記事タイトル:mission02 剣道形の理合を考えろ! 


書き込み欄へ  ヘルプ
お名前: JUN   
すみません。日本剣道形の各本目の元になった
流派を教えていただけないでしょうか?
いくら探しても見当たらないので;
[2006/07/08 21:36:31]

お名前: Hide.    URL
To ryomaさん

はくどーさんへのご質問ですが、なにぶんにも古いトピですので、はくどーさんがご覧に
なっていないことも考えられます。よって管理人の私がお答えさせていただきますm(_ _)m


おっしゃるとおり、今の全剣連が指導する受けたかでは危険極まりない状態です。私もど
うも小太刀に自信がもてなかったのですが、受け方に問題があったのですね(^^;
実は、大日本帝国剣道形の制定委員になっていた高野佐三郎と中山博道の剣道形のビデ
オをつぶさに見ておりましたところ、中山の受け方が違っているのに気がつきました。
それはまさに、ryomaさんが書かれたとおり、「打太刀の眼前上部」でした。

しかし、「右しのぎ」を使った場合、この位置で受けかたができません。中山はなんと
「左しのぎ」を使って受けていたのです!!
同じく小太刀の一本目を見ますと、なんと「左しのぎ」で受けているではありませんか!
私も同じ方法で一本目と二本目を打ってみましたところ、この方が打太刀の切りを素直に
受け流すことが出来ることがわかりましたヽ(^.^)ノ

生徒に指導する場合は「全剣連流」にしておりますが、自分で形を打つ場合は「中山流」
を取り入れております(^_-)〜☆
[2004/07/05 12:35:49]

お名前: ryoma   
はくどーさん

初めての書き込みをしましたので、横長の文章になってしまいました。
同文ですが再度の書き込みをいたしました。ご容赦を!

先月、形の四本目についてご指導を頂きましたryomaです。稽古不十分から未だに理解
できないことばかりです。
恥を承知でお尋ねします。今回は小太刀2本目についてご指導をお願いします。
打太刀の下段に対して仕太刀は半身中段の構え(この時、私は、相手の刀身を抑える
気持ちで構えますが)、互いに間合いに入った時、打太刀が下段から中段になろうと
するが、この時、仕太刀が打太刀の刀身を抑えつつ入り身に攻め入ろうとします。
打太刀、堪らず脇構えに開くところを仕太刀は更に入り身にて打太刀の喉元へ攻め込む。
打太刀は諸手上段から仕太刀の正面を打ち込んで来るが、仕太刀はこの打太刀の刀身を
手首を返して頭上で小太刀の右鎬で受け流して打太刀の正面を打つ手順ですが、
私が疑問に感じている点は、仕太刀が入り身にて十分に相手を攻め込んでおり、
打太刀の刀身を受け流す位置が仕太刀の頭上で受け流すのでは、逆に仕太刀が
追い込まれた体勢になっているような気がします。仕太刀が打太刀の喉元まで
十分に攻め込んでいるのであり、受け流す位置は打太刀が打ち下ろしてくる
打太刀の眼前上部になるのではないでしょうか。現在の解説では攻め込んでいる
仕太刀が最後には追い込まれ、苦し紛れに自分の頭上で受け流した形のような
気がしてなりません。これも以前、ある範士先生にお尋ねしたのですが、
どちらでもよい、との回答でした。ご見解をお願いします。
[2004/07/03 18:12:36]

お名前: ryoma   
はくどーさん

先月、形の四本目についてご指導を頂きましたryomaです。稽古不十分から未だに理解できないことばかりです。
恥を承知でお尋ねします。今回は小太刀2本目についてご指導をお願いします。
打太刀の下段に対して仕太刀は半身中段の構え(この時、私は、相手の刀身を抑える気持ちで構えますが)、互いに間合いに入った時、打太刀が下段から中段になろうとするが、この時、仕太刀が打太刀の刀身を抑えつつ入り身に攻め入ろうとします。打太刀、堪らず脇構えに開くところを仕太刀は更に入り身にて打太刀の喉元へ攻め込む。打太刀は諸手上段から仕太刀の正面を打ち込んで来るが、仕太刀はこの打太刀の刀身を手首を返して頭上で小太刀の右鎬で受け流して打太刀の正面を打つ手順ですが、私が疑問に感じている点は、仕太刀が入り身にて十分に相手を攻め込んでおり、打太刀の刀身を受け流す位置が仕太刀の頭上で受け流すのでは、逆に仕太刀が追い込まれた体勢になっているような気がします。仕太刀が打太刀の喉元まで十分に攻め込んでいるのであり、受け流す位置は打太刀が打ち下ろしてくる打太刀の眼前上部になるのではないでしょうか。現在の解説では攻め込んでいる仕太刀が最後には追い込まれ、苦し紛れに自分の頭上で受け流した形のような気がしてなりません。これも以前、ある範士先生にお尋ねしたのですが、どちらでもよい、との回答でした。ご見解をお願いします。
[2004/07/03 18:06:14]

お名前: やま   
島津書房刊・石垣安造著・直神影流極意伝開の陰の構えの事・陽の構えの事(237〜245ページ)に詳しく書いてありますから参照してください。
[2003/01/17 13:01:50]

お名前: Hide.   
to くにさん

よかったですね〜(爆笑)
[2002/01/23 09:13:13]

お名前: くに   
to はくどーさん
私の願いを聞いて下さって、ありがとうございました。(笑)
お考えには、私も納得です。
続きも短めにお願いします(爆笑)
[2002/01/23 02:02:47]

お名前: Hide.   
to はくどーさん

お忙しいところ「復習」していただきましてありがとうございます。

この、「陰陽説」と「五行説」は全面的に賛同するものです。これで、それぞれの
本目においてその構えをとらなければならない「必然性」が明確に説明できます。
ありがとうございましたヽ(^.^)ノ
[2002/01/22 10:22:15]

お名前: はくどー    URL
こんにちは。
このところ、ちょっと忙しくて自分のHPにもカキコすることが出来なくなっていま
すが、取り敢えず前回の続きとして、4本目以降について考えてみたいと思います。

制定の経緯を見ますと、4本目以降は、文部省とは関係なく、当時の武徳会が制定し
たということになっているようですね。
中身を見ますと、1〜3本目が、構えを上段、中段、下段のいう呼称で統一している
のに対し、4本目以降には「青眼」という言葉も登場してきていますので、こちらの
形は、文部省制定形の3本を卒業した、より上級者向けに編まれたらしいことが想像
できます。

先ずは、4本目から6本目までに着目してみます。

構えを見ますと、1本目〜3本目は、互いに同じ構えなのに対し、4〜6本目は、打
太刀と仕太刀が別々の構えをとっています。

これを、以前にどこかのトピに、陰陽五行説になぞらえて書いてみたことがあります
が、どこのトピだったか忘れてしまったので、あらためて書いてみます。

陰陽説というのは、物事を陰と陽の二つの面に分けて捉える考え方です。
「光あるところに陰がある」という訳ですね。
そして、この陰と陽は絶対的なものではなく、あくまで相対的なものであるようです。
例えば、昼間のロウソクの灯りは陰ですが、暗闇のロウソクは陽になるわけです。

また、この陰陽の考えを剣道の構えに持ってきたとき、一般には上段が陽、下段が陰
と考えられがちですが、ある先生に伺ったところでは、確か直新影流?の教えだった
と記憶していますが(定かではありません)、基本的に上から下へ向かう攻撃を陰の
構えとし、下から上へ向かうのを陽の構えとすると言うらしいです。

あやふやな説明で申し訳ありませんが、取り敢えずこの考え方に沿って、考察を進め
てゆきます。

4本目、打太刀が八相に構えるのは「陰」の構えと考えます。
そこで。仕太刀は八相に対する「陽」の構えで対処します。

5本目、打太刀が上段の「陰」で向かってきますので、仕太刀はこれを下から迎え撃
つ「陽」の構えである平青眼で応じます。

6本目、打太刀は「青眼」(中段よりやや剣先が高く両眼の間につけた構えと考えま
す)に構えるので、仕太刀はこれを「陰」と見立てて、「陽」の下段に構え、下から
攻め上げます。打太刀は、仕太刀の攻めにこらえきれずに、更なる陰の構え、上段に
変化します。そこで仕太刀は上段に対応する陽の構え平青眼に変化させます。

陰陽説に基づいた構えの説明は以上ですが、これに五行説の考えを組み合わせてみま
す。

五行説とは、ご存じの方も多いと思いますが、中国の占いなどに良く出てくる言葉で、
良くお正月の頃に本屋さんで生まれ年による一年間の占いの本を買うと見かけるので
すが、事象を、木、火、土、金、水の五つに分ける考え方です。

五行説に剣道の構えを対応させる考え方は、流派によっていろいろ異なるようですが、
今にち一般的に考えられているのは、以下のようなもののようです。

 上段...火の構え
 中段...水の構え
 下段...土の構え
 八相...木の構え
 脇構...金の構え

更に、五行説には五行相克説というのがあって、これは火に対してはそれを消す水が
強く、水に対してはそれを吸い取る土が強く、土に対してはその上に立つ木が強く、
木に対してはそれを裂く金が強く、金に対してはそれを溶かす火が強いというもので
す。

この考え方に4本目〜6本目を当てはめてみると、以下のようになります。

4本目、打太刀が「木」の構えをとるので、仕太刀は「金」の構えで応じる
5本目、打太刀が「火」の構えをとるので、仕太刀は「水」の構えで応じる
6本目、打太刀が「水」の構えをとるので、仕太刀は「土」の構えで応じ、
打太刀が「火」の構えに変ずるので、仕太刀は「水」の構えに変化する。


以上が、4〜6本目についての、先ずは「構え」に対する私なりの考察です。
順次、個々の理合についても考えてゆきたいと思いますが、あんまり長くなると、
またくにさんに怒られますので(^^ゞ、取り敢えず今日のところはここまでとさせて
ください。
[2002/01/21 14:51:12]

お名前: Hide.   
to はやぶささん
>だから当時大浦さんが書いている。「これは自然の理法じゃない。皆さんが相談
>して作ったのだから、将来、これがダメだとなったら、また皆さんが相談して作
>り変えてくれ」と。
そうなんですか。それは知りませんでしたね。
こういうことを全剣連は承知しているのでしょうか???(^^;

>捨て身相打ち、流派によっては「相抜け」ともいいいいますが、古流のいい流派
>はみんなここに根本原理を置いています。
>日本剣道形も初手で捨て身相打ちを教える形を編むべきでしたね。
ふむ、お説ごもっともと考えます(^^)
しかし、制定の経緯が「中学校の正課教育」であることを考えますと、「捨て身」
ではなく「抜き」になったのかもしれませんね。


to EBICOさん
>妥協の産物であっても、現実問題としては、日本剣道形をやらなければなりませ
>んよね?
>おかしいと思いながら、形のお稽古をしていても、形の為の形になってしまう
その通りです。
くどいようですが、それでこうしたトピを立てているわけですから(笑)

>ぜひ今後もその延長で、お話をお伺い出来ると嬉しいです!
そうですね。みなさんも「理合の考察」というテーマに添ったカキコをお願いいた
しますヽ(^.^)ノ
[2002/01/21 10:18:46]

お名前: EBICO   
みなさん宜しくお願いします。(懲りずに又々顔を出します!)

「くに」さん
 ご丁寧にお返事ありがとうございました。

さて
「はやぶさ」さんの仰る
妥協の産物であっても、現実問題としては、日本剣道形をやらなければなりませんよね?

おかしいと思いながら、形のお稽古をしていても、形の為の形になってしまう

「Hide」さんの仰る
>「ハハァ、こんな理合なんだな」と納得のいく指針のようなものを考察できれば・・・
> って感じなのです。そのために、みなさんお一人お一人の「日本剣道形の解釈」の
> 部分を持ち寄ってみたいというのが、このトピの狙いなんですが・・・(^^;

の辺りをお話頂けると、経験に乏しい私も有難く存じます。
当初、先代のトピックでは、その様なお話がたくさんありましたので
書き溜めて、何度も読み返しております。
大分気持ちが入って来た様に思えます。

ぜひ今後もその延長で、お話をお伺い出来ると嬉しいです!
[2002/01/20 15:47:53]

お名前: はやぶさ   
日本剣道形が中途半端な妥協の産物であることを示す記述がありましたので
紹介します。
これは小川忠太郎先生が生前、市川の人間禅教団付属の剣道場宏道会で述べたものです。
「今の日本剣道形は明治の末に大浦さんという方が会長で当時の剣道の大家を
集めて相談して創った。この人たちもそれぞれに自分の流派を入れようとしたから
なかなか一致しない。柳生流の4本目に「八相」という形がある。柳生流の八相は
かぶとをかぶっての形だから構えが高い。一刀流の陰は構えは低く、剣を立てる。
じゃあ、中間をとって「このへんにしよう」と決めた。それがいまの八相の構えだもの
考え方自体がおかしい。
柳生流には柳生流の特徴がある。一刀流には一刀流の特徴がある。だから、
中途半端なものが出来上がってしまう。それがいまの日本剣道形。
だから当時大浦さんが書いている。「これは自然の理法じゃない。皆さんが相談して
作ったのだから、将来、これがダメだとなったら、また皆さんが相談して作り変えてくれ」
と。

日本剣道形が自然の理法でないという根拠として小川先生は続いてこう述べています。
「あの形は自然の理法じゃない。内原の加藤先生(蒙満開拓の加藤先生。山田次郎吉
に直心影流を習い、茨城の内原に残した。いまも法定研究会は毎年、夏合宿している)
が、あの形を見て、ああ、あの形はだめだ、といった。だいたい、相手が打ってきたら
抜いて打つなんてことはできない。約束動作ならできる。しかし、命がけのところで
人間そんな差があるものじゃない。原理が間違っている」

これに関連して私も思うのですが、日本剣道形は1本目、2本目で「面ぬき面」「小手抜き小手」
を教えますが、この順序の配し方が間違っているのではないかと。
抜き技は見切りであり、技の本質は引き技ですよ。古流は一刀流では初手は「切り落とし」
新陰流では「一刀両断」といずれも相打ちですね。相打ちでまず捨て身を教えるのに、
日本剣道形は1本目、2本目で引き技を教えている。
私は真剣勝負は当然していませんが、命のやり取りの場合、相手が出てきたら、一歩も
引かずに自分も乗って出る以外に勝機はないように感じます。
捨て身相打ち、流派によっては「相抜け」ともいいいいますが、古流のいい流派は
みんなここに根本原理を置いています。
日本剣道形も初手で捨て身相打ちを教える形を編むべきでしたね。
[2002/01/20 10:55:09]

お名前: Hide.   
はやぶささん、くにさん、さっそくのカキコありがとうございますm(_ _)m

ただ、ちょっと気になりますのは、私がこのトピを立てた目的は、「現在打たれて
いる日本剣道形の理合を明確にしよう」というものにあります。ですから、はやぶ
ささんとくにさんのお話のように「錬度によって理合が異なる(形が変わる)」っ
て結論じゃ困るわけなんです(笑)

ちょうどはやぶささんのカキコの「日本剣道形については完全に身につくまでは全
剣連なり、自分の先生の指導方針を遵守し、自由に打てるよう」になる前の方が、
「ハハァ、こんな理合なんだな」と納得のいく指針のようなものを考察できれば・・・
って感じなのです。そのために、みなさんお一人お一人の「日本剣道形の解釈」の
部分を持ち寄ってみたいというのが、このトピの狙いなんですが・・・(^^;


to はやぶささん
>私は形は理合いを理解し、錬度を高めたあとでは自分なりに変えて使うことも
>許されると考えます。
>むしろ理解が深まれば形を変えていくことが自然だとさえ考えます。
私もこのご意見に、全面的に賛同いたしますヽ(^.^)ノ

>私は笹森先生のやり方でやっていますが、個人的には高野先生の打ち方の方が
>きわどい見切りの稽古ができると考えています。
「鍔割」ですが、私は打方が踏み込んでくる間合によって笹森先生の方法もあり、
高野先生の方法もあると考えます。一歩さがるにしても、「鍔を割らせるくらいの
ギリギリの間合」を見切ってさがらなければお稽古になりませんし(^^)

>私は本物の古流がやりたいという人には一刀流の極意形である刃引きの形を勧め
>ます。
うーん、別に順序にこだわるわけではありませんが、「刃引」は「太刀組太刀」
50本にでてくる技の根本原理とはいえ、それを分解し分かりやすくしたものを飛
び越えて学ぶ(教える)のは難しいのではありませんか?(^^;


to くにさん
>私は形って、音楽のようなもので、作曲者(制定者)の作った楽譜(かたち)が
>あって、それにどのように演奏家(打つ人)が解釈を加えていくかということだ
>と思います。演奏家によってつまらなくもなるし感動的にもなる。でも、楽譜の
>通り演奏していることは変わらない。そんなものではないでしょうか。
このたとえはわかりやすいですね(^^)
ただ、作曲者の意図した「解釈」や「演奏法」というのもあるわけで、基本の部分
ではまずぞれに忠実に弾きこなせなければならないはずです。その基本となる部分
の理合が日本剣道形の場会いよくわからない。講習会や先生方に教わるにしても、
何かはっきりしない。
むろん私には私の解釈があるわけですが、それが正しいとも限りません。そこで、
このトピを立てて広くお知恵を拝借し、自分の考え方のよりどころとしたい考えな
んですね(^^)

>(^^)今度は、Hideさんの一刀流小太刀もみたいで〜す
アハハ、それって、私に打てっておっしゃっておられるのですか? 申し訳ありま
せんが、私が自信をもってお見せできるのは、太刀組太刀のみです(^^;

>「使者太刀」ですか。面白いですね。そうすると、あの突きは突き合わせたとこ
>ろで止めたりせずに、すぐに引いて面打ちに行くというわけでしょうか?
本来、仕太刀の変化(状態)によって、様々なタイミングでの打ち込みが考えられ
るはずです。ただ、「形稽古」はある意味「約束稽古」ですから、「相晴眼に戻ら
んとしたその瞬間」を狙って打つようにするのがよろしいかと考えます(^^)

>稽古中に、ちょっと剣先を挙げてみて、相手の反応を見たりするのと同じ事で
>しょう?
ま、そんな感じですヽ(^.^)ノ
[2002/01/20 08:42:09]

お名前: はやぶさ   
toくにさん
>はやぶささんは「法定」も稽古されたようですが、「一円相」などは、世界観を示しているように受け止められます。「翳す」のも、己が境地を示しているのかと…。←門外漢ですので、何とか教えを乞おうと誘ってるんですが(^^;)

一円相というのは法定にはありませんよ。
各形(といっても4本ですが)の初めに「上半円」を両腕と剣先で描くのと、
形のお終いに逆に「下半円」という動作はありますが。
これを合わせれば確かに一相円になりますね(笑い)。
これらはいずれも大きく吸気しながら身体を伸ばし両足元をしっかり踏み固めることです。
地球に不動明王が両手を広げて睥睨している気分ですね。
「翳し」は上半円の直後に額の前に剣を水平に置く動作で、天上天下唯我独尊の気分を
現すといわれています。
いずれにしろ法定は動く禅そのものですから、こうした精神的な解釈を知ってから所作を
覚えたほうが本物に早く近づけます。
茨城県の内原では毎夏、2泊くらいで法定の合宿をやっており、私の師が先生をしているので
興味がおありなら紹介しますよ。

>一刀流の形の最後に挙げた鬼籠手を仕太刀が打つのも、打太刀を一刀に打ちきったことを示しているとか。

まあそうですが、実際に鬼小手を打つことで手の内を鍛えるねらいもあります。
1本目の「切り落とし」でいえば、打太刀の面を相面で切り落とし、出刃の突きで勝つわけ
ですが、ここで打太刀はなんとか形勢を取り直そうと後ろに引いて
上段に構えなおすところを、仕太刀は追い込んで頭から真っ二つに切って仕留める・・・と
いうことですね。

これが無刀流になると著しく技を省いていて、例えば相手の鬼小手を打って仕留めるような
ところを、ただ相手の下段に剣をつけて制することになります。

日本剣道形に熟したら、次は古流というくにさんの考え方には全面的に賛成です。
ただし、いい師に付くことが大切ですね。実際問題そっちのほうが難しい(笑い)。

私は本物の古流がやりたいという人には一刀流の極意形である刃引きの形を勧めます。
大太刀の形は50本ありますが、刃引きは11本で覚えやすいですし、鎬を使うすり技や
浮木の技が中心で、剣の原理が分かりやすいのです。
鬼小手も使いませんし、真剣の刃引きでなく木刀で十分稽古できます。
刃引きならば私が東京に戻ったら、いつでもお相手しますよ、もし興味があればですが・・・。
[2002/01/20 00:20:08]

お名前: 江口   
To Hide. さん。

      前のトピでミーシャさんや はくどーさんに教えていただいていながら
>「高野×中山」
                のビデオ、不精者のわたしはまだ入手してないんです。
                 これは早く手にいれなければ・・・ついて行けない(T.T)

>中山先生は、打方が振りかぶった直後、右足をわずか
>に横に踏みだしながら、さっと一拍子で切ってしまっています。その後、スッと抜
>けて折り敷きながら、いっぺんに脇構え残心に入っております。
                 というところ、道場の先生も感心してた記憶があります。
                 (たぶん同一のビデオではないかと思います)
                  感激して、何遍も観たと言ってました。
                
         今はまだ自分は カキコの文字からの想像しかできませんが(それも貧しい
          想像力で)
         ビデオの方は 胴を 手でキる、現行の方は 胴を足腰の動きでキる
          のかしら? という感じがします。また、面抜き胴は 「いかにも早く打つ
         べし」 とかいうコトバを耳にしたことがあるのですが、そうであるべきなら    
         「高野×中山」の方のつかい方を真似たいです。無理に決まってそうですけど。

>「節度」なんてどこにも感じられません(笑) 
            うわー。そうでしたか・・・
            全日本剣道連盟の剣道形解説書、七本目の「節度」というコトバ
             浮いてますよね。なんか、ひっかかります。
[2002/01/19 22:58:39]

お名前: くに   
to Hideさん
「使者太刀」ですか。面白いですね。そうすると、あの突きは突き合わせたところで止めたりせずに、
すぐに引いて面打ちに行くというわけでしょうか?
稽古中に、ちょっと剣先を挙げてみて、相手の反応を見たりするのと同じ事でしょう?

to EBICOさん
あしさばき、重要ですね。わかっていてもなかなか出来ない。足捌きでかわさなければならない
場面に、
首を振ってよけていたり、小手打ちの足が出なかったり。私も反省の日々を送っています (^^;)

to 親馬鹿一刀流さん
私も、あのビデオを見るまでは、上体を起こした構えで小太刀が出てくるのに何の疑問もありませんでした。
でも、アレを見ちゃったら、やっぱりおかしいんじゃないかと思っています。上体を低くして、いっぱいに手を伸ばすような構えの方がホントじゃないかと…。

形の修得度。大変勉強になりました。社会人4以後は、私のこれからの課題です (^^;)

すいません。仕事です。江口さん。後で書きます。
[2002/01/19 18:51:17]

お名前: くに   
to はやぶささん
千鳥足の話、Hideさんから一刀流の形のビデオ、見せていただきましたので、よく理解できました。
成熟度に従った形というお話も、面白いですね。ただ、私は形って、音楽のようなもので、作曲者(制定者)の作った
楽譜(かたち)があって、それにどのように演奏家(打つ人)が解釈を加えていくかということだと
思います。演奏家によってつまらなくもなるし感動的にもなる。でも、楽譜の通り演奏していることは
変わらない。そんなものではないでしょうか。
わたしはむしろ、日本剣道形をそれなりに打てるようになったら、古流の形を勉強した方がいいのではないかと
思います。
日本剣道形の理合いに「?」がつくものもが結構あることは、このトピへの書き込みを見てもわかることですが、
古流を学ぶことによって、その疑問が解けてきたり、日本剣道形を学んだことによって古流の理解が早まる
ということもあるのではないかと思うのです。

私は、古流の手ほどきをうけたわけではありませんが、流派によって、形というものに対する考え方も
違うように思います。技を伝えるという点では一緒でも、美しく打とうとするもの、精神を込めようとするもの、
汚いと思えるような手を使っても、どうやって勝つかを教えようとするもの。いろいろあるのではないでしょうか。

はやぶささんは「法定」も稽古されたようですが、「一円相」などは、世界観を示しているように
受け止められます。「翳す」のも、己が境地を示しているのかと…。←門外漢ですので、何とか教えを乞おうと
誘ってるんですが(^^;)

一刀流の形の最後に挙げた鬼籠手を仕太刀が打つのも、打太刀を一刀に打ちきったことを示しているとか。

私は、日本剣道形の後は、そっちへ行きたいですね(^^)

to Hideさん
(^^)今度は、Hideさんの一刀流小太刀もみたいで〜す
[2002/01/19 17:55:03]

お名前: はやぶさ   
 Hideさんがせっかく新しいトピを立ててくれましたので形に関する
一考察をしたいと思います。
私は形は理合いを理解し、錬度を高めたあとでは自分なりに変えて使うことも
許されると考えます。
むしろ理解が深まれば形を変えていくことが自然だとさえ考えます。
審査形である日本剣道形は制定形ですから、教えのとおり打つのが無難ですが、
この日本剣道形だってこれまで、全剣連の形委員会などのトップが代われば
解釈や動作がたびたび変更されているんですからね。

日本人は基本的にまじめで、上からの指令に従順です。(特に剣道家はですが)
だから全剣連はこういっているとか、先輩がこういっていたとか、
それだけの理由で形を窮屈に遵守しようとしがちですが、
体型も年齢も練度も性別も違う人が皆同じように形を打つほうがおかしいのではないでしょうか。(初心のうちは別ですよ)
だから、形稽古の中では窮屈に考えず、打太刀がいろいろな変化をつけたり、
工夫しながらやると楽しいものになると思いますね。
形を実戦に結びつけるには、単純に同じ規定の動作を繰り返すだけでなく、
そうした創意工夫も必要でしょう。
特に古流は理合いが正しければ形の打ち方もある程度自由であるべきです。
同じ小野派一刀流の組太刀でも打ち方が異なるケースは少なくありません。
例えば組太刀3本目の「鍔割」ですが、笹森順造先生は「打太刀は陰から
振りかぶり、仕太刀の正面を打ちにいくと、仕太刀は青眼を維持したまま一歩下がり
鍔元まで手繰りよせてこれを抜いて死太刀とし、青眼のまま右足から一歩出て突きにて勝つ」
と説明していますが、高野弘正先生は
「打太刀が陰から振りかぶり仕太刀の鍔もろとも正面を打ちに行くと、仕太刀は
一歩も引かず、青眼の構えを下段に変えて打太刀の打ちをかわし、直ちに青眼に
戻って突きで制する」としています。
動作は異なりますがこの技の理合いは紙一重の見切りなのですから、どちらの形でも
目的は達せられるのですね。
私は笹森先生のやり方でやっていますが、個人的には高野先生の打ち方の方が
きわどい見切りの稽古ができると考えています。

剣道形以外のことはあまり知りませんが、昔多少かじった太極拳などになると
同じ陳発科が伝えたものでも現代では演者によってまるで形が違っています。
これは太極拳の中興の祖といわれる陳自身が若いときと晩年では形を変えているからなんですね。
そしてそれは錬度が変われば解釈も変わるのは当然という考え方があるようです。
だから理合いがあっていれば動作は違ってもいいというのが陳式太極拳の老師の共通認識
ですね。

まあ、日本剣道形については完全に身につくまでは全剣連なり、自分の
先生の指導方針を遵守し、自由に打てるようになったら、今度は
自分の創意工夫で変化をつけてみるとか、もっと自由に考えれば
稽古も楽しくなるような気がします。
この世の中に「こうでなければ絶対ダメ」なんてものも考え方もないんですから。
[2002/01/19 14:41:48]

お名前: Hide.   
こちらは、ご自身がお考えになる「日本剣道形の理合」や、理合に関する研究・見
解をお書きいただくトピです。

理合に関するご質問もこちらにお願いいたしますヽ(^.^)ノ
[2002/01/19 13:03:26]

このテーマについての発言をどうぞ。
氏名
E-mail URL


半角カナは使用しないようにしてください。文字化けします。
記事一覧に戻る