尻餅をついてでも残心を取るべきでしたね。
倒されても体が相手の正面を向いていて、しかも倒れる事情が自分の
力ではどうにもならない場合は、一本ですよ。
まあ、この手の往生際の悪い選手は多いものです。
昔こんな話があったので、加えておきましょう。
ある有名な警察官の選手が、若い頃に一般の試合に出場した時のこと。
圧倒的な強さで一般の選手からメンを取りました。しかし3本旗が上がり、開始戦に
戻ろうとした瞬間、その一般の選手は技消しと言わんばかりに
下からスコップで思いっきり突き上げました。その警察官の面が外れかかる程でした。
その警察官の方は、礼をして、下がったと同時に相手の選手席へ向かい、その一般の
選手の面の突き垂を掴んで、思いっきり振り飛ばしました。
正面に座っていた係員数人が制止にやってきましたが、怒り収まらぬ警察官はさらに
一般剣士に掴みかかって行きました。
しばらく揉み合いが続き、ようやく警察官の怒りは収まりましたが、没収試合になる
寸前でした。というより没収試合になるべきだったかもしれません。
あの時は警察官がどう考えても一方的に悪いと思っていましたが、
あれから十数年の月日がたち、あれは一般剣士も同じくらい悪いと思えるように
なりました。
その時の警察官の方は、後に素晴らしい剣士に成長されましたが、若気の至りの
忘れてしまいたい出来事だったのかもしれません。
[2007/07/10 23:02:05]