記事タイトル:アメリカでの剣道あれこれ 


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お名前: Hide.   
カキコを読んでいて、思わず鳥肌が立つのを感じました。

身の危険のない平和ボケした両親に育てられた飽食を貪る日本の子供達の剣道に
取り組む心と、殺伐とした犯罪多発地帯で子供達のために人としていきる道を教
える先生と、道を求めようとする生徒達。これが、同じ剣道に取り組む姿なので
しょうか?

日本における青少年の剣道事情は、残念ながら、試合重視テクニック重視の指導
者がいかに多いことか。むろん、そうした中から磨かれるものもないとはいいま
せんが、度が過ぎるあまり肝心の心を置き去りにしてしまう姿も数多く目にしま
す。

shinyaさんの「剣道が剣道としてこれから発展していく上で一番見失ってしまっ
はいけないもの」という言葉が胸に突き刺さりました。

多くの人(特に指導に携わっている人)に、このカキコを読んでほしいですね。
本当にありがとうございました(^^)
[2000/11/29 08:08:42]

お名前: shinya   
久しぶりの書き込みです。

アメリカはThanks Giving DAYも終わり、本格的な冬がやってくる季節になりました。
THANKS GIVING DAYの終末の日曜日にNEW YORKで試合があってそれに参加してきました。
結果は個人団体とも二位。個人選は同じ剣道道場(志道学院)のNY道場(僕はWASHINGTON 
DCです)の選手に決勝で負けました。彼にはその前の大会でも負けていて、今度は勝つぞ
と意気込んだものの、あえなく撃沈。まだまだ修行不足であることを実感しました。
(この事については後程、「攻めのセオリー」で書き込みしたいと思います)

ところで、書き込みたいのはそんな自分の試合結果ではなくて、この書き込み欄の表題
にある、アメリカ剣道事情についてであります。今回の試合があったALL Hallow High School
というのは泣く子も黙るNYはBronxという非常に危険なところにあります。かの有名な
Yankee Stadium はこの辺りにあるんですが、昼までも治安が悪くて危険なところ。夜中に
日本人の女の子が一人歩きなんてしたら二度と帰ってくることはないんじゃないかってぐらい
危険なところです。つい先日もここで日本人留学生が犯罪に巻き込まれてなくなったそうです。
そんな劣悪な環境の中で剣道をやっているとはまったく知りませんでした。ここで剣道
を教えているヒューナー先生はアメリカ東海岸では一二を争うほどの古参剣道家らしく
この高校だけでなくアメリカの海軍士官学校でも剣道を教えているそうです。この劣悪の環境の中で育つ子供たちに、少しでも剣道を通して礼儀と人を尊敬する気持ちを学ぶことが出来る
ようにとの願いを込めて剣道部を創設したそうです。詳しい話は良く分かりませんが、
そういった志を持った先生の元に子供たちが集まり剣道の稽古をしています。試合に対する技術
はまだまだ敵わないかもしれないですが、一人一人が一生懸命剣道をし、その戦っている
姿を仲間の部員が応援する姿を見て、剣道とはかくあるべしと実感しました。これこそまさに
全剣連の掲げる剣道の理念にのっとった正しい剣の道のあり方であり、これから自分が
自分自身の修練とともに目指すべき道ではないかと思いました。

アメリカでも一二を争う犯罪多発地区で育つ子供たちが、剣道を通して何か心の拠り所と
なるものを見つけることが出来るなら、それだけでも剣道が剣道として存在してきた意義が
あり、それこそが、剣道が剣道としてこれから発展していく上で一番見失ってしまって
はいけないものだと思います。貴重な体験でした。
[2000/11/29 06:34:16]

お名前: Hide.   
Shinyaさん、IMAINGさん、カキコどうもありがとうございますm(_ _)m

いやぁ、お二人の登場で、話が一気に国際化してきました(笑) ありがたいことで
す。狭い日本にいると、国内だけにしか目が行きませんが、お二人のように外国で稽
古をつまれている方からの情報が入ってくると、「もっと頑張らねばなぁ」と思いま
す。なにしろ、本家の日本において剣道における価値観の変化が見逃され曖昧にされ
てきているのですから、これでは示しがつかないどころか剣道そのものが歪められて
解釈されても言い訳が立ちませんね(^^;

それにしても、アメリカとヨーロッパでは剣道に対する取り組みや意識の違い、また、
剣道事情もずいぶん異なるようですね。たいへん興味深く読ませていただきました(^^)
やはり、それらの差っていうのは、国民性の違いなのでしょうか? 私の浅い知識で
いきますと、ヨーロッパの国々は伝統と文化を重んじ、アメリカは歴史が浅いので伝
統というよりも実力主義といったイメージが強いのですが・・・(^^;

いずれにしても、Shinyaさんが指摘されているように、「外国人は打たれないと強さ
を認識できない」という話はよく聞きますね(^^)
[2000/11/09 08:35:12]

お名前: Shinya   
せっかく大統領が決まるまで朝の三時までテレビを見てたのに・・…。朝起きたら勝利宣言
撤回?再集計?ナァーンだって感じです。
アメリカでの剣道の稽古は英語と日本語の混ざった変わった稽古です。日本人の先生が剣
道用語を日本語で使う機会が多いので、僕も出来るだけ日本語で、可能な限り説明してい
ます(攻めとか)。でもやっぱり、先生は圧倒的に不足してますね。ワシントンDCはまだ高
段者が多い地区なんですが、ほかの地区に行くと、稽古相手にも事欠く始末。剣道もやっ
ぱり…といった方向になっていくのは否めないと思います。彼らとしてはこれでいいんだ
と思ったやり方で稽古してるんだし、それを無下に「日本風じゃない」の一言で片付けるこ
とも出来ないから、やっぱり稽古して、ここがこうだから打てないんだよ。だからこうし
なくちゃ、て言う感じで、まず「どうして?」と思わせることから始めています。だから、
結構守りの固い相手にはやりづらい。どうしてもこの教え方だと、こっちがある程度うち
こま無きゃいけないから…俺はおまえに打たれていない、だから俺の方が強いんだって
思ってる人は絶対に人の話は聞いてくれないですからね(日本でも同じなんでしょうが)。
まあ、それでも地道にやればいつかは分かってくれるはず、と思ってやってます。分かって
もらえないのは自分の自力不足ということで解釈しています。

アメリカで剣道の先生って言うのは結構地位があります。ステイタスなんです。だから、そ
の先生の派閥が出来やすい。道場間のいざこざとかも結構多いですね。あんまり、相手の先
生のことを認めたがらない。これさえなくなれば、もっと自由にみんな稽古できるんですが
ねぇ…
[2000/11/08 22:45:37]

お名前: IMAING    URL
Shinyaさんこんにちは(^^)、こちらでは初めてですね。
今頃は夜明け頃でしょうか?
私も昨夜の稽古から帰ってからCNNでずっと行く末を見てましたが、「これは当分決まらないな」と思って
眠ることにして、朝(欧州時間)起きたらまだ接戦が続いているでは無いですか!
現在残りは4つの州、あと数時間で決まるのですね。
コメンテイターもどうなるか分からないからみんな勝手な事言って面白いですね。
話は変わってヨーロッパではアメリカと違って日本人も強い先生も圧倒的に不足しています。
欧人は試合に勝つとか強くなるとかよりも、「正しい剣道」「文化としての剣道」を
身につけたいと思う人が多いようです。
ただ、残念ながらそういったところをしっかり教えてくれる先生が身近にいないと言うのが
かわいそうですね。
ドイツではBier(ビールっていう意味(^_^;))て言う6段の先生が多分最高位ですが
なかなか見えることも無いので、中途半端な剣道が自己流で曲がって?行ってしまうのが
見えたりします。私もへなちょこなので、それを治してやれることも無いのが悔しいですが。
(英語ならまだしもドイツ語で剣道の説明ってしづらいですよね、特に面つけてると)
そんな時Shinyaさんはどんな風にやられてますか?
[2000/11/08 17:25:53]

お名前: Shinya   
今日は大統領選挙。恐らく家に帰ればTVに釘付けとなることでしょう。
じつはHide.さんの掲示板に書き込みするのは初めてなんです。誠志塾では
いろいろとお世話になってたんで不思議な感じですねぇ。

ところでアメリカにきてはや一年が過ぎました。最初来たころは、八年間続けた
剣道ももうできないだろうなぁとあきらめてました。その時は、剣道よりもアメリカで
経済学を勉強したいという夢でいっぱいでした。どうせ日本の大学に行っても、勉強か
剣道かどちらかを選ばなくちゃいけない、そう思って思い切って留学を決意しました。
運命とは奇妙なもので、自分はやはり剣道からは離れられないようです。ワシントンDC
に来て一週間後、ちらちらとインターネットを覗いていると、ワシントンDCに剣道場
(剣道学校かな?道場はないです)があるではないですか。喜び勇んで、すぐに親に電話をし
大至急防具を送ってもらい、それを担いで地下鉄の駅からよ道を歩くこと一時間、
道に迷ってたどり着いたのが、指導学院でした。しかも幸いなことに、次の週にはこの道場
の一番偉い先生がニューヨークから来るらしい。三ヶ月ぶりに竹刀を握った感覚は
今でも忘れられないです。そして出会ったのが加藤先生。指導学院という東海岸では
結構大きい道場を自分のカメラマンとしての仕事の傍らで運営していて、剣道七段居合道七段。
初めて剣を交えたときに、この先生についていけば絶対自分の剣は伸びるはずと確信しました。
その運命的な出会いからこれまで留学生という立場ながら、勉強そっちのけで剣道三昧。今では週四回稽古をしています。四回のうち二回が指導学院での稽古。後の二回が我が
ジョージワシントン大学での稽古。恥ずかしながら、数ヶ月前に剣道時代で記事を載せて
いただき、知ってる方もいるのではないでしょうか?大学に剣道部を作ったのもやはり加藤先生
の影響でした。剣道をアメリカで普及させるならやはり教育機関で教えた方がいい、という先生
の考え方に納得し、勢い剣道部を作ってしまいました。とはいうものの八年も剣道をやってきた
とはいえその中身は??であり、初心者を教えるといってもすべてが昔日本で自分が小さいころ
から教えてきた内容ばかり。どうやって教えた来意のか真剣に悩む毎日です。しかも剣道に対
する理解も日本とは雲泥の差のここアメリカでいかにして部員を集めるか、興味を持たせ
続けれるかに四苦八苦しています。改めて加藤先生のすごさに胸を打たれました。そして、
いかに剣道を教えることが難しいかということに気づきました。
でも、苦しいことばかりではなかったようです。どうして?って考えることによってより深く
剣道の理合について考えるようになり、またまた改めてその実践の難しさを教えられました。
「言うは易し行うは難し」であります。少しでも何か役に立つかもと思い剣道の本も
読むようになりました。(おかげで昔の先生の名前にだいぶ詳しくなっちゃいました!)
今、思い出すのは高校時代に恩師が教えてくれた「教えることは学ぶことなんだ」って言う言葉
が心に響きます。
アメリカに来てから一年が経とうかという頃、サンフランシスコで世界大会が開催され、観戦
しに行きました。そこで、宮崎先生や石田先生と稽古ができるという超豪華な経験をし、全米
代表のクリス ヤン先輩(以下クリス;変に聞こえるかもしれませんが実際こう呼んでます。)
に出会いました。彼は個人選で韓国の選手に勝ち大阪府警の江藤さんに勝ちベストエイトに
なりました。団体戦でも大活躍し、韓国戦ももう少しというところで力足りず惜敗。
アメリカの剣士にとっては感動的な全米チームの活躍であったことはいうにおよばないと
思います。そのクリスがジョージタウン大学に入学し、稽古をする機会が生まれました。
彼はアメリカ生まれの日本人と中国人のハーフ。ロサンゼルスで小さいころから剣道をし、
世界大会の前の一年間、筑波に留学しています。初めて稽古したとき・・・あまり思い出したく
ないですが、目茶苦茶に打ち込まれました。何もできなかったといってもいいぐらいです。
もう一寸できるんじゃないかと思って掛かっていっただけにショックでした。とまあ、
剣を交えること今までで十数回ほどになります。その稽古の中で一本とったのはホンノ二三回。
初めて面があたったときの感触は、うーん、すごくうれしかったですねえ。自然にからだが
伸びてスコンとあたったって感じでした。その後ぼこぼこに打たれましたが。
はっきりいって稽古はつらいです。アメリカではほとんど掛かりげいこをする機会がないために
(打ち込みじゃない、ほんとの掛かりげいこ)鈍ったからだはどうしようもなかったです。
まるで中学校や高校の稽古を思い出します。稽古の前になると腹が痛くなる。ついつい辛いから
今日来なかったらいいのになぁなんて、思っちゃうこともあります。自分の行ってた高校は
(愛知の東海高校)それほど懸かり稽古が多かったわけでもなく、別の項の「荒稽古」の
ような経験はなかったし、前にかいたようにアメリカでする懸かり稽古は本の少し。それが
突然懸かり稽古一人相手に三十分って言う風になったら・・・恐らく想像はつくことでしょう。
基本打ちがうまくできないと殴られる。懸かり稽古でへばると突きまくられる。笑顔で
「そんなに真剣に稽古しないんだったら殺すよ。」なんていわれた日には、どうしていいか
困りました。「出来ないものは出来ないんです」っていうのも癪だし。そんなのが通じる
はずもない。恐らくクリスから一本勝負で一本を取れるようになるまでこの地獄の日々は
続くことでしょう。
とはいうもののクリスには感謝しても感謝しきれないほど感謝しています。あってまだ数ヶ月の
自分に対してこれだけ真剣にしごいてくれる人はそういないはず。皆さんが「荒稽古」で
いってたようにそこには「愛情」を感じるからでしょうか?この感謝に答えるのは
自分が強くなるしかない。というのも、ここアメリカの東海岸は西海岸と比べて稽古相手に
絶対的に不足しています。加藤先生もニューヨークにいるためあえるのは突きに一度か二月に一
度。慢性的な稽古不足になることは否めません。自分が、稽古相手になれるように強くなる。
それが唯一の恩返しだと、勝手に解釈しています。
よくよく考えてみると、クリスから一本取れるようになるというのは並大抵のことではない
というのを恥ずかしながらつい先日気づきました。日本にいた時、つまり高校時代は稽古を毎日
していたとはいうもののそれでも「インターハイをねらってがんばるぞ」というレベル。
それが試合とはいえ全日本二位を破ったお方から、一本取れないといって悩んでいる、
というのは贅沢なんじゃないかとすら思いました(変な言い方ですが)。
と、まあいろんなことが起こりながら、毎日剣道に勤しんでいます。今は、どうすれば
クリスから一本とるか、どうしたらあの構えから発せられる恐怖を克服し、中心を攻め崩せるか
この一念であります。精神的な弱さ、経験の少なさ、はたまた実力の無さなのか、わから
ないですが、自分にとっては死活問題。皆様にはクリス打倒のための力添えになってくれれば
幸せです(笑)。
長い拙文を読んでいただきありがとうございます。もしアメリカの剣道事情に関する質問が
あればこの項へ。お応えできる範囲内で全力を尽くし情報提供していきます。
月並みですが、「剣道も国際化の時代になった」ということですかねぇ?
[2000/11/08 08:51:38]


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