いちに会の設立の沿革


 近年、剣道人口は減少の一途を辿っているといわれます。これはもちろん、剣道界をあげて取り組まなくてはならない重要課題でしょうが、教育の現場で剣道部の指導にあたっている我々にとっては、極めて切実な問題であります。

 中学校や高等学校の部活動においても、その兆候は顕著です。剣道部がない、あるいは、廃部になってしまった中学校。5名の団体戦が組めない高校の剣道部・・・。これらはけっして、他山の石ではありません。中学校での剣道人口の減少が、すなわち、我々の高校での部員減少にもつながってくるのです。
 そして部員数の減少は、単独での合宿や遠征試合を組むことを困難にしているだけでなく、日々の稽古にすら困るような状況を招いているのです。

 こうした中、「共に指導理念を等しくする学校同士が集まって、合宿をしよう」ということで、平成7年12月、第1回目の合同合宿を淑徳巣鴨高校を使って行ないました。他高の生徒と集団生活を行なうことで技術面・精神面において大きな刺激を受け、互いに認めあい助け合いながら、単独で行なう合宿以上の素晴らしい成果をあげることができました。

 これを機に、生徒だけの交流にとどまらず、指導者相互も理解・協力・研鑽しあい、たんに試合で勝つことのみを目標とするのではなく、21世紀に向けての人材輩出を主眼に、『文化としての剣道』の伝承を実践していくべく活動を開始しました。

 生徒同士も、互いにライバルでありながら、大会会場では励ましあい応援しあい、高校卒業後も連絡を取り合っています。とかく学校という狭い枠に縛られがちな部活動ですが、目標を同じくする他校の仲間との交流は、人間形成の幅を広げてくれるようです。また、日頃は異性との交流がもちにくい男子校や女子校なども、共に剣を学ぶ一員として仲間意識を持てることは大いなる収穫と言えましょう。

 さらに、いちに会活動のなにより大きな利点は、複数の指導者による多面的な指導が可能になったことです。日常の稽古は、顧問あるいは監督ひとりが指導にあたらざるを得ませんが、合同稽古や合同合宿では複数の指導者から技術的にも精神的にも多くのものを学ぶことができます。おのおのの指導者も、他校の生徒だからと遠慮したり区別したりすることなく、自分の学校の生徒と同様に厳しく、あるいは優しく指導しています。

 また、指導者同士も、平成12年2月に「第2回宿泊研修会」を山梨県石和温泉にて実施。指導力・技術力の向上と親睦を図り結束を強め今日に至っています。


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