質問1
>子供の頃、受けた指導で出端技は軽くても一本(確か高野茂義先生も同じ事を言わ
>れていると思います)、相面は同時なら中心を打った方に一本と習い、自分の意識
>の中に今でもあるからだと思います。
勝手に質問内容を編集させていただきましてすみません(^^;
競技(試合)であるかぎり、打ちの軽いものは出鼻であっても取りにくいでしょうね。
ただし、気勢、体勢、冴え、手の内、機会、打ちきり、残心などほとんどの要素が「有
効」と判断されれば軽くても有効打突とすることもあるでしょう。しかし、「軽い」
と判断しながら旗を上げるのにはかなりの決断が入ります(笑)
おそらく高野先生がおっしゃったのは「稽古において」ではないでしょうか。稽古に
おいては、自分の出鼻を捉えられてしまった場合は、打ちが軽かろうが怪しかろうが
「心を打たれ」ているはずですから・・・(^^)
>あと、明らかな相面なら、中心と横面での優劣はない(どちらも有効打突ではない)
と考えますが、中心を打った方が体勢が勝っていることがほとんどでしょうからそち
らを取るでしょうね(^^)
>ご質問2
>引き技は間合いを切らないと一本にならないでしょうか?
当たった瞬間に「打ちきり」「決め」「残心」などの要件を満たしてしまう打突もあ
りますから、必ずしも「間合(縁)が切れること」が有効打突の条件ではないと考え
ます。
もし、「間合を切ること」が必須条件であるとするならば、ライン際での打突や転倒しながらの打突を一本に取ることは不可能になってきます(^^)
>ご質問3
>引き技を使う場合は、相手が打ってきても応じれないと一本にならないでしょうか?
これも「質問2」と同じ理由で、「必ずしもそうとは限らない」が答です。これは「先
の技」「後の技」という考え方ですね。先の技が不十分で後の技がしっかり当たってい
れば後の技を取るべきですし、先の技も十分、後の技も十分なら、先の技が一本です。
「充分な打突で引き胴を打った相手に瞬間的に面を打った場合」はどちらも取らない
ことが多いんじゃないですか?(^^; どの程度なのか「瞬間的に」というのがキーワー
ドですが、もし、少しでも間があき「打ち切り」があったなら胴が一本ですね。
「追い込んで面を打った場合」これは、「先の技が打ちきり不十分なまま追い込まれ
ていった」ので先の技が一本にならなかったわけですから、当然、面がしっかり打て
ていれば一本になるでしょう。
たとえとしてあげられている「出端小手を打った後に、相手の面が当たった」ケース
は、出鼻小手が十分なら先の技の出小手を取るべきですが、出小手が不十分ならしっ
かり打てている面ですね。
子供の試合などでは、試合場も狭く、また、引き足も遅い場合が多く、「間合が十分
に切れない」ということが多々出てまいりますので、このあたりの見極めはしっかり
したいですね(^^)
お名前: 親馬鹿一刀流
高校生のレベルとは違いますが、自分の審判としての判定基準に悩みがありますので書かせて戴きます。
私、子供達のレベルに合わせて一本の基準を変えるようにしていいるのですが、
理合を重視しすぎると、何も無い所をポコンと打った打ちに旗を揚げにくかったり、逆に理合が
良いと打ちが軽くても上げる傾向があります。
子供の頃、受けた指導で出端技は軽くても一本(確か高野茂義先生も同じ事を言われていると思
います)、相面は同時なら中心を打った方に一本と習い、自分の意識の中に今でもあるからだと
思います。
指導者としての立場からも、まだまだ勉強する事があると実感しております。
ご質問1
全剣連の講習会で、この考えを話しましたら、軽くても一本はないでしょうという回答と、正面
横面に優劣はないでしょうという回答でした。但し、指導的要素からそういう考えはあるでしょ
うと言われました。
皆様のお考えを聞かせて下さい。
次に引き技の残心(残身)についてなのですが、地域の講習会で特に引き胴は完全に間合いを切
らないと一本としないという方が大半で私の意見と対立してしまった事があります。
私は、しっかりと打ち切り、間合いが切れなくても相手の打ちに対する備えがあれば一本ではな
いかと考えております。
ご質問2
引き技は間合いを切らないと一本にならないでしょうか?
ご質問3
充分な打突で引き胴を打った相手に瞬間的に面を打った場合、あるいは追い込んで面を打った
場合、面に旗が上がる事があります。
出端小手を打った後に、相手の面が当たったのと同じと解釈しており、胴に一本と思っておりま
すが、引き技を使う場合は、相手が打ってきても応じれないと一本にならないでしょうか?
お名前: Hide.
to S-1さん
そうですね。残心に見極めには、とくに打突の終末をよく確認するようにしています。
とかく「当たったか、当たらなかったか」に意識が集中してしまいがちですが、剣道
の有効打突は「打つ前」「打っている最中」「打ち終ったあと」という3つの要素か
ら成り立っており、そのどれかひとつでも要件を満たしていなければ「一本」と判定
することは出来ません。
「打つ前」は当然、攻めの状態です。どちらが攻めているのか? そちらが誘ってい
るのか? どちらが打突を仕掛けたのか? 仕掛けたのか引き出されたのか? といっ
た見極めです。
「打っている最中」は、刃筋・気勢・姿勢・打突・冴え、後か先か? といった問題
です。
「打ち終ったあと」は、残心です。打突後の体さばき、打ち終わりの形と姿勢、気勢、
残心などが要件になってきます。
とくに、打突の終末をよく観察することで、形だけの残心をとがめることができるも
のですが、そこまできちんと観ている審判は少ないのが現状です。
さて、本題の残心の見極めとしての基本線が「相手にきちんと正対しているかどうか」
です。中には、相手とはまったく関係ない方に構だけ作って「残心」としていること
が多くあります。たいせつなことは、形ではなく、気持ちです。「気持ちが切れてい
るかいないか」ということが残心の見極めで重要なポイントになります。そこを判断
するためには、「試合者と同じような気持ちで」審判に臨むということが必要になっ
てくるのです(^^)
お名前: Hide.
to あみさん
そうですね。高校生だと試合時間は4分間。その中に、無数の100分の数秒が存在
しているのです。その一瞬を捉えるため、また、相手からつかれないため、緊張感と
集中力のある稽古が要求されるんですね。
「強いチームには優秀なマネージャーがいる」というのは、剣道の世界でも言われて
いることなんですよ。あみさんも、プレーヤーが伸び伸び活動できるようにうまくサ
ポートしていってあげてくださいヽ(^.^)ノ
また、何かわからないことや悩みなどでてきましたら、何なりとカキコしてください
ね。電脳剣士界には心優しき剣道愛好家が多いですから、必ず助けてくれるはずです
よ(^^)
お名前: S-1
残心のみきわめは私のようの下級剣士には、非常に難しいところがあります。
つい、スピードに目がくらんでしまい、勢いで判定してしまうことが時々あり
後悔することが多いです。
残心の見きわめにはどのような注意を皆さんはしていますか。
御教授おねがいします。
お名前: あみ
Hideさん、ありがとうございました!!
いやぁ…剣道に取り付かれて2年目のまだまだ新人には
全日本の選手の一本は難しかったです(-.-;)
しかし、有効打突が100分の数秒という中に発生するということに驚きました!!
一本が決まるということは、すばらしい奇跡のようなことなのかもしれないのですね…。
これからもまだまだ試合があるので、そのたびにそのことを
思い出して応援していきます!
「剣道自体は出来なくても、剣道に関わっている事で剣道をしている。」
ということを信じて私は剣道をしていきたいと思っています。
なので、経験できない分分からない知識はどんどん吸収していきます!
ということで、末永くよろしくお願いいたしますm( )m
お名前: Hide.
さて全日本のアナウンサーの言っていた「不十分」ですが、「有効打突として不十分」
という意味です。それでは、有効打突として十分とはどういうものかといいますと、
全日本剣道連盟が定める試合規則をまとめると、
--------------------------------------------------------
1.充実した気勢で打突したもの
2.適正な姿勢で打突したもの
3.竹刀の打突部で打突部位を刃筋正しく打突したもの
4.残心のあるもの
--------------------------------------------------------
となります。
1の「充実した気勢」とは、偶然に当たったようなものではなく、はっきりと打つ意
志をもって気持ちを込めて打ったかどうかということです。
2の「適正な姿勢」というのは、カラダを曲げたり、首がそっぽを向いていたりなど
というヘンな姿勢ではなく、しっかりとした姿勢で打っているかどうかということで
す。
3の「竹刀の打突部」というのは、竹刀の先から全長の3分の1までのツルの反対側
の部分をさしています。
「打突部位」は面・小手・胴・突のことですね。たとえ、竹刀の全長3分の1のとこ
ろで正確に打ったとしても、ツルの側だったり、竹刀の横の部分で当たったものは一
本となりません。これは、竹刀を刀と同じに考えているからです。竹刀のツルのとこ
ろを刀の峯に、ツルの反対側を刃に、ツルの横を鎬(しのぎ)と考えているからです。
「刃筋正しく」とは竹刀のツルの反対側(=刃)で打ったもの、という意味になりま
す。
4の「残心」ですが、これは打った後も油断のないように相手に備える心と動作のこ
とで、一般的には、しっかり相手に正対することによって成り立ちます。打った後、
背中を向けたままだったり、走り去ってしまったり・・・、などというものは「残心が
ない」ということで有効打突とはなりません。
以上の4点が基本となるところですが、それ以外に、「勢いがない」「冴えがない」
「伸びがない」「引きが遅い」「縁が切れていない(相手と十分な間合がとれていな
い)」などということで「不十分」とされることもあります。
剣道の有効打突は、100分の数秒という中に発生しますが、審判員は瞬時にこれら
のポイントを見分けています。それだけに、オリンピックの柔道にあったような誤審
やあいまいな判定、疑問の残る判定というのも無数にあります。しかし、どんな一本
であっても、それを謙虚に受け止める姿勢が「道」としては大切なんです。
あみちゃんも、マネージャーとして、しっかりと有効打突を見極められるようになり
ましょうね(^^)
お名前: あみ
はじめまして(^o^)v
いつも楽しく拝見させていただいておりましたが、
初めてここへ書くことになりました。(どきどきです!)
私は高校2年生であります。女子です。
剣道部に所属していますが、マネージャーをしておりまして、
直接剣道はしていないのですが、
剣道はすごく大好きです(>w<)
このあいだの全日本選手権を見ていて思ったことがあるのです。
(初歩の初歩が分かっていないのです!今更部活の人に
聞くのは妙に恥ずかしくて…お答えいただけたなら幸いなのですが)
「不十分」としきりにアナウンサーの方がおっしゃっていましたが、
どこがどのように「不十分」なのかがいまいちよく分からなかったのです。
初心者に良く分かるように説明していただけませんでしょうか。
(ゲストブックから転載しました Hide.)
このテーマについての発言をどうぞ。
※半角カナは使用しないようにしてください。文字化けします。
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